2026年9月6日の講演会に向けて、コツコツと準備を進めている2人の中学生がいます。
「講演会を主催するのは初めてなので、学校との両立が大変でした。でも、織恵さんのお話をたくさんの人に届けようと、頑張っています!」
そう語るのは、中学1年生の宇田百花(うだ ももか)さんと、中学2年生の横山芽生(よこやま めい)さんです。
中学生の彼女たちが、なぜ講演会の主催者となったのでしょうか。そして、どのように準備を進めているのでしょうか。話を聞いてきました。
記載されている内容は、2026年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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畠山織恵講演会とは
今回、百花さんと芽生さんが主催するのは「畠山織恵講演会」です。

織恵さんの息子・亮夏(りょうか)さんは、脳性麻痺による運動機能の障がいがあります。織恵さんは、山あり谷ありだった子育ての経験を1冊の本にまとめました。それが『ピンヒールで車椅子を押す』です。この本は、第1回 日本ビジネス書新人賞「プロデューサー特別賞」を受賞しました。
その後、全国の人たちに生きる力を届けたいと、織恵さんは講演活動を続けています。2024年に福山市で開催された講演会には166人が集まりました。その会場で受付を担当していたのが、百花さんと芽生さんでした。
講演会の主催を決めた理由

織恵さんの話に深い感銘を受けた百花さんは、お母さんの宇田君代(うだ きみよ)さんとともに、2025年5月の岡山、続いて7月の福山での講演会にも足を運びました。
「織恵さんのお話は、聴くたびに新しい発見があります。亮夏さんの新しい挑戦のことや、主催者が伝えたいテーマに合わせたことを、話してくれるからです」と、百花さんは言いました。
織恵さんの講演会では、最後に聴衆の中から次の講演会のバトンを受け取る人を募ります。岡山の講演会の会場で、百花さんは手を挙げようかどうしようか、迷っていました。百花さんの隣でその様子に気づいた君代さんは、驚いて止めようとしたそうです。
「どんな人が立候補するのかなと気楽に眺めていたら、百花が『やろうかな』と言うのが聞こえたんです。『ええっ?無理よ!』と思いました。そのとき百花は小学校6年生で、子どもが講演会に行くことすら珍しいのに、主催するなんて聞いたこともありませんでしたから」(君代さん)
結局そのとき、百花さんは手を挙げませんでした。
「織恵さんの言葉をみんなに聴いてほしい、とは思っていたんです。でも、その気持ちがまだ、はっきりとまとまってはいませんでした」(百花さん)
その2人の様子を、そっと見ていた人がいました。百花さんが受付をした講演会の主催者だった、藤井佳奈さんです。
「その後佳奈さんに『え、私、ももちゃんがやるって言ったら応援するつもりだったよ』と言われて、ハッとしたんです。やる前にできるわけがないと私が決めちゃいけないって。百花がやりたいなら応援しようと気持ちが変わりました」(君代さん)
「岡山では手を挙げられなかったけれど、やっぱりやってみたいという気持ちがずっとありました。じゃあ、どうすればできるのかと考えてみたんです。佳奈さんやみんなも応援すると言ってくれるけれど、一人でできるのかが不安でした。でも、めいちゃんと一緒ならできるって思いました」(百花さん)
百花さんと芽生さんは、幼いころからの友達です。一緒に療育を受けたり、ごみ拾いに参加したり、手話ダンス大会に出場したりと、さまざまな挑戦をしてきました。
芽生さんは、講演会の主催についてどう感じたのでしょうか。
「織恵さんは、とてもきれいな人。自分の体験を伝える姿が、すごくキラキラして、カッコよく見えました」(芽生さん)
芽生さんの手話や指文字を読み取り、言葉にしてくれるのは、芽生さんのお母さんの横山文美(よこやま あやみ)さんです。
「織恵さんの信念や意志の強さが、芽生の心にも強く響いていたんです。その織恵さんの言葉を届けるためにももちゃんが講演会を主催するのなら、一緒にやろうと決めました」(文美さん)
そして、3回目に参加した7月の講演会の最後。百花さんは震えながら、しかし力強く、その手を挙げたのです。
講演会の準備を通して感じたこと、変わったこと

