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備後福山ブルーイングカレッジ&THE BEER 〜 クラフトビールの魅力を国際ビール審査員が発信!福山駅前でビールを醸造、販売する専門店

備後福山ブルーイングカレッジ&THE BEER 〜 クラフトビールの魅力を国際ビール審査員が発信!福山駅前でビールを醸造、販売する専門店

買っとこ / 2020.10.29

代表のビール醸造家でビール国際審査員・小畑 昌司さんにインタビュー

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:小畑昌司さん

提供:備後福山ブルーイングカレッジ

福山駅前という街のなかで、オリジナリティーあふれるクラフトビールを醸造する備後福山ブルーイングカレッジと、それを販売するTHE BEER(ザ・ビアー)。

そんな備後福山ブルーイングカレッジ&THE BEERの代表で、ビール醸造家の小畑 昌司 (こばたけ しょうじ)さんにインタビューをおこないました。

英国のパブ文化に感銘を受け、東京でビアパブを経営

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:小畑昌司さん

開業の経緯を教えてほしい。

小畑 (敬称略)
現在の備後福山ブルーイングカレッジとTHE BEERの開業の話を説明するのは、少し長くなりますね(笑)。

というのも、私は以前に東京でもビールの店をしていたんですよ。

2004年(平成16年)8月に、品川区でビアパブを開店しました。

なぜ東京でビールの店を?

小畑
もともと私は福山の出身です。
そして、進学のために上京しました。

学生時代にビールが好きになったんです。

卒業後は、東京で飲食店やホテルなどで働いたり、バーテンダーをしたり、飲食畑でずっと働いていました。

あるときイギリスを訪れたんですが、そこでイギリスのパブ文化に触れ、日本にも気軽にいろいろなビールが飲めるパブがあったらいいなと思ったんです。

帰国後、自分の好きなビールの魅力をもっといろいろな人に知ってもらいたくて、ビアパブへの思いが強くなり、開業に至りました。

飲食業で働いてきて知り合った仲間が、独立して自分の店を開いていることも刺激を受けましたね。

やっぱり自分の好きなもの・好きなことをする店を持ちたいなぁと思うようになったんです。

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:小畑昌司さん

クラフトビールの醸造はいつから?

小畑
クラフトビールの醸造も、東京時代にやっていましたよ。

ただ、開業当初からやっていたわけではありません。
開業時はあくまで、いろいろなビールが飲めるというビアパブです。

常連だったお客様のなかに、ビール製造会社で醸造長をしていたというかたがおられました。

開業から数年たったある日、そのお客様に「自分の店でビールを醸造して出してみたらどうだ」とアドバイスをいただいたんです。

「そんな簡単にビールがつくれるものなのかな」と思っていたんですが、調べてみると、これは本当に自分でもやれそうだなと。

自分の店でしか飲めないビールを出せるのは魅力的ですし、ちょうどそのころ他店との差別化の必要も感じていたんです。
それで、思い切って挑戦してみることにしました。

でも、発泡酒造免許を取得するのは普通は開業前。

私は店をやりながら免許を取るのですから大変でしたね(笑)。
なんとか発泡酒造免許を取りました。

それで自店でクラフトビールの醸造を始めたのが、2010年(平成22年)8月です。
ちょうど開業6周年のときでした。

日本地ビール協会の「マスター・ビアジャッジ」の資格も取りましたよ。
日本に10人ほどしかいない、難関の資格です。

その後、店は順調でしたが2013年(平成25年)に店を閉め、福山に帰ることになりました。

リノベーションスクール参加を経て、福山駅前で開業

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:小畑昌司さん

東京の店を閉めて帰郷したのは、なぜ?

小畑
さきほど話したように、私は福山の出身です。

実家のこともあり、いつかは福山に帰るつもりでした。

ちょうど2013年が、子供の進学などいろいろなタイミングが重なって、「今が帰郷するときかな」と思いまして。

福山に帰ってから、すぐに今の店を開いたわけではない?

