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ブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラの代表・藤原建作さんにインタビュー

食事パンや総菜パンを中心に、こだわりのパンを提供するブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラ(boulangerie et traiteur Fujiwara)。
代表の藤原建作(ふじわら けんさく)さんに話を聞きました。
親戚がパン屋でパンが身近だったが、パン屋になりたい気持ちはなかった

パン屋を目指したきっかけが知りたい。
藤原(敬称略)
実は、おじがパン屋をやっていたんです。
だからパン屋もパン自体もとても身近な存在でした。
ただ、だからといってパンが特別な存在ではなくて。
パンが好きだったとか、パン屋になりたいとかは思っていませんでした。
最初はオートバイのロードレーサーになりたくて、その次は総合格闘家を目指し、ひたすら練習する日々を送っていましたね。
でも年齢的なことなどがあって断念して、働くことにしたんです。
それで、どんな仕事をしようかと考えたとき、まっさきに思いついたのが、子どものころから親しんでいたパンだったので、おじがやっているパン屋で働くことにしました。
そのころから自分の店を持ちたいという気持ちがあった?
藤原
いいえ。まだこのころは自分の店を持ちたいという気持ちはありませんでした。
ただ、おじの店でパンづくりの基礎を習得できましたし、そのときの経験は今でもとても役に立っています。
おじのパン屋は全国のいろいろなところに店があったので、働く場所もいろいろ。
北海道を皮切りに、横浜など各地で仕事をしました。
ある程度働いたあと、別のこともやってみたいと思って、おじのパン屋を辞めて地元の福山に帰省することに。
でもやっぱりパンの仕事をやりたいと思って、大阪に住んでいたときに気になっていたパン屋で働くことにしました。
自分の店を持ちたいなと思い始めたのは、ここで働いていたころです。
そしてだんだんと「食事パンがメインの店をしたい」「食事と楽しめるパンをもっと広めたい」など、具体的な構想やコンセプトが定まってきました。
開業資金の確保やパン研究の期間を経て創業

開業したときのことを教えてほしい。
藤原
すぐ開業したわけではありません。
その前に開業資金を蓄えるため、給与の良いトラック運転手に転職しました。
トラックの運転手で稼ぎながら、休日などのプライベートを使って、自宅でパンづくりの研究を重ねたんです。
いろいろなパン屋をめぐって、パンの勉強もしました。
ほかにも料理の勉強や練習もがんばりましたね。
その後、経営や資金の融資方法などを勉強するため、福山商工会議所の創業塾に参加しました。
そして2019年(令和元年)7月に、福山市北部の加茂町に「ソウモクコーヒー・ブランジェリー・ブラッスリー・フジワラ(SOUMOKU coffee BOULANGERIE BRASSERIE Fujiwara)」として創業したのです。
この店はパンの製造・販売に加え、食事も楽しめるベーカリー・カフェというスタイルでした。
2023年(令和5年)12月には現在地・春日町に移転するとともに、「ブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラ」として営業を開始。
今はパンの製造・販売に特化して営業しています。
こだわりは高加水・湯種仕込み・長時間熟成によるモッチリとしたパン生地

パン製造のこだわりを教えてほしい。
藤原
コンセプトのとおり、食事系のパンに力を入れています。
一番のおすすめは、カンパーニュですね。
当店は、生地がモッチリとした弾力のある食感の食事パンが多いんです。
その理由は、高加水・湯種仕込み・長時間熟成の三つがポイント。
高加水というのは、パンの生地に含まれる水分の量を、通常より多めにしていることです。
湯種仕込みは、パンの生地となる小麦粉にお湯をかけたもの。
こうすることで、まるで餅のようなとってもモッチリとした食感を生み出せます。
生地は一晩寝かせて、長時間熟成させているんです。
そうすると、小麦の風味がより感じられ、小麦のうまみや甘味を引き出せます。
ちなみに長時間熟成は食事パンだけでなく、菓子パンなども同様です。
ほかのこだわりは、自家製酵母を使っていること。
自家製の酵母を使うことで、当店ならではの味わいや個性を出せます。
生地のpH(ペーハー)<※>などの調整がしやすくなるのもメリットです。
また酵母は、小麦粉やレーズンでつくっています。
あと、小麦粉にもこだわっていますね。
北海道など国産のものや、海外のこだわりの品種など、パンに合わせていろいろ選んでいます。
※パン製造工程における生地の酸性度のこと
食事パンの魅力やおいしさを知ってもらい、日常の食卓で楽しんでほしい

今後の抱負ややってみたいことを知りたい。
藤原
パン屋ってとても多いので、個性とか店の独自のコンセプトがハッキリしていなければいけないなと考えています。
日本でパンといったら、菓子パンや惣菜パンが多いですよね。
最近ではバゲットなども日常的に食べる人も多くなりましたが、まだまだ食事系のパンは根付いていません。
食事パンもおいしいものがたくさんあるので、多くの人に味わってほしいと思いました。
海外、とくに欧州のように食事パンを日常的に楽しんでもらいたいんです。
そのためには、実際に食事といっしょにパンを食べてもらうのがいいと思うんですよね。
だから、食事パンのおいしさを知ってもっと楽しんでほしい、という当店のコンセプトが定まったんです。
ぜひ当店で食事パンの魅力やおいしさを知って、日常の食卓で食事パンを料理とともに楽しんでほしいですね。
あとは、当店のパンを使っていただける飲食店ができればうれしいですね。
原材料や製造法にこだわって食事パンの魅力を伝えるブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラ

「食事パンの魅力を知ってもらいたい」という思いのもと、こだわりの詰まったパンを楽しめる店は大変貴重です。
ブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラで、ぜひ藤原さんのこだわりが詰まったパンの数々を味わってみてください。
ブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラ(boulangerie et traiteur Fujiwara)のデータ

名前 | ブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラ(boulangerie et traiteur Fujiwara) |
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住所 | 広島県福山市春日町五丁目2-44 マンションSAKAMOTO 1階 |
電話番号 | 084-999-4596 |
駐車場 | あり 「101」の番号が付与された箇所のみに駐車可能 |
営業時間 | 午前7時〜売切次第終了 |
定休日 | 水、木 |
支払い方法 |
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ホームページ | ブランジェリー・エ・トゥレトゥール・フジワラ |