尾道市街から近く、新しいお店やオシャレなスポットもありながら、昭和レトロな雰囲気が残る向島。新旧が程よく混じり合う心地良さや人の温かさに惹かれ、移住してくる人も少なくありません。
2024年4月24日(水)、向島らしさをギュッと集めたような宮本本店で、「春の占い&癒し くつろぎマルシェ」が開かれました。ほっこりとした空気が満ちていたマルシェのようすをレポートします。
記載されている内容は、2024年5月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
「くつろぎ」を生み出す4人が集結したマルシェ
「くつろぎマルシェ」に集まったのは、気持ちがほっと安らぐおいしいものと占い、そしてテラピーを提供する次の4人でした。
- ランチとクレイテラピー もとのき
- 焼き菓子と星読みカード占い 粉と粉と coto_coto
- 喫茶とワンコインタロット 喫茶室企図企図(きときと)
- 個性學診断 MIKI
共通のテーマは「くつろぎ」です。
4人のなかには、今回が初めてのイベント出店の人もいます。また、今までとは異なる新しいジャンルに挑戦している人もいます。
春らしい、フレッシュなイベントでした。
当日はあいにくの雨でしたが、オープンから人が次々と訪れて賑いました。
ランチとクレイテラピー もとのき
具だくさんの豚汁とご飯のセット、そして手首へのクレイテラピー体験を提供したのはもとのきです。
美しい朱塗りの御膳にのせられた、豚汁と雑穀入りご飯のセットが目の前に置かれると、思わず「わぁ」と声をあげてしまいました。
薬膳の考え方を取り入れて季節のおいしい野菜をたっぷりと使うのが、もとのきのこだわりです。この日の豚汁にはこれでもかというほどのゴボウと、新玉ねぎ、新じゃがなどが入っていました。昆布とカツオと椎茸でとった出汁と、大崎上島にある岡本醤油の味噌を合わせています。
すべての旨みが一体化した優しい味の豚汁に、気持ちが満たされました。
クレイテラピー体験は、開始から人が途切れることがありませんでした。
クレイテラピーとは、クレイ(粘土)を用いた癒しのこと。フランス産の純度の高いクレイが体の老廃物を吸収し、ミネラルを体に与えて、心身を癒しに導くそうです。
今回は手軽に体験してもらえるよう、手首へのパックをおこないました。
体験者さんの状態をヒアリングし、状態に合わせたクレイを選ぶところからスタートです。
水にクレイを振り入れ、全体に水分が浸透するまでしばらく休ませます。
クレイの準備が整ったら、手首に塗っていきます。レッドのクレイは体を温めるそうで、体験者さんは「なんだか体がポカポカしてきた!」と驚いていました。
続いて右手にも同じようにパックしていきます。右手にわずかな不調を感じていた体験者さん。クレイパックでどんな変化があるでしょうか。
しばらくそのまま置いてから剥がします。
パック中のクレイのようすや、剥がすときの取れ方は不思議とそれぞれに違うのだとか。
「ここだけクレイがポコポコになっていますね。今、どんな感じですか?」
「肌が落ちついて、色味が変わりました。体が温かくていい気持ちです」
クレイの力に癒やされたようすでした。
焼き菓子販売 粉と粉と coto_coto & 占い miyou_ki みゆき
これまでにも自家製天然酵母のパンと焼き菓子で、さまざまなイベントに出店している粉と粉と(ことこと)。おいしくてオシャレなパンと焼き菓子の人気は高く、イベントが始まったらすぐに行かないとたちまち売り切れてしまいます。
アンティーク雑貨などを使ったディスプレイも、粉と粉との魅力のひとつ。ため息がでるような空間です。
今回の焼き菓子のラインナップは次のとおりです。
- ダークチェリー入りガトーショコラ
- 4種の尾道シトラス入りホワイトガトーショコラ
- 淡雪いちごの古代小麦粉ケーキ
- 山椒クッキー
- 米粉のカヌレ
- 焼きチョコマカロン
この春からはmiyou_ki みゆき の屋号で星読みカード占いもスタートしました。
「星読み」とは、未来を予測するというよりも、生まれてきた目的を読み取り今の自分を知る感覚なのだそうです。
相談に応じて、星読みやタロット、オラクル、ルノルマンのカードを組み合わせて占います。気になるものがあれば選んでもよし、とくになければお任せでもOKです。
占いにとんと疎い筆者は、お任せでお願いしました。
タロットとオラクルのカードで仕事の行方を見てもらいました。どうやらひとまず、このまま進めば良いようです。
占いには、小さなおやつとお茶がついています。
おやつは桜あんこのスノーボールクッキーと山椒クッキー。丸いスノーボールと三日月型のクッキーの並びは、何かを表しているのでしょうか。
お茶は次の2種類から好きなほうを選べます。
