第1回ローカルアイディアコンテストが、令和5年6月18日午後2時から開催されました。
令和5年3月16日から19日に開催されたロッカソン合宿@岡山の上位版であるローカルアイディアコンテスト。
ロッカソン合宿@岡山の発表会でMVPに送られた特典のひとつが、ローカルアイディアコンテスト出場権でした。
ローカルアイディアコンテストとは、「起業したい」「活動を始めたい」など活動意欲のある学生が、自分のビジョンをもとに地方のフィールドを最大限に活用しアイディアを形にするコンテストです。
このコンテストの特徴は、なんといっても開催場所。
岡山県笠岡市・奈良県奈良市・静岡県富士宮市、それぞれの会場から登壇者が発表をおこないます。
さらには観覧会場としてメタバース会場も用意されており、オンラインでもコンテストの空気を体感できます!
今回は書類選考を勝ち抜いた地方3会場合計8名が登壇し、それぞれのアツいビジョンやビジネスプランを発表しました。
筆者も実際に登壇。
白熱のコンテストの模様をレポートします。
記載されている内容は、2023年10月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
ローカルアイディアコンテストとは?
本イベントは、学生活動支援コンソーシアムStBASE(エスティーベース)が主催しています。
笠岡市の地域おこし協力隊、寺田伊織(てらだ いおり)さんも運営の一人。
奈良市が協力、笠岡市、富士宮市なども後援に入っています。
このようなさまざまな行政ともタッグを組んでコンテストがおこなわれていることも、ローカルアイディアコンテストの特徴の一つです。
ローカルアイディアコンテストの流れ
イベントでは、静岡会場・奈良会場・岡山会場の書類審査を突破した各会場3名、合計9名(当日欠席により8名)のファイナリストがそれぞれのビジネスプランを発表しました。
各会場では、以下の3名がファシリテーターを担当し、3会場をつなぎます。
- 寺田伊織さん:笠岡市地域おこし協力隊、株式会社kakeruX 代表取締役
- 高村颯(たかむら はやて)さん:笠岡市地域おこし協力隊、株式会社ロボミン 代表取締役
- 今井智紀(いまい ともき)さん:笠岡市地域おこし協力隊インターン経験者であり、株式会社Ligula 代表取締役
当日の発表者の順番は以下のとおり。
- 加藤尋矢さん(静岡会場)
- 松原佑樹さん(静岡会場)
- 髙木惇平さん(静岡会場)
- 岩井田智也さん(奈良会場)
- 松井美都さん(奈良会場)
- 坂本華凜さん(奈良会場)
- 宮本あゆはさん(岡山会場)
- #おかやまJKnoteさん(岡山会場)
- 森本翔大さん(岡山会場)
登壇者の白熱したプレゼンテーション
今回プランを披露するのは、激戦の書類審査を勝ち進んだ9名。
静岡会場、奈良会場の発表が終わり、いよいよ岡山会場。
岡山会場トップバッターは、筆者である宮本あゆはです。
コーディネートに困っている人に向けたSNSのプランを発表しました。
筆者はコーディネートを考えるのが苦手で、いつも自分の着ている服の組み合わせがおかしくないか不安に思っていました。
そこで、自分の持っている服を写真でとり、コーディネートが得意なユーザーに組み合わせを提案してもらうSNSを考えました。
筆者はよくビジネスコンテストに出場しているのですが、自分のプランのことをまったく知らない起業家のかたや、行政のかたに聞いてもらうのはとても緊張しました。
今回の会場である笠岡港旅客船ターミナル「みなとこばなし」の特徴は、オーディエンスとの距離が非常に近いこと。
そのため、コンテスト開始前から登壇者と観覧者との間でも会話が弾んでいました。
すでに打ち解けていたかたがたが見守ってくれているなかでのプレゼンテーションは心強く、楽しみながらできました。
▼続いての発表は、#おかやまJKnoteさん。
なんと今大会最年少、中学生と高校生の発表です。
岡山市北区奉還町を活用した謎解きイベントのプランを発表していました。
「活動拠点である奉還町の魅力を知ってもらいたい!」「奉還町に恩返しがしたい!」
そのような思いから奉還町のお店を巻き込んで街歩きをしながら謎解きを楽しめるイベントを提案。
中学生・高校生だからといってあなどることなかれ。
事業をするのにどのような資金が必要で、その資金をどのように集めようとしているか…。
実現に向けてのステップをひとつひとつ検討している姿が非常に印象的でした。
プレゼンテーションのなかで、奉還町を盛り上げたい!という気持ちが強く伝わってきました。
筆者自身のライターとして活動するなかでの地域に対する思いと重なり、応援したい!と感じるプレゼンテーションでした。
▼岡山会場ラスト、そして今大会のトリを務めるのは岡山大学 森本翔大(もりもとしょうた)さんの「自然を感じよう」。
RPG(ロールプレイングゲーム)の要素を入れて自然をより楽しめるイベントプランを提案していました。
ゲーム人口が多いことに注目をした森本さん。
ゲームが好きな人が求める「物語のおもしろさ」「気分」「グラフィック」「キャラの魅力」。
これらを地方創生に生かすことができないか?と考え、「リアルRPGトラベル」と題して地方の観光産業に2次元のおもしろさを落とし込んだアイディアをプレゼンテーション。
筆者は大の旅行好き。
ゲーム性のあるわくわくするようなイベントが開催されれば、今まで足を運ばなかった場所にも行ってみたくなるもの。
もし実現された際は、少し遠い場所であっても行ってみたいなと思わせる発表でした。
ロッカソン合宿@岡山でMVPに選出された岩井田智也(いわいだともや)さんは、岡山会場からの発表ではなく奈良会場からの発表でした。
前回のロッカソン合宿のプランとは異なる、新しいビジネスプラン「宅トレ継続サポートアプリ KeepFit」を披露していました。
このプランではコミュニティを形成し、チャット機能などで励ましあうことで自宅トレーニングを継続できるようにすることを提案していました。
いざトレーニングをしよう!と思っても、なかなか続かないもの。
筆者はまさに続けたくてもなかなか続かないターゲットど真ん中層。
ぜひ使ってみたいなと思いながら聞いていました。
メタバース会場も!
