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代表・貝原 大和さんへのインタビュー
福山の子たちにクリスマスに笑顔を届ける福山サンタの活動。
運営代表の貝原大和(かいはら やまと)さんにインタビューをしました。
親子でいっしょに楽しめるのが福山サンタの醍醐味
まず福山サンタの概要やポイントを教えてほしい。
貝原(敬称略)
福山サンタは、サンタクロースの格好した大人による、クリスマスプレゼントの受け渡し代行です。
2018年より始まりました。
事前に受け付けた希望者に対し、希望者が用意したプレゼントを受け取り、クリスマス・イブまたはクリスマスの日に自宅をうかがいます。
そして保護者に代わって、サンタクロースが児童にプレゼントを渡すというものです。
市内の方面別に数人のサンタクロースが別れ、トナカイと呼ばれる補助作業担当者に車で送迎をしてもらい、各家庭へ向かいます。
通常なら児童が寝ているあいだに、保護者がプレゼントを渡しますよね。
また起きているあいだに渡す場合は、サンタクロース役の大人はその場にいない演出が必要です。
福山サンタの良いところは、保護者もいっしょにプレゼントを渡す場に同席でき、クリスマスを楽しめるところですね。
しかも、あたかもサンタクロースが用意したプレゼントかのように渡すので、リアリティーが増します。
このほか、イレギュラーな形ですが地域のスポーツ団体などの組織を訪問したり、イベントへ出演したりすることもありますね。
コロナ禍でもソーシャル・ディスタンス確保の工夫により活動を継続
運営するうえで工夫していること、気をつけていることは?
貝原
NPO法人こどもステーションさんと連携しています。
こどもステーションさんは一人親家庭の支援に力を入れており、福山サンタではこどもステーションさんからの紹介枠として毎年5軒分を確保しています。
また福山サンタは2018年から毎年開催を続けていますが、大変だったのは新型コロナウイルス感染症流行のとき。
正直、開催は危ぶまれました。
しかしコロナ禍で学校が休校になったり、学級閉鎖になったりするなど、児童たちは悲しい思いをしてきたので、なんとかして開催したかったんです。
そこで希望者には、窓からプレゼントを渡すことでソーシャル・ディスタンスを保つなどの工夫をし、無事コロナ禍でも開催を続けられました。
あと、福山サンタは9歳までなので、対象から外れた子や、近所で出会った子には駄菓子を渡すなどもしています。
駄菓子は地元の企業などから提供されていて、大変ありがたいですね。
東日本大震災の被災地支援をヒントに2018年に誕生
福山サンタはどのような経緯で始まった?
貝原
福山サンタのきっかけとなったのは、過去のボランティア活動です。
東日本大震災のあと、翌年から私は陸前高田や石巻、一関などの被災地でボランティア活動をしました。
私は事業活動をしていますが、自分の活動の3割くらいを社会活動にあてたいという思いがあります。
社会活動はある程度自由にできる面があるので、自分の学びもあるからです。
ちょうど東日本大震災があり、さらに一関に知人がいたので、そのコネクションで被災地でのボランディア活動に協力することになりました。
そして一関商工会議所のかたたちともに、サンタクロースの格好をして炊き出しをしたり、お絵描き教室などの開催をしたりしたんです。
その活動の一環で、サンタの格好で保育所・幼稚園をまわってプレゼントを渡す活動もありました。
その後2017年に東京から地元・福山に帰郷したタイミングで、福山ではどんな活動をしようと考える機会があったんです。
未来を担う子たちが喜ぶようなことがしたいなと思うようになり、一関でのサンタクロースの活動を思い出しました。
こうして福山でサンタクロースによるプレゼント活動を思いつき、福山サンタが生まれたんです。
ただこちらでプレゼントを用意すると資金が必要になり、長く続けるにはかなりの工夫が必要ですよね。
そこで、保護者に代わりプレゼントを渡すという活動を思いつきました。
なので主要な経費は、サンタクロースの衣装代や車の燃料代などです。
活動に共感した人が仲間として協力
福山サンタは数人で活動しているが、仲間はどのように募ったか。
貝原
私は「福山コン」という、地域活性化イベントも開催していました。
福山コンの運営メンバーが、福山サンタに協力してくれたんです。
ほかに私の思いに共感してくれた、かつての同級生なども協力をしたいと申し出てくれました。
Facebookでの投稿を見て、協力したいといってくれたかたもいます。
最初の参加者が出産によって親となって参加ができなくなったりしましたが、ありがたいことに代わりに新しいメンバーが参加したりしていますね。
当初は私に近い世代の参加者が多かったのですが、近年は高校生が協力してくれるなどしており、世代を超えて福山サンタが浸透してきているかなと感じています。
印象に残ったことはあるか。
貝原
私がサンタクロースで訪問したとき、小さな子が怖がって大泣きをしました。
翌年もその家庭は福山サンタに応募していただいたので、ふたたび訪問。
すると前年は大泣きだったのに、ハイタッチしたり、抱きついたりしたりしてくれたんです。
その翌年も応募していただき、3年間でその子の成長を感じられたのは思い出深いエピソードですね。
ほかの地域でも同様の活動を広めていきたい
今後の展望や課題に感じていることがあれば知りたい。
貝原
福山サンタの活動を知り、富山市や東京板橋区などで「私の地区でもやってみたい」という声があります。
これは非常にうれしいことです。
同じような活動をする地域・団体がこれからも増え、小さな子たちの笑顔が増えていってくれれば良いなと思います。
そのために相談やノウハウの提供などで、協力をしていきたいですね。
それと仲間をもっと増やし、数チームに分かれてプレゼントを渡しに行くなどして、スケールアップができたら良いと思います。
私たちがお願いするのではなく、私たちの活動が広まり、共感していただいて自発的に協力したいといってくれる仲間が増えるのが理想です。
そのためには小さく運営し、長く続けていくことも重要だと思います。
サンタクロースの衣装も値段によって耐久性とかが変わってきますので、衣装代もうまくやりくりしていきたいです。
あとは、渡す駄菓子を提供していただける企業さんが増えると助かりますね。
福山サンタのボランティア活動で地域に笑顔を!
自宅にサンタクロースがやってくると、驚くと同時に児童たちにとって忘れがたい思い出になるのではないでしょうか。
そして地域に笑顔と喜びを増やして、元気にすることにつながると思います。
2018年に開催され、コロナ禍を乗り越えて活動を続ける福山サンタ。
その活動に協力してみませんか?
また自宅にサンタクロースを呼んで、プレゼントを代わりに渡してもらいませんか?
福山サンタのデータ
名前 | 福山サンタ |
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期日 | 毎年12月24日 午後3時〜午後7時30分を予定 (受付は10月ごろから開始し、予定数10〜15組・箇所に達ししだい受付終了) |
場所 | 広島県福山市三之丸町8-8(合同会社 StrAction事務所 内) |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 福山サンタ |