- 黒豆桜茶
- 蓬金柑茶
どちらも自家製とのことで、迷いました。
黒豆桜茶は、黒豆と桜の香りと味が一体となった、滋味に満ちたお茶です。黒豆はていねいに炒り上げ、桜は自ら摘んだ花を塩漬けにしたそうです。
桜あんのスノーボールはサクッと噛むとほろりと崩れ、ふんわりした甘さに癒やされます。山椒のクッキーはぴりりと刺激的な山椒の実がアクセント。初めて食べる味でしたが、クセになりそうです。
最後に引いたこの美しいカードは「行動で愛情を表現しよう」との意味を持つと聞き、日頃の行いを少し反省しました。
喫茶とワンコインタロット 喫茶室企図企図(きときと)
ふんわりとした優しい雰囲気が漂う喫茶室企図企図。
宮本本店の「カフェつどい場」では、カシューナッツチキンカレーを出していました。今回はかぼちゃのチーズケーキや飲み物のほか、タロットでの出店です。
どんなきっかけでタロットに出会ったのかを聞いてみました。
「心理療法に興味を持って、いろいろな本を読みました。
しかし、心理の専門家になるためには大学院まで進んで資格を取らなければならないので、諦めていたんです。
そんなときに心理学者の河合隼雄(かわい はやお)さんの本の中に『タロット占いをしているこの人がやっていることは、自分とほとんど変わらない』と書いてあるのを見つけました。今から心理の専門家になるのは難しいけれど、タロットなら同じようなことができる可能性がある。それでタロットを学び始めました」。
こちらでも、筆者の仕事の行方を占ってもらいました。
並べたカードのなかから「3枚選んでください」といわれ、引いてみます。
「このカードの意味は『参加する』です。一人で何かをするのではなくて、どこかのグループで受け取ったり与えたり、一つのつながりのなかで動いています。そしてこちらのカードは、新しい場所に一歩踏み込む…」
タロットとは、その人自身が感じていることを読み取り、整理する占いなのだそうです。3枚のカードから感じたのは、「現在やっていることが次へとつながる」イメージ。先ほどの星読みとほぼ同じ結果でした。
セカンドオピニオンというのでしょうか。二人に見てもらったにもかかわらず、ほぼ同じ内容だったことで、このままで大丈夫だと背中を押された気分になりました。
個性學診断 MIKI
今回が初めての出店という、個性學診断のMIKI。
「個性學(こせいがく)とは、生年月日をもとに個性を類型化した『新しい人間学』です。その人の個性(生まれ持った特性や性格)を知り、それを目的達成のために活かしてもらえたらと思います」と、説明してくれました。
何を幸せと感じるか、何を人生の目的にするか、そして社会での役割などは、人によって違います。
個性學の基本となるのは「人志向」「城志向」「大物志向」の3分類です。
たとえば「人生の目的(=幸せのかたち)」について、それぞれの分類の人はこのように感じています。
・人志向:恥ずかしくない生き方をしなければならない
・城志向:人生は楽しむためにある
・大物志向:人生は可能性を試す場
引用:個性学とは?|日本個性學研究所公式サイトより
残念ながら筆者自身を見てもらう時間がなかったのですが、体験した人に感想を聞いてみました。
「初めて個性學というのを聞いたのですが、面白かったです。今まで知らなかった自分の個性が見えてきました。これからの日々に生かしたいですね」。
宮本本店
今回「くつろぎマルシェ」の会場となった宮本本店は、土木建築資材などの販売や自然素材を使ったリノベーション事業を手掛ける会社です。
創業100周年を迎え、2023年12月に旧店舗をリニューアル。週末の夜は「集いBAR宮本本店」、金曜の午後は「カフェつどい場宮本本店」をオープンしています。
「集いBAR」も「つどい場」も、英訳は「MEETUP」。つまりここは、共通の目的を持った人が集まる交流の場所として賑わいます。平日昼間には、レンタルスペースとしても活用中です。
「これから何かを始めたい人のトライアルの場所として、人と人がつながる場として、使ってもらえればと思っています。場所を提供して、皆さんを応援できることが楽しいんです」と、宮本本店の宮本さんはにこやかに話してくれました。
「くつろぎ」のイベントに出かけよう
占いと癒しのイベント「くつろぎマルシェ」では、現在の自分自身を見つめたり体を労ったりしながら、おいしいものでゆったりとくつろぐ時間を過ごせました。向島の穏やかな景色や人とのつながりにも、ほっと気持ちがほぐれます。
同じ出店者で、2024年7月9日(火)に第2回のくつろぎマルシェの開催が予定されています。詳しくはSNSをチェックしてくださいね。
- 宮本本店
- もとのき
- 粉と粉と
- 喫茶室企図企図
- MIKI(リンク先はLINE)