講演会を開催するには、しなければならないことがいくらでもあります。百花さんと芽生さんは、どのように進めてきたのでしょうか。
「小学生から中学生になって環境が大きく変わったので、学校との両立が難しかったです。イベントに参加したり、車いすダンスの練習に行ったりと、タイトなスケジュールの合間に準備をしてきました。中でも一番大変だったのは、テーマを決めることでした」(百花さん)
織恵さんの話を通して、自分たちは何を伝えたいのか。百花さん、芽生さん、君代さん、文美さんの4人は徹底的に話し合います。
お互いの違いを認め合うことを伝えたい。それが4人の気持ちでした。童謡詩人・金子みすゞ(かねこ みすず)の言葉を借り、「みんなちがってみんないい」をテーマに決めました。
「サブテーマは『支えあいが勇気にかわる』です。これまで私たちはいろいろな人に支えられてきました。今回2人が挑戦できるのも、その支えのおかげです」(文美さん)

「私たち親も講演会を主催した経験がないので、何から始めればいいのか分からないし、何が分からないのかさえ分からない状態でした。チラシひとつとっても、いざ作ろうとすると『これはどうしたらいいの?』と戸惑うことばかり。佳奈さんからアドバイスをもらい、みんなで集まって、ここはこんな色がいいとかここは丸くしようとか相談しながら作りました」(君代さん)
手探りの準備は大変なことも多くありましたが、うれしかったこともありました。
「ももちゃんと別の手話ダンスチームで活動することになってからは、練習のスケジュールも別々になってしまい、会える機会が減っていました。でも、講演会の準備で一緒に過ごせる時間が増えたので、とても楽しいです」(芽生さん)
2人の間で、役割分担はあるのでしょうか。
「とくに分担はせず、なんでも2人で相談して決めています」(百花さん)
楽しそうな2人を、君代さんと文美さんは目を細めて見守ります。
「普段は私たちもいろいろと口出しをしてしまうのですが、今回は2人の意見を待つことを心がけました。自分たちの考えを言葉に表したり、織恵さんや周りの人とやり取りしたりする経験を積む中で、『自分たちにもできる』という大きな自信につながっているようです」(文美さん)
「芽生ちゃんと2人で、自分たちの思いをみんなに伝えたいと講演会に向けて一つずつ準備をしている。私にはできないことを、子どもたちが成し遂げようとしているんです。成長というより、尊敬の気持ちすら感じています」(君代さん)
取材をした7月末は、完成したチラシを持って宣伝に回っているところだそうです。
「お世話になっている福祉サービスの事業所や病院、学校、参加したイベントの関係者など、2人に関わってくださっている人たちのもとへうかがっています」(君代さん)
「『頑張ってね』『聴きに行くね』と応援してもらえるのが、とてもうれしいです」(百花さん)
講演会で伝えたいこと

「織恵さんの話をみんなに聞いてもらいたい。それが原動力です。一人一人違っていて当たり前。その違いを受け入れること、支え合うことの大切さを知ってほしいと思っています」(百花さん)
「いろいろな人が支えてくれ、応援してくれているから、いろいろなことに挑戦できています。その感謝の気持ちを伝えたい。ぜひ、織恵さんの講演を聞きにきてください」(芽生さん)
百花さんと芽生さん、そして2人を支えるさまざまな人の思いが詰まった講演会。「みんなちがってみんないい」を考えるきっかけに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
申し込みはこちらからできます
畠山織恵講演会のデータ

| 名前 | 畠山織恵講演会 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年9月6日(日) 午後2時~午後4時 |
| 場所 | 福山市東部市民センター 1階 ホール(福山市伊勢丘6丁目6番1号) |
| 参加費用(税込) | 入場無料(事前申込制) |























日本全国へ希望を届ける講演家。講演添削・伝え方プロデュース。著書『ピンヒールで車椅子を押す』Amazon部門ランキング1位。脳性麻痺×社長の息子の母。(一社)HI FIVE代表 (畠山織恵さんFacebookより)