鞆の浦の名産品・保命酒(ほうめいしゅ)を知っていますか?
江戸時代の初期から鞆の浦でつくられている、歴史ある名産です。
そんな保命酒は、現在でも鞆の浦の地でつくり続けられています。
現在も鞆の浦にある4軒の保命酒醸造元のひとつが「入江豊三郎本店」。
昔ながらの製法でつくられる保命酒やみりんは、多くの人に愛されています。
さらに入江豊三郎本店は、保命酒を使った菓子や食品、飲み物なども幅広く販売。
多くの人に保命酒の存在を知ってもらえるよう、取り組んでいます。
保命酒の老舗醸造元・入江豊三郎本店のこだわりや歴史、商品の魅力などを紐解いていきましょう。
記載されている内容は、2023年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
有限会社 入江豊三郎本店のデータ
名前 | 有限会社 入江豊三郎本店 |
---|---|
住所 | 【本店】広島県福山市鞆町鞆534 |
電話番号 | 084-982-2013 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 午前10時〜午後5時 |
定休日 | 不定休 |
支払い方法 |
|
ホームページ | 保命酒の入江豊三郎本店|鞆の浦名産品 |
【本店へ行く場合】
自動車での行き方
福山市街地方面から自動車で行く場合は、県道22号線(福山鞆線)を進んでください。
鞆地区に入り、鞆港で県道22号線は丁字路に突き当たります。
この丁字路を進行方向右(北)に曲がりましょう。
そのまま道なりに走ります。
途中、道は進行方向右にゆるやかに曲がりましょう。
丁字路から約250メートル道なりに進みます。
すると、進行方向左手に入江豊三郎本店の駐車場があります。
入江豊三郎本店の看板が目印です。
駐車場から約20m進むと、入江豊三郎本店があります。
なお、鞆港の丁字路から先の道は一方通行です。
交通機関での行き方
交通機関で向かう場合は、JR福山駅から路線バスに乗る方法がわかりやすいです。
福山駅南口(ばら公園口)の駅前バスロータリーの5番乗り場から、トモテツバスの「鞆港・鞆の浦」行きに乗ってください。
「鞆の浦」バス停で下車します。
鞆の浦バス停から県道22号線を南へ約120m進むと、福山市役所 鞆支所があります。
鞆支所のところから西へ延びる道(県道47号線)へ入ってください。
約80m進むと、入江豊三郎本店へ着きます。
2023年(令和5年)時点の情報。 価格は消費税込
入江豊三郎本店は鞆の浦の伝統的名産品・保命酒の醸造元
入江豊三郎本店は、福山市鞆町にある保命酒やみりんを醸造・販売する会社です。
創業は1886年(明治19年)で、130年以上の歴史があります。
保命酒は、江戸時代初期から鞆の地で醸造されている、歴史ある鞆の浦の名産品です。
十数種類の薬味をみりん酒に漬け込んだ薬味酒(リキュール)で、和風ハーブリキュールともいえます。
江戸時代当時は「十六味地黄保命酒」と呼ばれていました。
備後福山藩の保護のもと、北前船の停泊する鞆の名産として知られ、朝鮮通信使やペリーにもふるまわれたといわれています。
江戸時代は保命酒を考案した中村家が専売を許されていましたが、明治時代になり専売制が廃止されると、鞆に十軒以上の多くの保命酒醸造元が生まれました。
現在は鞆の浦に4軒の保命酒醸造元が残っており、入江豊三郎本店はそのひとつです。
江戸時代に保命酒を醸造していた中村家は、製造法を一子相伝としていました。
一子相伝:自分の子ひとりだけに伝えること
そのため各醸造元が創意工夫をしたため、使用する薬味は醸造元によって違いがあります。
入江豊三郎本店の保命酒は16種類の薬味を使っており、いずれも植物性のものなのが特徴です。
しかも、昔ながらの製法でつくっています。
