芸術の秋。広島県尾道市から愛媛県今治市をつなぐしまなみ海道をはじめ、とびしま海道、ゆめしま海道の島々では、毎年9月に瀬戸内『し・ま・の・音楽祭』(以下、『し・ま・の・音楽祭』と記載)が開催されます。
「島でも本物の生の音楽を!」を合言葉に実行委員会が中心となって開催しており、今回で10回目を迎えます。
『し・ま・の・音楽祭』の特長は、素晴らしい演奏を聴けるだけではありません。
チケット販売や会場設営を手伝うサポーターとして参加したり、公開リハーサルを見てプロの準備を学んだり、演奏や合唱に加わったりするなど、さまざまな形で参加できることです。
記載されている内容は、2025年9月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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目次
第10回 瀬戸内『し・ま・の・音楽祭』とは

『し・ま・の・音楽祭』はプロの演奏家だけでなく、地域の人々、そして音楽を愛するすべての人々が一緒になって織りなす「創る音楽祭」です。
音楽祭の期間中、島々では2種類のコンサートが開催されます。
一つは、企画の趣旨に賛同したプロの演奏家たちによる「し・ま・の・室内楽」で、弦楽四重奏やピアノ三重奏の公演で、本公演(有料)と特別公演(一部を除き無料)があります。

もう一つは、全国から公募で集まったメンバーが島で合宿をおこない、一夜限りのオーケストラを創り上げる「し・ま・の・オーケストラ」。
通称“しまおけ”と呼ばれ、ソリストオーディションで選ばれた若手演奏家をソリストに迎え、本格的なオーケストラの演奏を披露する形式です。

『し・ま・の・オーケストラ』の過去の演奏がこちらで視聴できます。
機会を創る音楽祭
『し・ま・の・音楽祭』では、島に「聴く」「奏でる」「学ぶ」「つながる」という4つの機会を創り出しています。
「聴く」機会を創る
「島でも本物の生の音楽を!」という合言葉のもと、プロの演奏会を公民館や小学校、児童館、図書館など、島の人々にとって身近な場所で開催しています。
その回数は、本公演と特別公演を合わせると、14日間でなんと19回以上です。

特別公演の詳細は記載の連絡先にお問い合わせください
また、小さな子どもづれでも気兼ねなく聴きに行ける「母と子特別公演」も開かれています。
走り回って聴いていないように見えた子が、帰るときには演奏した曲を口ずさむこともある「母と子特別公演」。
大三島や伯方島でおこなう「母と子特別公演」は、子どもがうろうろしたり声を出したりしても大丈夫だそう。
幼いうちからクラシックの生演奏に親しむと、心が豊かに育くまれることでしょう。特別公演は無料というのもありがたいですね。

「奏でる」機会を創る
『し・ま・の・オーケストラ』では、若手演奏家の登竜門となる「ソリストオーディション」を設け、未来の音楽家を応援しています。
今年のソリストオーディションで最優秀賞を受賞したのは、ヴァイオリンの増田七彩(ますだ ないろ)さんです。今年のオーケストラがどのような音色を奏でるのか、期待が高まります。

「学ぶ」機会を創る
「音楽活動をする人の参考にしてほしい」という想いから、ほとんどの公演で公開リハーサルをおこなっています。
プロの演奏家のリハーサルを見られる貴重な機会なので、吹奏楽や管弦楽を学んでいる学生さんや顧問の先生たちなどにも、ぜひ活用してもらいたいですね。

また、『し・ま・の・室内楽』では、学校特別公演として複数の小学校を訪問し、子どもたちが実際に楽器に触れる機会を提供しています。
「触れたことがなければ将来興味を持つこともない。種をまかなければ芽吹くことはない」との想いから、「将来のクラシック音楽界への投資、種まき」としておこなっているそうです。

「つながる」機会を創る
『し・ま・の・音楽祭』は、「聴く」だけでなく、演奏会運営を手伝うサポーターを募集することで、地域住民がつながり、音楽祭をともに「創る」喜びを分かち合える仕組みを築いています。
公演を聴いた人が「感動した!来年は私もチラシを配るからたくさん持ってきて」と、強力なサポーターになってくれた例もあるそうです。
いろいろな形で参加して盛り上げよう!
とはいえ、サポーターへの応募は少なく、奏者が会場設営もおこなっているのが実情です。奏者の大切な手を守るという意味でも、手伝ってくれるサポーターを募集しています。
また、本公演はしまなみ海道20周年を記念して作曲された『しまなみ賛歌』の歌から始まり、その合唱に参加する人も募集しています。
演奏会を聴く、奏でる、歌う、公開リハーサルで学ぶ、サポーターとして手伝うなど、いろいろな形で参加できるのが『し・ま・の・音楽祭』の魅力です。
「私も会場にイスを並べるくらいなら手伝えるかも」と、参加意欲が湧いてきました。
サポーターについての詳しい内容はこちらから
合唱についての詳しい内容はこちらから
『し・ま・の・音楽祭』を始めた経緯や島の変化、今後の展望などについて、実行委員長の豊嶋博満(としま ひろみつ)さんとオーケストラの指揮者である豊嶋和史(としま かずふみ)さんをはじめ、「し・ま・の・室内楽」の皆さんにインタビューしました。
瀬戸内『し・ま・の・音楽祭』2025のデータ

名前 | 瀬戸内『し・ま・の・音楽祭』2025 |
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期日 | ※時刻は開演時間 『し・ま・の・オーケストラ』2025演奏会 9月14日(日) 午後5時~ 吉海学習交流館 大ホール 『し・ま・の・室内楽』弦楽四重奏 【伯方島公演】 9月11日(木) 午後2時~ 伯方農村環境改善センター 【今治公演】 9月20日(土) 午後7時~ 今治市中央公民館 【生口島公演】 9月21日(日) 午後2時~ ベル・カントホール 【向島公演】 9月22日(月) 午後7時~ むかいしま文化ホール 【因島公演】 9月23日(火) 午後2時~ 因島図書館(芸予文化情報センター) 『し・ま・の・室内楽』ピアノ三重奏 【大崎下島公演】 9月17日(水) 午後2時~ 安芸灘交流館 【朝倉公演】 9月20日(土) 午後2時~ 朝倉ふるさと美術古墳館 特別公演についてはパンフレットをご覧ください。 |
場所 | 広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田535-1 |
参加費用(税込) | 前売券2,000円(学生500円) 当日券2,500円(学生700円) ※『し・ま・の・室内楽』特別公演は無料(9月15日の大島を除く) チケットはこちらのサイトから購入できます。 https://setouchi-fest.com/tickets/ 店舗で購入する場合のお支払いは現金です。 |
ホームページ | 瀬戸内『し・ま・の・音楽祭』 |