ほほ笑みの国、敬虔(けいけん)な仏教国、親日国として知られるタイ王国。
日本と同じお米文化の国で生まれたタイ料理には、蒸し暑い土地で元気に過ごすための知恵がいっぱいにつまっているといわれています。
尾道市防地町で親子が経営する小さなカフェ「Zeshin Onomichi」には、本場のレシピでていねいに作られるタイ料理をはじめ、ココナッツシュガー、竹細工など、タイの魅力がいっぱいです。
日常から少し離れ、タイの空気を感じに訪れてみませんか。
記載されている内容は、2022年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
Zeshin Onomichiのデータ

名前 | Zeshin Onomichi |
---|---|
住所 | 尾道市防地町13−37 |
電話番号 | なし |
駐車場 | あり 5台 |
営業時間 | 金~日 午前11時~午後5時 |
定休日 | 月、火、水、木 イベントなどで不定期にお休みあり |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 可 |
座席 | 室内10席、屋外4席~ 最大18席程度 |
タバコ | 禁煙(指定エリアのみ喫煙可能) |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | お子さま入店可能 |
バリアフリー | 狭いがスロープあり |
ホームページ | Zeshin Onomichi |
車での行き方
国道2号線「防地口」交差点から北へ向かいます。
そのまましばらく道なりに進みましょう。「防地児童公園」(いきいきサロン防地)を目指してください。
左手に公園(いきいきサロン)が見えたら、もうすぐです。
看板が見えました。徒歩の人はこちらの道へ、車の人はもう少し先へ進みます。
車の人は、ここを右に入ります。
少し道が狭いので気をつけてくださいね。
もうすぐそこです。
入って手前に車を停めてください。到着です!
お庭カフェ
好きなタイのことをもっと知ってほしい、タイのことを伝えたい。
その思いで2021年10月にオープンしたのが、お庭カフェ「Zeshin Onomichi」(以降:Zeshin)です。
タイで5年半暮らした経験を持つ、代表の鳥内 美邦(とりうち みな)さんと、お母さん、妹さんの3人で切り盛りしています。
フードメニュー
タイのレシピで作られている料理は、グリーンカレー、カオマンガイ、ガパオライス、パッタイの4種類。
美邦さんが一番好きなタイ料理だという、グリーンカレーを注文しました。


まず運ばれてきたのは、お母さん手作りの前菜です。

庭で採れたきんかんや、畑で育った野菜などを使った和風の前菜は、実家に帰ってきたような気分になる、優しいほっとする味。
添えられた水には、ゆずのスライスが浮かんでいます。
昭和レトロなグラスと、爽やかなゆずの香りに癒される水でした。

続いて出てきたのは、サラダとスープ。

大根と人参のサラダは、シャキシャキと心地よい食感です。
チキンスープは、なんだかほんのりと不思議な風味。
「実は、タイではパクチーの根を一緒に煮込んで風味付けをするんですよ。
タイではむしろ、パクチーは葉っぱよりも根っこのほうをよく使います」
という美邦さんの説明にうなずきました。
いよいよグリーンカレーの登場です。

食べ方は?と尋ねると、ご飯にカレーをかけても、ご飯をカレーに浸しても、別々に食べても、どんな食べ方でもよいとのこと。
粘り気の少ないあっさりとしたタイのお米は、カレーとの相性が抜群です。

具だくさんのグリーンカレーには、鶏肉、たけのこ、ナスが入っています。
夏には畑で育てたタイのナスを、冬は普通の長なすの皮をむいて使用しているそうです。
グリーンカレーは、パクチーやレモングラス、青唐辛子などの自然なハーブの色を生かしたカレー。
ココナッツミルクを使うこともタイのカレーの特徴で、浮いているのはココナッツミルクから分離させた自然のオイルです。
正直に言うと筆者はココナッツの独特の香りが少し苦手なのですが、このグリーンカレーはココナッツ臭があまりしません。
それよりも、ハーブの香りがしっかりと感じられます。
グリーンカレーのおいしさを初めて味わうことができました!
デザートメニュー
デザートは、ココナッツシュガーブレッドとココナッツミルクゼリーの2種類です。

デザートに付いてくるヨーグルトには、ココナッツシュガーと自家製蜂蜜のどちらを添えるか選べます。
蜂蜜も気になるところですが、ここはやはりココナッツシュガーで。
コーヒーはタイとエチオピアの2種類の豆から、タイのコーヒーをお願いしました。
見てください、このココナッツミルクゼリーの美しさを!