小畑
そうですね。
福山に帰ってからは、ホテルに就職したんですよ。

ホテルがクラフトビールの醸造所を起ち上げるということだったので、起ち上げから協力し、起ち上げ後もビールの醸造に従事していました。

数年たって退職したのですが、ちょうどそのときに福山市が主催する「リノベーションスクール」というものをおこなっていたんです。

知人からリノベーションスクールを紹介され、参加してみました。

リノベーションスクールとは?

小畑
福山市中心部などの空き物件を改修し、街を活性化させる計画です。

その改修物件を活用しする人を育てるのが、リノベーションスクールでした。

スクールに参加してみて、駅前でクラフトビールの醸造所を開くのは、おもしろいんじゃないかと思い、再起業を決意したんです。

その後、伏見町のリノベーション物件「ウォータリング・ホール (Watering Hole)」で開業することが決まりました。

最初にオープンさせたのは、酒販店のTHE BEERです。
オープンしたのは2019年(令和元年)11月。

その後、2020年(令和2年)1月に備後福山ブルーイングカレッジをオープンし、醸造を開始しました。

醸造や販売だけでなく体験や研修ができるのが店の特徴

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:店内

備後福山ブルーイングカレッジは醸造だけでなく、体験や研修・開業支援もしているが、それはなぜ?

小畑
まず醸造体験ですが、クラフトビールっていわれてもピンと来ないかたも多いんじゃないかと思います。

それに、ビール自体どのようにできるかも知らないというかたもいるんじゃないかなと。

体験してみることで、クラフトビールの魅力をダイレクトに感じてもらい、ファンになってもらえればいいなと思い、体験事業もおこなっています。

ビールが好きなかたも、自分でビールをつくってみると、あらためてクラフトビールの良さに気づけますしね。

ビールづくりの体験ができる施設は全国的にも少なくて、中国地方では当店が初ですよ。

醸造研修と開業支援については。

小畑
醸造研修と開業支援は、純粋に後身を育てて、日本のクラフトビールを盛り上げたいからです。

私は今まで長年飲食店に携わり、ビアパブを経営し、ビールの醸造も長く続けています。
またビールの国際審査員としても活動中です。

醸造研修は、そんな私の経験を生かした仕事だと思っていますね。

ビール製造企業に入社して一人前になり、ビールの醸造ができるようになるのには、早くても1年以上かかります。

当店では短期集中でおこないますので、3ヶ月間で学べるようにしました。

開業直後から研修者が入学し、手応えを感じています。

ちなみに、ビールの国際審査員の仕事内容は?

小畑
日本はもちろん、世界各国でおこなわれるビールの審査会に参加し、審査員を務めています。

国内の審査員だけだと、国内でしか通用しないビールになってしまいますよね。
だから国内外から広く審査員を集めて、ビールの審査がおこなわれているのです。

たとえば、日本のビール審査会では7割以上は海外の審査員ですよ。

私は日本代表として、年に2〜3回ほどビールの審査会に審査員として呼ばれます。
これまで審査に行った国は、シンガポール、オーストラリア、ドイツ、イギリスなど。

資格を取ったのは、東京のビアパブを開業した少し後くらいのころですね。

クラフトビールの魅力は味わいのバリエーションの豊富さ

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:クラフトビール3種

2004年にビアパブを開業、クラフトビールの醸造と、16年以上クラフトビールに携わっている。小畑さんから見たクラフトビールの魅力とは?

小畑
やっぱり味わいの種類の豊富さですね!

日本国内で流通しているビールは、大手企業のものが多いです。
でも大量生産するため、どうしても多くの人に好まれるスタンダードな味のビールになってしまいます。

実は、ビールの種類は100を超えるほどたくさんあるんですよ!

スタンダードではないほかのたくさんの種類のビールは、大手でもじゅうぶんおいしいものがつくれるのですが、マーケットが狭いので大手はやりたがりません。

ですからクラフトビールは、大手では味わえないようないろいろな味のビールを楽しめるのが魅力なんですよね。

ビールの原材料はシンプルだと思うが、どうしてそんなにたくさんの味のバリエーションが生まれるのか?

