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明王院の住職・片山弘雄さんに話を聞きました
2棟の国宝建築物をはじめ、たくさんの文化財や見どころがたくさんある、歴史ある寺・明王院。
明王院についての思いなどを、住職を務める片山 弘雄 (かたやま こうおう)さんに尋ねました。
明王院は地元に愛されている寺
片山 (敬称略)
地元・草戸町やその近くのかたのなかには、定期的にお参りされるかたもいます。
毎日お参りされるかたもいますよ。
また地元の有志による「明王院を愛する会」という集まりがありまして、さまざまな活動をしています。
ほかにも明王院がある学区の小学校の写生大会や、幼稚園・保育園の遠足などの定番になっているんです。
地元の草戸町周辺のかたに、とても愛されていると感じています。
福山市民や近隣地域のかたにも魅力を感じてほしい
片山
もちろん、福山市内や周辺地域からも定期的にお参りしたり、近くに訪れた際に立ち寄ってお参りされるかたもいます。
ただ福山市民や近隣地域のかたのなかには、明王院の存在を知らないかたもいるんです。
また明王院という名前や、どんな寺なのかを知っているが、お参りに行ったことがないかたも多いでしょう。
知識として知っているだけではなく、せっかくなのでお参りしていただけると、明王院の魅力をより感じていただけるのではないかと思います。
明王院は歴史があり、重要文化財も多いので。
明王院の見てほしいところ
片山
やはり国宝となっている本堂と五重塔ですね。
本堂は鎌倉時代の元応3年(1321年)、五重塔は南北朝時代の貞和4年(1348年)に建てられたものです。
どちらも650年以上も前に建てられたもので、非常に古いんですよ。
これはとても貴重でして、だから国宝なんです。
古い五重塔は各地にありますが、明王院の五重塔は全国で5番目に古いもの。
もうひとつ大切なことは、権力者や貴族・武家などではなく民衆が建てた五重塔だということなんです。
明王院の東には、昔「草戸千軒」と呼ばれ繁栄した町がありました。
五重塔が建てられたということは、それだけ草戸千軒の町は栄えたのではないでしょうか。
五重塔を見ると、草戸千軒の繁栄ぶりが想像できて少し感動しませんか。
ちなみに民衆が建てた塔としては、日本最古になります。
観光客から「まるで奈良や京都のお寺」
片山
最近、少しずつ観光で来られるかたも増えてきました。
やっぱり福山の観光地といえば、福山城や鞆の浦です。
明王院は、ちょうど福山城と鞆の浦のあいだに位置していますよね。
でも福山城からそのまま鞆の浦へ行ったり、福山東インターチェンジを降りたらそのまま鞆の浦へ直行したりするかたが多いんですよ。
ただここ数年で、観光ツアーバスが鞆の浦へ行く前に明王院へ寄ることが増えました。
初めて明王院を訪れたかたは、「まるで奈良や京都のお寺のようだ」「福山にこんな趣があって歴史を感じる場所があったとは知らなかった」と驚かれますね。
片山
境内に国宝の建造物が2棟あるのは、大変めずらしいと思います。
しかも広島県内にある7つの国宝のうち、2つがこの明王院にあるんですよ。
お近くのかたも、観光で福山に訪れたかたも、ぜひお気軽に明王院へお参りして、明王院の歴史を直に感じてみてください。
地域の宝・明王院へお参りしてみよう
明王院に参って、五重塔と本堂が並び建つ光景を見ると、美しさと大きさに圧倒されます。
そして、悠久の歴史が感じ取れた気がしました。
住職の話にもあったように、一歩境内に足を踏み入れると、まるで奈良や京都のような古都を思わせる雰囲気です。
さらに境内に国宝が2つもあり、しかも広島県内の7つのうち2つが明王院にあるというのも驚きでした。
五重塔は、民衆がお金を出し合って建てたというのもすごいと思います。
重要文化財も多く、いかに重要な寺だったかも想像できるのではないでしょうか。
中世には草戸千軒の町、江戸時代には水野氏をはじめとする福山藩主にゆかりのある明王院。
ぜひ明王院へ訪れて、長い歴史を感じてみてください。
明王院のデータ
名称 | 明王院 |
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別名 | 中道山 円光寺 明王院 |
宗派 | 真言宗 大覚寺派 |
所在地 | 広島県福山市草戸町1473 |
電話番号 | 084-951-1732 |
駐車場 | あり |
御本尊 | 十一面観音菩薩 |
御利益 | 十種勝利、四種果報など |
御朱印(納経料) | あり(300円) |
拝観時間 | ・参拝:随時 ・寺務所受付:午前8時〜午後5時 |
休観日 | なし |
拝観料 | 境内の拝観料なし ※ 非公開部分の特別公開時は拝観料が必要な場合がある |
拝観料・納経料の納め方 |
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トイレ | 洋式トイレ 和式トイレ |
ホームページ | 明王院を愛する会 |