また保命酒はみりん(味醂)酒がベースになっていることから、入江豊三郎本店みりん(味醂)も醸造しており好評。
製造時に出る副産物である酒粕や、甘酒なども人気です。
さらに入江豊三郎本店は地元を中心とした企業とタッグチームを組み、保命酒や本みりんを使ったさまざまな商品も販売しています。
たとえば、以下のようなものです。
- 保命酒のど飴
- 3年熟成の本みりんを使ったツユ
- 保命酒で香りづけしたラーメン
- 本みりんを使ったケーキ
- 保命酒を使ったゴマせんべい
- 保命酒を使ったジュレ
- 保命酒を使ったサイダー
- 保命酒や酒粕を使ったアイスクリーム
いずれも、保命酒も本みりんの濃厚な甘い風味を生かした商品です。
なお入江豊三郎本店の商品は、一部をのぞいてオンラインショップでも買えます。
人気・おすすめの商品
たくさんある入江豊三郎本店の商品のなかから人気の商品、店のおすすめ商品を紹介します。
十六味保命酒
入江豊三郎本店の主力商品である保命酒は、「十六味保命酒」の名で製造・販売されています。
十六味保命酒には、全部で16種類の薬味が漬けこまれています。
十六味保命酒は、透明感のある美しい琥珀色。
飲むと、濃厚でまったりとした甘味が口の中に広がります。
飲み干すとさまざまな生薬の風味、酒特有の風味がフンワリと香り、鼻から抜けていきました。
保命酒の甘さはモチ米に由来するもので、砂糖や甘味料は一切使用していません。
私はストレートで飲みましたが、オン・ザ・ロックや水割り、お湯割りなどの飲みかたもおすすめです。
薬味の成分がとけこんでいるため吸収が早く、血液とともに身体のすみずみまで行きわたります。
そのため暑い時季は夏バテ防止に、寒い時季は体が温まるのが特徴です。
保命酒は日本酒と違って、原料はモチ米と麹米(こうじまい)、さらにアルコール分約40%の焼酎。
そのため、麹から出る酵素によってモチ米が糖化され、濃厚でまろやかな甘味が生まれるのです。
それを原酒とし、16種類の薬味を漬けこんだあとに濾過(ろか)します。
日本酒と異なり保命酒の仕込みは、毎年4月。
醪(もろみ)を酒袋に入れて圧搾して絞る上槽(じょうそう)の作業は6月で、11月に新酒ができあがります。
なおアルコール度数は、約14度です。
十六味保命酒は容量や容器・パッケージの違いで、さまざまな種類・価格がラインナップしています。
自宅用から贈答向けまで幅広いので、用途に応じて選べます。
量・価格は、ガラス瓶・化粧箱入 300mlで940円から。
詳細は、公式サイトを見てください。
トモエ印 みりん
十六味保命酒と並ぶ入江豊三郎本店の看板商品が、「トモエ印 みりん(本みりん)」です。
モチ米と麹米、焼酎を原料としてつくられます。
つまり、十六味保命酒の原酒が本みりんなのです。
そのため保命酒と同様に、濃厚でまったりとした甘味が楽しめます。
実はみりんは、入江豊三郎本店の一番の売れ筋なんです!
日々の食卓にかかせないものだからですね。
みりんは、以下の3種類の容量があります。
容量 | 価格 |
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500ml | 650円 |
600ml | 700円 |
1800ml | 1,450円 |
トモエ印 みりんは、おでんや煮物、鍋物、照り焼きなど、さまざまな料理の味付けにおすすめです。
みりん特有の甘味を生かし、菓子などにも応用できます。
保命酒の花
「保命酒の花」(280円)は、保命酒の原酒ができるときの酒粕を本みりんと砂糖で味付けしたものです。
原酒の酒粕のため、薬味エキスは入っていません。
保命酒の花をそのまま食べてみると、一般的な酒粕よりも甘味があって、おいしいです。
昔の人は、保命酒の酒粕を甘いお菓子代わりに食べていて、大人気商品でした。
当店でも保命酒の花は、五本の指に入るほどの人気があります!