グラデーションの色合いが美しいだけではありません。
花びらの1枚1枚、筋の1本1本まで繊細に象られたこの形の見事さときたら!
本当にこれがゼリーなのでしょうか。

ためらいながらスプーンを入れると、すっと切り取ることができました。
くどさのない、それでいてしみじみとした甘みが口の中に広がります。
本当にゼリーです。
天然色素であるビーツやクチナシを使って色をつけ、シリコン型に流してこの形を作るとのこと。
水切りヨーグルトに添えられたココナッツシュガーは、ココナッツ特有の香りはなく、やさしい甘みが濃縮した天上の食べ物のようです。
ココナッツバターで作ったココナッツチョコレートは、シリアルとナッツ入り。
バリから輸入したカカオニブ(カカオ豆を焙煎して砕いたもの)をトッピングしています。

かつて、貧しかったタイ北部の人々は、現金収入を得るためにアヘンの材料となるケシを栽培していました。
タイから麻薬をなくそうと1988年からタイ王室が進めたのが、ケシの花のかわりにコーヒーを植えるプロジェクトです。
フェアトレード・有機JASなど、自然や社会に配慮したコーヒー生産を進めた結果、タイでは今、世界的に評価の高い、質の良いコーヒー豆が作られています。
そのひとつであるドイチャンコーヒーの特徴は、柔らかく奥深いコクと、柔らかな酸味、そしてチョコレートのような香り。
この豆のおいしさを最大限に引き出すよう心を込めて焙煎しているのは、「焙煎香房 Segar-Beans」の花岡 小百合さんです。
美邦さんと花岡さんの2人の情熱が生んだタイのコーヒーは、Zeshinでしか飲めません。

天気がよければ、庭のテーブルでのんびりと過ごすのも気持ちよさそうですね。

ココナッツシュガーとタイ雑貨
カフェの一角では、雑貨も販売しています。
ココナッツシュガーは、ココナッツの花の蜜から作られる砂糖です。
タイでは一般的な粗糖のひとつで、Zeshinのグリーンカレーやパッタイなどにも使われています。
ココナッツシュガーがダイエット中の人や血糖値を気にする人などに注目されるのは、食べても血糖値が上がりにくいから。
グラニュー糖と比べると、血糖値の上がりやすさは3分の1ほどです。

ココナッツゼリーを作るためのシリコン型も販売しています。
タイに以前からあったココナッツミルクゼリーが、このような繊細な花の形で流行し始めたのは、2019年頃から。
街中どこでもお供え用の花束や花輪が売られているほど、タイの人々は花が好きです。
また、宮中料理としてのタイ料理は繊細で美しい飾り付けで知られています。
きれいな花の形を作れるシリコン型が登場した途端に、流行するのも納得ですね。
日本にもさまざまなシリコン型はありますが、華やかなデザインと高さを兼ね備えていて、花の形のゼリーを作るのに最適なのは、やはりタイのシリコン型なのだとか。
キャンドルやアロマストーンなどのクラフト用に買う人もいるそうです。

ていねいに手編みされた竹かごもあります。
タイには日本のお歳暮のように、年末年始の挨拶として竹かごに食べ物を入れて取引先に渡す習慣があり、タイ北部では竹細工作りが今も盛んに行われています。

インテリアとしても取り入れてみたい竹かごのフードカバーは、タイのホテルのブッフェなどでも、しゃれた演出としてよく使われているそうです。
この竹かごの中には、コーヒー用のミルクと砂糖が隠れています。

竹かごの重箱に、お菓子を入れても雰囲気がいいですね。

ハーブ入りのキャンドルの火をくゆらせる、癒しのひとときはいかがでしょうか。
容器も美しいので、部屋に置いておくだけでも絵になりますね。

立体刺繍
タイといえば有名なのがタイシルク。
シルク産業で知られるスリン県から輸入した生糸を使って、妹さんがひと針ずつ作っているのが、立体刺繍のアクセサリーです。
ただタイシルクを輸入するだけでなく、Zeshinだけのオリジナル作品に仕上げています。
デザインは、妹さんのオリジナル。
タイの陽気を思わせる、鮮やかな花のモチーフがかわいいですね。

布を芯にして立体的に刺繍を施した作品は、どれも2つと同じものがありません。
漂白していない生糸は、触ると意外にゴワゴワとして固さを感じます。
この作品では、花びらに上質なフランス刺繍糸を、雄しべの先にタイシルクを使っているそうです。

創作人形と友禅
お母さんは日本工芸会に所属していた、創作人形と友禅の作家でもあります。
数々の品評会で入賞する腕前の持ち主で、年に数回マルシェで作品を販売したり、デパートでの展示会を行なったりしているとのこと。
Zeshinの名前の元となったのは「是心」。
もともとお母さんが絵の先生につけてもらった作家名で、仏教的な慈悲の心、を意味しています。
おひなさまのほほ笑みは、ほほ笑みの国であり仏教国であるタイとつながっているのかもしれません。

庭では、たくさんのお地蔵さまが祈っておられました。

美邦さんのエプロンの絵もお母さんの作品です。

タイのこと、カフェのことを、美邦さんへさらに詳しく聞いてみました。
Zeshin Onomichiのデータ

名前 | Zeshin Onomichi |
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住所 | 尾道市防地町13−37 |
電話番号 | なし |
駐車場 | あり 5台 |
営業時間 | 金~日 午前11時~午後5時 |
定休日 | 月、火、水、木 イベントなどで不定期にお休みあり |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 可 |
座席 | 室内10席、屋外4席~ 最大18席程度 |
タバコ | 禁煙(指定エリアのみ喫煙可能) |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | お子さま入店可能 |
バリアフリー | 狭いがスロープあり |
ホームページ | Zeshin Onomichi |