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祖母の影響で料理好きになり飲食店開業を目指す

飲食店を目指したきっかけを教えてほしい。
杉野原(敬称略)
私が幼いころ祖母はスナックを経営していて、料理が得意だったので、自宅でさまざまな料理を作って食べさせてもらっていました。
また祖母は飲食店をたくさん知っていて、いろいろな店へ私を連れて行ってくれたんです。
そのような環境もあって、知らず知らずのうちに私も料理好きになりました。
そして将来は、何か飲食店をやりたいと漠然と考えるようになったんです。
その後、社会人になって小売店に就職して販売員の仕事を始めました。
このころから、定年退職したら飲食店を始めようと思うようになったのです。

しかし就職して三十数年経ったころ、肉体的にも情勢的にも仕事を続けていくのが厳しいのではないかと考えるようになりました。
そこで知人に相談したところ、「転職するなら、一日でも早いほうが良い!」とアドバイスをいただきました。
そのアドバイスもあり、退職し、のちに飲食店をやろうと決意したのです。
一人で切り盛りでき、料理を楽しみつつ酒も一緒に楽しめる店を

なぜ小料理店という形態にしたのか。
杉野原
飲食店をやるからには、小さく始めようと思っていました。
経済的負担やリスクを少なくしたかったからです。
そのため、自己資金を中心に準備することに決めていました。
経費における人件費は占める割合が大きいですから、私一人で切り盛りできるスタイルの店が理想です。
また私はお酒も大好きですが、料理も大好き。
なので「料理をメインに楽しみつつ、お酒も料理と一緒に楽しむ店」というコンセプトが生まれました。
一人で切り盛りできて、料理をメインにしながら酒も楽しめる形態となると、自然と小料理店に行き着いたのです。
不動産会社からいろいろな物件を紹介してもらい、コンセプトにピッタリと合う物件だったのが明治町の現在の店舗。
そして2019年(平成31年)4月に、小料理 春雨を開業しました。
開業ができたのは、幸運が重なったことに加え、たくさんの人に助けていただいたからだと思っています。
店名「春雨」はかつて祖母が営んでいた店の名を継承

「春雨」という店名の由来は?
杉野原
「春雨」は祖母が営んでいたスナックの店名です。
飲食店をやると決めたとき、店名は祖母の店名を継承しようと決めていました。
飲食店開業を決めたのは、祖母の影響が大きかったからです。
ただ残念なことに「春雨」の由来は、誰も聞いておらずわかりません。
祖母は死去しているため、今はもう確認できないんです。
ちなみに祖母は名前に「春」の字が入っていて、日本舞踊を習っていました。
日本舞踊の演目に『春雨』というものがあります。
おそらく自身の名前と、日本舞踊の演目を掛け合わせて命名したのではないでしょうか。
日替わりのおばんざいは全体のバランスを考えながら決める

おばんざいのこだわりや工夫点を知りたい。
杉野原
おばんざいは毎日、8種類前後準備しています。
もちろん、おばんざい・料理は私の手づくり!
だいたい、いつも昼ごろから店で仕込みをせっせとがんばっています。
毎回出している当店名物の鶏つくね以外、ラインナップは日替わりです。
どのような料理の組み合わせにするかは、毎回気を使っています。
まず食材面で、野菜料理・肉料理・魚料理がバランス良くラインナップするようにしていますね。
さらに肉料理なら、牛肉・豚肉・鶏肉の料理が重複しないよう考えているんです。
牛肉なら牛皿・肉じゃが・チンジャオロースー、豚肉ならショウガ焼き・酢豚・塩焼き、鶏肉なら焼鳥・チキン南蛮・てり焼きなどですね。

料理の種類もバランスを考えています。
炒めもの・煮もの・揚げものなど、偏りがないようにしていますね。
サラダとごはんものも必ず一種類出しており、種類・具材も日替わりで考えています。
旬の食材も使うようにしているのもポイントです。
魚介類は可能な限り、瀬戸内海で水揚げされた旬のものを使いますね。
ただし、その日の入荷状況によって左右されます。
野菜も旬の野菜を使うようにしていますね。
お客様から「○○を使った料理はまだ?」と、旬の時季になるとリクエストがあったりして、心待ちにされているかたも多いです。
人気の旬の食材だと、たとえば春はタケノコなどの山菜、夏はハモやネブト・トウモロコシ・各種夏野菜、秋はキノコ類・クリ・イモ、冬ではクワイや根菜類・牡蠣など。
とくにネブトやクワイは、福山ならではの食材ですよね。
ごはんものだと、今(秋)なら栗ごはんやサツマイモごはん、キノコの炊きこみごはんなどを出しますね。
春だったら、タケノコごはん・豆ごはんなどが人気です。
お客同士のつながりが生まれる店を目指す

今後の展望や課題点などがあれば、教えてほしい。
杉野原
当店はほとんど宣伝をせず、ホームページもSNSもない小さな店です。
しかしおかげさまで、お客様が当店を気に入って、別のお客様に紹介してくださるというという好循環に恵まれて今までやってきました。
今後は店に来られたお客様同士がつながるような、ちょっとした社交場的な空間を目指したいですね。
課題点としては、私一人で切り盛りしているので、満席時は調理や注文などの作業で手いっぱいになってしまうこと。
小さな空間のお店は、店とお客様とが会話したり触れ合ったりできるのが魅力だと思っています。
だからお客様同士がつながれば、私が忙しいときでもお客様同士で会話が弾みますよね。
居心地が良い店とよく言われますが、今後もいっそう居心地が良くて楽しい店を目指します。
居心地の良さと家庭的なおばんざいが魅力の小料理店・春雨

春雨は小さな店ですが、店主の人柄と居心地の良さ、そして家庭的な料理でついつい長居をしてしまいます。
広い居酒屋でワイワイするのも楽しいですが、春雨のような家庭的な店でゆっくりと過ごすのも味わい深さがあって魅力的です。
ぜひ春雨を訪れ、店主・杉野原さん自慢のおばんざいの数々を楽しんでみてください。
小料理 春雨のデータ

名前 | 小料理 春雨 |
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住所 | 広島県福山市明治町6-11 |
電話番号 | 084-999-8590 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午後5時30分〜午後10時30分 |
定休日 | 日 第一・三月曜日 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 |
座席 | カウンター:8脚 |
タバコ | 喫煙可能 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー |