その土地その土地ごとに、おいしい食材があるものです。
たとえば笠岡干拓のいちご、笠岡諸島 白石島の桑の実、福山市田尻町のあんずなど。
地域の風土に合わせてつくられてきた食材は、とってもおいしい。
そんな地域食材がもつ本来の味を引き出しながら、焼き菓子をつくって販売しているのがpasión(パシオン)です。
売り場には井笠・備後地域の食材を使ったパウンドケーキやスコーンがずらりと並び、まるで博物館のよう。
pasiónは店舗がありません。マルシェや委託販売などで出会えます。
目と舌と心で楽しめる、色とりどりのpasiónの焼き菓子。
その魅力と作り手・山脇 節史(やまわき よしふみ)さんについて紹介します。
記載されている内容は、2021年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
pasión(パシオン)のデータ
名前 | pasión(パシオン) |
---|---|
住所 | |
電話番号 | |
駐車場 | あり 出店するマルシェに準ずる |
営業時間 | 岡山県内・備後地域のマルシェに出店 |
定休日 | |
支払い方法 |
|
ホームページ | pasión(パシオン)WEBサイト |
食材のストーリーもまるごと伝える焼き菓子屋「pasión」
倉敷市阿知で毎週土曜日に開催されているマルシェ「倉敷路地市庭」へ。
2021年6月26日(土)はpasiónも出店。店先には、11種類のパウンドケーキと11種類のスコーン、カラフルなシロップも並んでいました。
商品以外に目を引くのが、地域の食材を紹介するポップやパッケージ。
笠岡諸島 六島の完熟れもんには、
また笠岡干拓の完熟紅ほっぺには、
笠岡干拓では、温暖な気候と長い日照時間が、とても甘酸っぱく味の濃いいちごを育みます
それぞれの食材のストーリーが添えられているのです。
お客さんが前を通り興味深そうな目を向けると、「変わった食材でパウンドケーキなんかをつくってますよ。見ていってくださいね」と山脇さん。
商品はすべて、福山市の工房で山脇さんが手づくりしたもの。
店舗をもたないpasiónは、マルシェでの販売がメイン。週末に開催されることが多いマルシェに向け、金曜日に山脇さんがひとりですべての焼き菓子をつくるのだとか。
また、食材の収穫には山脇さんが赴くことがほとんど。
「桑の実は先月、白石島まで収穫に行きました。毎年、島民のかたの手作業によってキレイに洗浄、選別されていきます。味が抜けないように素早く実を潰さずやるのが難しいんですよ」
こんなふうに山脇さんは食材にまつわる物語を伝えながら、生産者とお客さんをつないでいきます。
地域の食材を使って手づくり 色とりどりのおいしいもの
pasiónのおもな商品である、パウンドケーキ、スコーン、シロップ・しろっぷサイダーを紹介しましょう。
商品は季節や収穫状況などにより変わってきます。紹介するのは2021年6月26日(土)の倉敷路地市庭に出店時のものです。
pasiónのパウンドケーキ
pasiónのパウンドケーキには、以下のような種類がありました。
- 矢掛 山ノ上 干し柿
- 笠岡諸島 白石島 桑の実
- 笠岡諸島 高島 完熟金柑
- 笠岡諸島 六島 完熟れもん
- 笠岡諸島 飛島 完熟甘夏
- 笠岡干拓 完熟紅ほっぺ
- 井原 大江 スパイシーターメリック
- 高梁松原&井原大江 いちばん茶&備中だるまささげ
- 井原 芳井 明治 チョコごんぼう
- 浅口 鴨方 めぐみの夢卵
- 福山 田尻 完熟 あんず
パウンドケーキの価格はマルシェではひとつ200円(税込)。5個購入で100円割引となり、900円(税込)になります。
マルシェ以外は一つ220円(税込)。5個購入での割引はなし。
また、10個購入すると専用ギフトボックスに入れてもらうことも可能。
pasiónのお菓子は人工甘味料、香料、保存料、着色料は使用せず、素材そのままの味と見た目を楽しめます。
パウンドケーキの原材料は、メインとなる食材以外に以下のものを使用。
- 浅口産卵
- よつばバター
- 国産小麦粉
- 国産きび砂糖
- 甜菜(てんさい)グラニュー糖
「笠岡諸島 六島 完熟れもん」と「笠岡諸島 飛島 完熟甘夏」を食べくらべてみました。
レモンと聞くと酸っぱくて少し苦みがあるイメージでしたが、「笠岡諸島 六島 完熟れもん」は甘くて苦みはほぼ感じません。味が濃くて食べながら香りを存分に楽しめます。
「笠岡諸島 飛島 完熟甘夏」はすっきりした甘み。食べくらべると、同じ柑橘系のパウンドケーキでも香りがまったく違い、おもしろかったです。
どちらの食材もしっとりとしたパウンドケーキと相性抜群。