ローカルアイディアコンテストでは、笠岡・奈良・静岡以外にも「メタバース会場」が用意されていました。
スマートフォンやパソコンを使って入れますが、笠岡会場ではVRゴーグルをつけて実際にメタバース会場に入っているような体験ができました。
筆者も実際に体験。ゴーグルの中はこのように見えています。
3会場の開催ということもあり、どうしても自分の参加している会場以外の会場の発表を遠くに感じてしまいます。
しかし、メタバースによりその空間に没入できると、今まで遠くに感じていた会場はより近く、そして本会場とはまた違った臨場感が楽しめてとてもわくわくしました。
ドキドキの結果発表。受賞者は…
いよいよ結果発表。
各会場から一名選出される地域別大賞3名と、グランプリ1名が発表されます。
地域別大賞は、以下のとおりです。
- 【静岡】加藤尋矢さん:「富士宮市の復興を目指す富士山マルシェの開催」
- 【奈良】坂本華凜さん「エアバッグ×衣服での高齢者さん向け開発プラン」
- 【岡山】#おかやまJKnoteさん:「謎解き奉還町巡り」
静岡会場大賞はトップバッターの加藤さんが受賞
既存のマルシェの特徴を分析し、若者が参加しにくい時間帯での開催や規模の小ささ、不定期であることが課題だと感じた加藤さん。
若者が訪れやすい時間に定期的にマルシェを開催し、市外からの出店を促すことで富士宮市に足を運ぶ人を増やし、そして若者向けのイベントを富士宮市に増やすことで学生離れを防ぐことを提案していました。
マルシェの開催場所も富士宮をよく知っている加藤さんだからこそ、人がよく集まる場所をもとに複数の場所を提案されていました。
富士宮の魅力を知っているからこそ若者離れを防ぎ、もっと多くの人に富士宮を訪れてもらいたい!という強い気持ちが伝わってきました。
奈良会場大賞は坂本華凜さん
服とエアバッグをかけ合わせた「エアクロ―ズ」を提案。
坂本さんの祖母が転倒し、けがをした経験と、エアバッグによって交通事故から命が守られた現場を目撃したところからこのプランを着想したそう。
ただ服をつくるだけではなく、高齢者の安全を守るためのサービス構築も同時に提案していた点が非常に印象的でした。
高齢者が安心して歩くために、高齢者自身の転倒する不安や家族の不安を減らしたい。
坂本さんのプレゼンテーションからは、家族を思う気持ちが強く伝わってきました。
高齢化社会が進むなかで、高齢者を対象にしたビジネスは増えてきています。
「自分の身近な人を助けたい」という思いが、社会課題を解決するアイディアへとつながっていくことを再認識させられました。
岡山会場大賞は#おかやまJKnoteさんが受賞
これまで奉還町でさまざまな活動をおこなってきた#おかやまJKnoteさん。
そのなかで商店街のお店や人との関係が構築され、そしてその活動をもとにさらに奉還町を盛り上げたい!という強い気持ちが審査員の心を動かしたのではないかと思いました。
栄えある大賞を受賞したのは静岡会場 髙木惇平さん
大賞を受賞したのは、「キャンプ場選びのミスマッチを減らし持続的なキャンプ文化を創る」プランを発表した静岡会場 髙木惇平さんです。
キャンプが大好きな髙木さん。
キャンプをするなかで、キャンプ場の雰囲気や現地で売っているもの、近くに温泉があるかどうかなどキャンプ場を選ぶために複数のサイトを駆使するのだとか。
その煩雑さから適当にキャンプ場を選んでしまうと、「こんなはずじゃなかった!」というミスマッチが起こってしまうことも。
また、キャンプ場によってルールもさまざま。
あるキャンプ場では許可されていることが別のキャンプ場では禁止されていて、それに伴ったトラブルも各所で起こっているのだとか。
そこで、キャンプをする人が欲しい情報だけでなく、キャンプ場側が知ってほしい情報を集約するサービス「I’ll be camp.」を発表。
発表からもキャンプ愛が大きいからこそわかる課題点や、ニーズに基づいたプランであると感じられました。
開発中ではあるもののすでにサイトは公開されているとのことで、プランに対する本気度が伝わるプレゼンテーションでした。
おわりに
「地域の課題を自分のアイディアで解決したい!」
「自分が日頃思っている課題を解決できないだろうか?」
そう思っていても、なかなか人に伝えること、初めて出会った人に伝えることはなおさら勇気がいるものです。
筆者も初めてビジネスコンテストに出場したときは、アイディアを否定されるのではないかと不安に思っていました。
ローカルアイディアコンテストでは、そんな挑戦者のアイディアを真剣に聞き、一歩前に進めるアドバイスを投げかけてくれる審査員のかたがたや、課題に挑戦するほかの地域の挑戦者に出会える場でした。
ぜひ、自分の日頃持っている課題をアイディアに変えてみませんか?
- 写真提供:ニシヤマ
第一回ローカルアイディアコンテストのデータ
名前 | 第一回ローカルアイディアコンテスト |
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期日 | |
場所 | 笠岡市、奈良県奈良市、静岡県富士宮市 |
参加費用(税込) | |
ホームページ | 学生活動支援コンソーシアムStBASE |