尾道・福山・笠岡のラーメン特集
Ramen
広島県福山市・尾道市、岡山県笠岡市の備後エリアと呼ばれる地域の中核となる3市は、いずれもラーメン店が多いという共通点があります。
また全国的に知られる「尾道ラーメン」や、ラーメン通に人気の「笠岡ラーメン」といったご当地ラーメンもあるのです。
尾道ラーメン
尾道ラーメンは、全国的にも有名なご当地ラーメンです。
戦後、尾道市街地で現在のスタイルのラーメンが誕生したとされているので尾道ラーメンと呼ばれています。
尾道と名前が付いていますが、尾道市だけでなく福山市や府中市・三原市などでも根付いており、とくに福山市には多くの尾道ラーメン提供店があるのです。
そのため尾道ラーメンは、備後のご当地ラーメンといえます。
戦後に、尾道市街地で屋台のラーメン屋が営業を始めました。
やがて固定店舗になり、昭和30年代〜40年代にかけて現在の尾道ラーメンと呼ばれる形のラーメンが生まれたといわれています。
そのスタイルのラーメンが人気となり、周辺の多くの店に広まったのです。
平成5年(1993年)に、福山市にある海産珍味を製造・販売する阿藻珍味が、土産物用ラーメンとして尾道ラーメンを発売しました。
これが全国ヒットし、尾道ラーメンの名前が全国に定着したのです。
- 澄んだ濃いめの茶色をした醤油スープ
- スープ表面に液状の脂が浮く
- スープに豚の背脂のミンチが浮く
- ダシには最低限、鶏ガラを使用
- 麺は「平打ち麺」か「中細麺」のストレート
- 具材はシンプルで、ネギ・チャーシュー・メンマなど
あくまでも傾向であり、店によって特徴は異なります。
笠岡ラーメン
笠岡ラーメンは、岡山県の最西南部・笠岡市のご当地ラーメンです。
笠岡市や井原市は備後エリアに含まれることも多いですが、尾道ラーメンに関しては、笠岡市・井原市ではあまり提供されていません。
その代わりに笠岡市には、笠岡ラーメンがあります。
笠岡ラーメンの歴史は古く、戦前にまでさかのぼるという話もあるのです。
もともと笠岡市のある井笠地方は、古くから養鶏業が盛んなエリアでした。
そのため、卵を産まなくなったニワトリ=カシワの肉が安く流通し、よく食べられていたのです。
そんなカシワを使ったラーメンが、自然発生的に笠岡で生まれます。
その後、平成10年代初めごろに笠岡に独自のラーメンがあると話題になり「笠岡ラーメン」と呼ばれるようになりました。
- 具材にカシワ(廃鶏)の煮鶏(にどり)を載せている
- ダシに鶏ガラを使用
- 醤油味のスープが多い(塩味などもある)
- カシワ以外の具材はシンプルなものが多い(ネギとメンマなど)
あくまでも傾向であり、店によって特徴は異なります。
各市のラーメン事情
福山市
福山市は、尾道ラーメン系のラーメンを出す店がとても多いです。
かつては、茹で野菜を載せた福山ならではのラーメンもありましたが、現在は少なくなりました。
尾道系が多いいっぽう、豚骨ラーメンも多いのも特徴です。
これは高度経済成長期に、豚骨ラーメンになじみのある九州地方出身者が多く移住し、働いていたことに由来するといわれています。
ほかにも味噌ラーメンや塩ラーメンなど、数は少ないながらもさまざまなラーメンが多いのが福山市の特徴です。
福山市は備後エリア最大の都市で、商工業の中枢。
そのため、さまざまなラーメン文化が入ってくるのでしょう。
尾道市
尾道市は尾道ラーメン発祥の地といわれています。
そのため、現在も多くの尾道ラーメン系統のラーメンを出す店が多いです。
全国的に尾道=尾道ラーメンのイメージがあるうえ、尾道は観光地としても人気ですので、なかには長い行列ができる店もあります。
そのいっぽうで、尾道ラーメン以外のラーメンが食べられる店も存在しており、老舗から新しい店まであるのです。
笠岡市
笠岡市は人口約4万7千人(2021年4月末現在)の規模の都市ですが、人口規模のわりにラーメン店が多いのが特徴です。
また小さな街であるにも関わらず、笠岡ラーメンというご当地ラーメンがあるのもめずらしいのではないでしょうか。
市内にあるのは笠岡ラーメンばかりではなく、さまざまなラーメンがあるのもポイント。
笠岡で一番行列のできるラーメン店は、実は笠岡ラーメンではない店です。
さらに笠岡商工会議所では「ラーメンのまち 笠岡」として、売り出しています。
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