▼濃い紫色が特徴の「笠岡諸島 白石島 桑の実」。
ベリーの香りがふんわり。プチプチとした種の触感が楽しいパウンドケーキです。
桑の実はもっと甘酸っぱいと想像していたのですが、酸っぱさはさほどなく上品な甘さです。
「桑の実ってこんな味なんだ!」と驚きました。
▼「笠岡干拓 完熟紅ほっぺ」は真っ赤ないちごの果肉がごろごろ。見た目にもおいしそう。
食べてみると甘酸っぱくて味が濃く、やっぱりおいしかったです。
いちごのきれいな赤色を出すのがpasiónのこだわり。
生で食べるいちごは水分が多いものが好まれますが、加工には水分が少ない、蜂がうまく受粉させずにごつごつした形になってしまったものが向いています。水分が多すぎるいちごだと、加工すると黒くなりやすいそう。
山脇さんは収穫の際にあえて水分が少ない、ごつごつした形のいちごを選んでいるのです。
pasiónのスコーン
pasiónのスコーンには、以下のような種類がありました。
- 笠岡諸島 白石島 桑の実
- 笠岡諸島 飛島 完熟甘夏
- 笠岡干拓 完熟紅ほっぺ
- 福山 熊野 すだち
- 福山 山野 やまのっ粉
- 福山 山野 やまのっ粉 全粒粉
- 福山 ジンジャーダイヤモンド スパイシーしょうが
- 井原 芳井 明治 チョコごんぼう
- 高梁 松原 炙りZERO番茶
- 高梁 松原&井原 大江 いちばん茶&備中だるまささげ
- 矢掛 美川 バターナッツ
スコーンの価格はマルシェではひとつ150円(税込)。5個購入で50円割引となり、700円(税込)になります。
四角いスコーン。生地自体は甘すぎず、素材の味を生かすのがこだわりです。
見た目が似ているものが多いですが、香りや味が違います。
「福山 熊野 すだち」はさわやかな香りが特徴。酸味がほんのりと甘い生地にマッチしています。
「福山 ジンジャーダイヤモンド スパイシーしょうが」は、さわやかな苦みとスパイシーさが特徴。
ジンジャーシロップなどを製造・販売する「ジンジャーダイヤモンド」が煮出したあとのしょうがを使った、コラボレーション商品です。
「笠岡諸島 白石島 桑の実」はスコーンでも色あいとプチプチ食感が楽しめました。
pasiónの焼き菓子には、しっとり感を出すために九州産の小麦粉を使っていますが、プレーンとして出している「福山 山野 やまのっ粉」では福山市山野でつくられた小麦粉を使用しています。
「耕作放棄地を何とかできないか」、「地域の集まりで楽しみたい」という思いから地域で栽培がスタートした小麦粉です。
小麦の香りがストレートに感じられ、ほかのスコーンよりもほろほろとした食感が楽しめました。
夏にぴったり! シロップとしろっぷサイダー
家でつくるかき氷やサイダー、あたたかい飲み物などにぴったりのシロップもあります。
- 完熟紅ほっぺ(笠岡干拓 岡田農園)
- 柑橘MIX(笠岡諸島の甘夏・れもん・オレンジをブレンド)
- マルベリー(笠岡諸島 白石島の桑の実)
- ヘイワードキウイ(福山 しもみん農場)
- マスカット ベリーA(井原 青野 こもれびファーム)
価格は1本1,000円(税込)~。地域素材と甜菜糖だけでつくるシロップです。
夏季のマルシェではシロップを炭酸水で割った「しろっぷサイダー」(税込400円)も。
取材時は福山市田尻町の完熟あんずを使ったしろっぷサイダーがありました。夏のみの期間限定となる可能性が高いとのこと。
飲んでみると、甘酸っぱさがたまらない、夏にぴったりの味でした。
このように、山脇さんと食材との新たな出会いから、期間限定の商品が並んでいるのもpasiónの魅力です。
食材のストーリーまで伝わる、色とりどりの商品。
バラエティ豊かさに驚かされるとともに、そんな楽しい食材にあふれた地域で暮らしていることに気づきうれしくなります。
pasiónの焼き菓子はどのようにして誕生したのでしょう。山脇 節史(やまわき よしふみ)さんにお話を聞きました。
pasión(パシオン)のデータ
名前 | pasión(パシオン) |
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住所 | |
電話番号 | |
駐車場 | あり 出店するマルシェに準ずる |
営業時間 | 岡山県内・備後地域のマルシェに出店 |
定休日 | |
支払い方法 |
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ホームページ | pasión(パシオン)WEBサイト |
六島には、大事に育てられた一本のれもんの木があります。完熟だからそのままかじっても甘酸っぱくておいしい!