小畑
ビールの基本的な材料は、大麦の麦芽ホップ酵母
大きく4つです。

ビールで使う麦芽は、焙煎(ばいせん)します。
まず、この麦芽の焙煎の仕方で味わいや色が変わってきますね。

次にホップの種類でも変わってきます。
ホップの種類が変われば風味も変わりますよね。

ホップはビールに苦みや香りを与えるので、種類で変わってくるんです。

あとは酵母も種類があるので、酵母でも変わってきますよ。

大麦やホップは複数の種類をブレンドしたりしますので、このブレンドだけでもバリエーションが広がります。

これらの要素の組み合わせや、バランスなどを調整することで、ビールにたくさんの味のバリエーションが生まれるのです!

醸造体験やイベント出店を通じてクラフトビールの魅力を広めたい

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:小畑昌司さん

今後の展望や抱負、やってみたいことは。

小畑
福山駅前のにぎわいの拠点のひとつとして、当店が盛り上がればいいなと思います。

ビールって裾野の広い分野だと思うんです。
気軽にビールを飲むかたも多いじゃないですか。

でも、ビールにはいっぱい種類があることはあまり知られていません。
ここ福山駅前から、クラフトビールの魅力を発信していきたいですね。

開業後、東京時代のお客さんが来られたり、出張で福山に来られたかたが、事前に当店を調べてやってきたりしました。

地元のお客さんも、仕事帰りに寄ってビールを買って帰るかたもいます。

あとはイベント出店をして、より多くのかたに当店を知ってほしいというのも目標です。

2020年は、新型コロナウィルス感染症の影響でイベントがほとんどありませんでしたので、今後はぜひイベント出店をやってみたいと考えています!

それと読者のかたに伝えたいのは、ぜひ醸造体験をしてみてほしいということですね!
「そば打ち」のような感覚で、気軽に体験していただきたいです。

一度自分でビールをつくってみると、ビールの楽しみかたが広がりますよ!

福山駅前でクラフトビールを堪能できる備後福山ブルーイングカレッジ&THE BEER

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:クラフトビール3種

福山駅前という街のなかで、クラフトビール醸造をする備後福山ブルーイングカレッジ。
そして、醸造したクラフトビールを販売するTHE BEER。

ビール党のかたは、ぜひ足を運んでほしい店です。

小畑さんは、リノベーションで活性化している福山駅前・伏見町から、クラフトビールの魅力を発信しています。

ビールと福山に熱い思いを持つ小畑さんが醸造したクラフトビールを、ぜひたくさんのかたに味わっていただきたいと思います。

オンラインショップもありますので、ビールが好きなかたは利用してみてはいかがでしょうか。

また、醸造体験もおすすめです。
ビールのつくりかたなどの知識が少しでも増えると、いっそうビールをおいしく楽しく味わえますよ!

ビール醸造での開業に興味があるかたも、備後福山ブルーイングカレッジの研修を受けてみてはいかがでしょうか。

備後福山ブルーイングカレッジ & THE BEERのデータ

備後福山ブルーイングカレッジ&ザ・ビア:外観
名前備後福山ブルーイングカレッジ & THE BEER
住所広島県福山市伏見町3−16-C
電話番号080-7538-8857
駐車場なし
営業時間月~土曜日:午後3時〜午後8時30分ごろ
日曜日・祝日:午後12時〜午後7時ごろ
定休日不定休
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・PayPay・LINE Pay・メルペイ・d払い・au PAY
  • J-Coin Pay・atone・FamiPay・Alipay・AlipayHK・Alipay connect ・Touch 'n Go eWallet・EZ-Link・Union Pay(銀聯)・微信支付(WeChatペイ)
ホームページ備後福山 ブルーイング カレッジ & THE BEER

 

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アサノ ・ヨウスケ

フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。地域情報サイトも運営。カメラ片手に街を散策。あなたの知らない備後地方を切り取り、備後の奥深さを伝えます!

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