和え物の材料としたり、漬物に使ったり、お湯でといて甘酒として飲んだり、さまざまな使いかたができます。
酒粕は食物繊維が多く、健康食品としても再注目されていますのでおすすめです。
飲む保命酒の花 甘酒
「飲む保命酒の花 甘酒」は保命酒の酒粕を使った甘酒の素です。
「しょうが入り」(500円)と「瀬戸内レモン風味」(500円)の2種類があります。
個包装された粉末タイプで、お湯を注いで混ぜればすぐに飲めます。
直火炊き製法で甘酒の香りと味わいを生かし、風味豊かな保命酒の香りも楽しめる甘酒です。
甘酒は、当店で非常に人気のある商品です。
とくに女性からの人気が高いですね。
しょうが入りを飲むと、まったりとしたやさしい甘味で、ややトロッとした舌触りをしており飲みやすいです。
甘酒特有の酒の風味は控えめで、甘酒が苦手な人でも楽しめそうです。
瀬戸内レモン風味は、甘酒の甘味と同時にレモネードのようなさわやかな甘酸っぱい風味が広がります。
しょうが入りの甘酒とはまた違った味わいで、こちらも飲みやすい印象でした。
なお、アルコール分は0.1%未満です。
保命酒のど飴
「保命酒のど飴」は、名前のとおり保命酒を使ったのど飴です。
直火鍋でじっくりと焚き上げた飴の中に保命酒、さらにのどにやさしいニッキを練りこんでいます。
のど飴は、1つずつ個包装されており、光沢のある茶色で、おはじき型です。
のど飴を口に入れると、少しずつやさしい甘みとともにニッキの強めの風味が広がりました。
保命酒のど飴は、保命酒を使った「保命酒関連商品」のなかで一番人気の商品です!
なお、アルコール分は含まれていません。
80g入り(260円)のほか、お得な5袋セット(1,100円)もあります。
入江豊三郎本店の店舗
入江豊三郎本店の店舗は、鞆町内に3店あります。
本店
入江豊三郎本店の本店は、2021年(令和3年)にリニューアルを実施しました。
商品選びと同時に、昔からある中庭や井戸、五右衛門風呂なども見学できます。
保命酒関連の資料を展示したスペース
住所 | 広島県福山市鞆町鞆534 |
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電話番号 | 084-982-2013 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 午前10時〜午後5時 |
定休日 | 不定休 |
蔵
蔵は入江豊三郎本店の仕込み蔵で、商品も販売しています。
場所は本店と同じ道沿いで、本店の約60m西側。
建物は約200年前のものとされています。
予約をすれば、酒蔵見学も可能です。
住所 | 広島県福山市鞆町鞆600-1 |
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電話番号 | 084-982-2013 |
駐車場 | あり(本店と共通) |
営業時間 | 午前9時〜午後5時 |
定休日 | 不定休 |
渡船場店
渡船場店は、仙酔島へ渡る市営渡船場のすぐ西側にあります。
渡船場店でも、保命酒やみりん、保命酒関連商品など幅広く販売。
入江豊三郎本店の商品を販売しているほか、テイクアウトのドリンクやアイスクリーム「鞆の浦アイスクリン」も販売しています。
仙酔島からの渡船帰りや、鞆の浦の町並み散策の休憩におすすめです。
鞆の浦アイスクリンは、たくさんの種類をラインナップしています。
なかでも、保命酒味や甘酒味が人気です。
z住所 | 広島県福山市鞆町鞆623-6 |
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電話番号 | 084-970-5225 |
駐車場 | なし ※2,000円以上購入の場合、隣接の市営第一駐車場の30分無料券を配布 |
営業時間 | 午前10時〜午後5時 (テイクアウト:午前11時〜午後4時) |
定休日 | なし |
昔ながらの製法で鞆名産の保命酒やみりんを製造・販売する有限会社 入江豊三郎本店。
代表取締役の入江里彩(いりえ りさ)さんに話を聞きました。
有限会社 入江豊三郎本店のデータ
名前 | 有限会社 入江豊三郎本店 |
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住所 | 【本店】広島県福山市鞆町鞆534 |
電話番号 | 084-982-2013 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 午前10時〜午後5時 |
定休日 | 不定休 |
支払い方法 |
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ホームページ | 保命酒の入江豊三郎本店|鞆の浦名産品 |
上記のほかに、9種類。