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福山城サウナ ~ 四佰年の威光を浴びて“ととのう” 春分イベント

福山城サウナ ~ 四佰年の威光を浴びて“ととのう” 春分イベント

遊んどこ / 2023.03.14

福山城本丸の南方に、石垣から張り出した懸造(かけづくり)の建物「御湯殿(おゆどの)」があります。

御湯殿の風呂はお湯を張った浴槽ではなく、蒸し風呂、つまり現代のサウナのような施設です。

また室内には、南に面した物見の間が設けられ、藩主は湯上がりに涼を取っていました。

とすると初代藩主の水野勝成(みずの かつなり)は、いわゆるととのった状態で、福山城下の町並みを眺めていた可能性があります。

さて、それから400年の歳月が過ぎた2023年、同城内でサウナイベントが開催間近です。

イベントで使われるのは、設営の簡単なテントサウナで、城に寄せた表現でいうと、天幕(テント)を張った露天の湯殿といったところ。

サウナツーリズムが増加しつつある昨今、福山城で開かれるのは、どのような催しなのでしょう。

2023年3月4日におこなわれたプレイベントのもようをリポートします。

記載されている内容は、2023年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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「福山城サウナ ~400年分ととのう~」

3月18、19、21日の三日間限定で開催される「福山城サウナ ~400年分ととのう~」。

テントサウナを体験しながら、昨年、大規模リニューアルを終えたばかりの福山城の魅力を満喫しようという試み。

同時にアクティビティと組み合わせた、新たなサウナの楽しみ方を提案するイベントです。

主催は、福山大学の学生グループ「REBORN(リボーン)」。

福山城公園の北広場の一角に設置された本陣がイベント会場です。

福山城主ゆかりの陣幕で囲まれたエリアで、テントサウナを用いたリラクゼーション、ととのいが体験できます。

なおイベントの参加には、予約が必要となります。

福山城 御湯殿(1622年創建)
福山城 御湯殿(1622年 移築)

▼400年後の姿を想像してください。

福山城 サウナ(2023年 設営)
福山城 サウナ(2023年 設営)

福山城御湯殿から福山城サウナへ、400年分心ゆくまで、ととのってください。

参加料金・スケジュール

参加料金やスケジュールなどは、以下のとおりです。

参加料金・スケジュールなど
  • 参加料金:一人 3,300円
  • 開催期間:2023年3月18・19・21日の3日間(20日は開催されません)
  • 利用時間:150分(2時間30分) 3部制/日
  • 定員:各部14人 テントサウナ(4~6人用)×3基
  • 申し込み:REBORNホームページより事前の予約が必要です(予約ページ
タイムテーブル
  • 第1部:午前9時30分~12時(受付:午前9時15分~)
  • 第2部:12時30分~午後3時(受付:12時15分~)
  • 第3部:午後3時30分~6時(受付:午後3時15分~ )
注意事項
  • 開催場所は福山城公園北広場です。
  • 移動手段が車の場合は、福山城周辺の駐車場を利用してください。
  • 参加者は濡れてもいい服装で参加のこと(会場内に更衣室あり)。
外気浴用のインフィニティ・チェア
外気浴用のインフィニティ・チェア

個人で用意したいもの

参加するにあたり、個人で用意したいものは以下のとおりです。

  • 水着(Tシャツ、短パンなどの濡れてもいい着衣)
  • 防寒具(会場にてレンタルポンチョ[700円]はあるが、必要な場合は用意のこと)
  • タオル(バスタオル、フェイスタオルなど2枚程度)
  • 飲み物
  • 着替え

その他、不明な点などがあれば連絡してみましょう。

問い合わせ先

「REBORN」
reborn.sauna@gmail.com

藤本悠太(ふじもと ゆうた):080-5755-8817

福山城の威光を浴びる
福山城の威光を浴びる

鉄板張りの貫禄を仰ぐ福山城北公園

福山城公園北広場が「お城サウナ」の会場。

福山城博物館(天守)の入口がある公園から、天守を隔てた、ちょうど反対側に当たります。

黒塗りの鉄板で覆われた、福山城北面が一望できるロケーションが選ばれています。

陣内からの眺め
陣内からの眺め

福山城は、徳川家康の従兄弟、水野勝成が西国鎮衛の拠点として、1622年(元和8年)築城。

当初、地理的に防御の甘くなる天守北側に対し、「どうする勝成」という場面が訪れます。

そこで勝成公が導き出した妙案が、壁面に「縦長の鉄板をびっちり張る」だったのです。

それが結果的に、全国でも類を見ない白黒ツートンカラーの城となり、現在福山城のオリジナリティとして認知を広げています。

ゆったり外気浴
ゆったり外気浴

主催は気鋭の学生グループ「REBORN」

福山大学のキャリアデザインゼミ所属の3人が運営する学生グループ「REBORN」。

地域の未利用資源をビジネスで掘り起こすべく結成されました。

メンバーは以下の3人です。

  • 藤本悠太(ふじもと ゆうた)さん:福山大学 人間文化学部心理学科 3年
  • 井丸竜輝(いまる たつき)さん:福山大学 経済学部 経済学科 3年
  • 森山竜斗(もりやま りゅうと)さん:福山大学 人間文化学部メディア・映像学科 3年
左から井丸さん、藤本さん、森山さん
左から井丸さん、藤本さん、森山さん

活動のベースを三次市甲奴町に置き、さまざまなビジネスを思案するなかから、地域資源とサウナの掛け合わせに着目。

2022年よりテントサウナを中心に据えた、コミュニティ創出を実践しています。

これまで滝や寺社といった中山間部をテントサイトとして選んできました。

2022年9月に開催された「第1回せとうちビジネスコンテスト」では見事、最優秀賞を受賞。

ビジネスプランへの評価を得たことで、今回は市街地、それも築城400年で注目を浴びる「福山城」を実行の場に決定しました。

同グループを立ち上げてから、社会人の先輩と接する機会が増えたと、メンバーの藤本さん。

あらゆる分野にメンター(相談者)がいて、その好意的なアドバイスには、自分たちの非力を思い知る一方で、刺激を得られることも多いといいます。

三人それぞれの得意とすることや、興味のある領域で補い合いながら、後学のためのチャレンジも忘れないフレッシュな学生グループが「REBORN」なのです。

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ととのい拠点の城を築く(サウナ設営)

イベント参加者は、福山城に見立てたサウナの設営からはじめます(家臣のサポートあり)。

「水野」、「松平」、「阿部」という福山藩の歴代大名家の君主となり、テントサウナを築城するのです。

▼四隅を持って取手を引くと、骨組みが開いてテントが組み上がっていきます。

工程その1
工程その1

▼立方体のテントの中に、煙突が外にのぞくようにストーブを格納。

工程その2
工程その2

▼適温(90~100度)になるまで、ゲームを楽しみつつ待機。

工程その3
工程その3

▼更衣室(殿様・姫様用)で着替えてテントに入ります。

工程その4
工程その4

その後は汗をかいた体を水風呂で冷やして、外気浴用チェアへ…。

福山城の歴史を遊ぶ「すごロック・アウト」

この機会に歴史に関する教養もととのえたいものです。

テントサウナが適温になるまでの時間を有効利用して、福山城の歴史背景を辿れます。

400年前の同じ場所で、福山という地名すらない時代に、何が起こっていたのか?

すごロック・アウト盤
すごロック・アウト盤

双六(すごろく)とストラック・アウトを掛け合わせたゲームを楽しみながら、アクティブに壮大な地域史を感じましょう。

「ふくやま すごロック・アウト」は、福山大学経済学部 中村和裕ゼミの製作したゲーム・アトラクション。

景品として、次回「REBORN SAUNA」のイベントが無料になるチケットもあります。

ストラック・アウトで出目を決める
ストラック・アウトで出目を決める

中村ゼミは学びのなかで、スポーツを通じ、健常者、障がい者の垣根を超える、実践的なまちづくり活動をおこなっています。

中村ゼミの学生も、当イベントに家臣(スタッフ)として参加しています。
 

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アロマ&ミュージックでととのうサウナ

テント内でさまざまな香りを楽しめるロウリュ(LÖYLY)も、入浴の印象にかかわる重要な要素。

今回の「福山城サウナ」では、たていし園の「ばらの緑茶」をセレクト。

「さんすて福山」の店頭に並ぶこの商品を見つけて、REBORNのメンバーはコレだと直感したそう。

ロウリュでの使用に当たり、既存商品より、ばら(花びら)のエッセンスを強く効かせて、特別にブレンドしました。

ばらの華やかな香りの後に、緑茶の豊穣な香りが漂う、変化に富んだアロマ(芳香)が特長です。

会場では、福山認定ばらグッズ(2015年)にも選ばれた、「ばらの緑茶」が試飲できます。

援軍(協賛):たていし園「ばらの緑茶」
援軍(協賛):たていし園「ばらの緑茶」
太鼓ユニット我龍(がりゅう)
太鼓ユニット我龍(がりゅう)

陣内(会場)のスピーカーからは、勇壮な和のリズムが響き、場の雰囲気をととのえています。

火照った体を内面から鼓舞するサウンドは、「太鼓ユニット我龍(がりゅう)」の演奏。

福山城築城400年博の閉会式でもライブ演奏を披露した我龍ですが、さまざまな楽器奏者との共演などで、太鼓とドラムの可能性を追求しています。

援軍(協賛):株式会社 心石工芸
援軍(協賛):株式会社 心石工芸

焚き付け用の薪は、家具の製作過程で余った端材を加工して、エコ利用。

こちらは地元の家具メーカー、株式会社 心石工芸の協力で実現しました。

また島根県大田市の山中から伐りだした木材(スギ)も使っています。

城泊よりぐっとリーズナブルに城浴ができます

福山城の御湯殿は、伏見櫓とともに京都の伏見城から移築されましたが、1945年の空襲で焼失。現在の建物は、のちに(1966年に)再建されたものです。

しかし天守だけでなく、城郭内のあらゆる建物に視点が広がることで、福山城の魅力はさらにアップするでしょう。

今回のサウナイベントでも、数百年前の藩主の嗜(たしな)み(御湯殿でととのう勝成公)を現代との共通点から見ると、時代背景というハードルがいくらか低く感じられます。

また2024年春から始動する、福山城での宿泊(二人一組100万円で検討中)が「城泊(しろはく)」ならば、今回のイベントは「城浴(しろよく)」と呼べ、同じ旅程にあるような試みです。

サウナ好きを自認するかたはもちろん、テントサウナは未体験というかた。

また、お城(福山城)を愛しているけれど、これまでにない一風変わった方法で、愛情(愛城)を確認したいかたなど。

福山城築城401年目の年に、一期一会のサウナ体験をしてみませんか。

お寺サウナ

2023年4月29日(土)に、広島県三次市吉舎町黄梅院で「お寺サウナ 〜寺谷でととのう〜」が開催されます。

福山城サウナ ~400年分「ととのう」~のデータ

名前福山城サウナ ~400年分「ととのう」~
期日2023年 3月18日・19日・21日
場所広島県福山市丸之内1丁目8-3
参加費用(税込)3,300円
ホームページREBORN HP REBON SAUNA
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久米真也

久米真也

備後ふくやま在住。「高梁川流域ライター塾」受講。目を向けられなくなった地域の特徴から、実は今でも(今だから)、何らかの価値を見出すことができる。そうした視点で取材をしていきたいと思います。

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