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麺屋 遼太郎 〜 辛いラーメンの「朱○麺」「辛ねぎ麺」が名物。地域にない個性に特化して人気店へ成長

麺屋 遼太郎 〜 辛いラーメンの「朱○麺」「辛ねぎ麺」が名物。地域にない個性に特化して人気店へ成長

食べとこ / 2025.06.06

麺屋 遼太郎の代表・三島 靖司さんへインタビュー

代表の三島 靖司(みしま やすし)さん
代表の三島 靖司(みしま やすし)さん

福山を代表する辛いラーメンが名物の店・麺屋 遼太郎(めんや りょうたろう)。

運営する株式会社 R.R&Kの代表・三島靖司(みしま やすし)さんに、開業の経緯やこだわり、今後の展望・課題などの話を聞きました。

ダイレクトに感謝の声がもらえる飲食店の醍醐味に魅了される

つけ麺(過去の訪問時に撮影)
つけ麺(過去の訪問時に撮影)

飲食業をめざした経緯を教えてほしい。

三島(敬称略)

もともと私は京都市で生まれ育ちました。
飲食業界に進みたかったわけでなく、めざしていたのは建築業界。

高校卒業後に建築関係の学校へ進学しました。

学業のかたわらアルバイトをすることにし、見つけたのがラーメン店。

そこで初めて、自分で作った料理をお客様に食べてもらうという経験をしました。

そして自分の提供したものに対して、お客様からダイレクトに感謝の気持ちがいただけるという、飲食業界の醍醐味を知ったのです。

とてもうれしい体験で、飲食業界は自分に向いていると感じました。

将来は建築業界ではなく、飲食業界に進もうと方針転換を決意。

その後、アルバイトをしていたラーメン店に正社員として入社しました。

その店で働いて約20年ほど経ったとき、妻が実家のある福山に帰郷することになったのです。

私も退職して、一緒に福山に移り住むことにしました。

「ぶち辛ねぎ餃子」は、餃子の上にタップリの刻み青ネギとラー油をかけている(過去の訪問時に撮影)
「ぶち辛ねぎ餃子」は、餃子の上にタップリの刻み青ネギとラー油をかけている(過去の訪問時に撮影)

その後、福山で開業した経緯は?

三島

福山に来てからも、数店のラーメン店で働きました。

その後、独立採算の形でラーメン店の店長をすることになったんです。

その店は開店後、少しずつお客様が増えていきました。
辛いラーメンが看板メニューとなり、とくに辛いもの好きのかたに人気になったんです。

しかし、オーナー側の都合でその店を閉めることになりました。

せっかくここまで店を成長させましたし、私はまだまだ挑戦できることもあると思っていました。

お客様も残念がるかたが多かったです。

そこで思い切って自分で一からラーメン店を始めようと考え、独立に至りました。

開業するラーメン店は、閉店した店と同じく辛いラーメンを看板とする店です。

こうして2013年(平成25年)7月、沖野上町に「麺屋 遼太郎」を開業しました。

福山は競合店でも「地元を盛り上げる仲間意識」が強いと感じた

「チャーハン」も人気がある
「チャーハン」も人気がある

開業時の苦労したことなどがあれば、知りたい。

三島

ラーメン店の勤務歴は長いですが、経営はしたことがありません。
店長を任された最後の店も、裁量は大きかったとはいえ、あくまでも従業員。

資金調達から物件探しまで、ラーメン店開業に関するノウハウがまったくありませんでした。

そこでアドバイスをいただいたり、相談に乗っていただいたりしたのが、近くにあったラーメン店の満麺亭を運営する後藤尚通代表だったのです。

後藤代表は私が前店の店長時代から、いろいろとアドバイスしていただいていました。

本来なら競合店であり、競争相手ですよね。

福山という地域は「競合店はただのライバルではなく、同じ地域を盛り上げる同業の仲間として切磋琢磨していく」と意識が強い土地柄だなと感じ、私も意識が変わりました。

満麺亭・後藤尚通代表の直筆によるロゴ
満麺亭・後藤尚通代表の直筆によるロゴ

店名の由来は?

三島

実は「遼太郎」というのは、息子の名前なんです。

京都時代、一度ラーメン店を辞めようかと思っていたことがありました。

そのときに、息子から「お父さんの作るラーメンが、一番おいしい」といわれ、辞めるのを踏みとどまったことがあります。

息子の言葉がなければ、ラーメン店の開業につながっていなかったので、感謝の意味を込めて店名にしました。

それに息子の名前の店だと、失敗できません。
自分自身に発破をかける意味もありました。

ちなみに店のロゴは、満麺亭・後藤代表の直筆です。

開業にあたって力を貸していただいたので、感謝の意味も込めて、お願いしました。

福山でほかになかった「辛いラーメン」を看板にすえた店に

朱○麺
朱○麺

店長を任された店、新しく開業した「遼太郎」とも辛いラーメンを看板にしたのは、なぜ?

三島

店長を任された店には、いろいろなメニューがあったんです。
しかし「これだ!」という看板メニューが必要だと考えました。

パッとイメージできるラーメンがあると印象に残りやすく、食べに行くときに候補として挙がりやすいからです。

そこでメニューにあった、辛いラーメンを看板にしてみようと考えました。

お客様に辛いラーメンが好きで、それを目当てに来店されるかたが何人かいたからです。

また当時、福山あたりでは辛いラーメンを看板にしていた店が少なかったことも理由でした。

辛いラーメンを看板としてアピールし始めてから、少しずつ辛いもの好きのかたが知り合いの辛いもの好きを連れてくるようになり、口コミで名前が広がっていきました

SNSが盛んになってきた背景もあると思います。

辛さの段階など、お客様の要望を可能な限り取り入れ、ブラッシュアップもしてきましたね。

やがて、おかげさまでたくさんのお客様に並んでいただけるほどに成長できました。

なお、遼太郎の辛いラーメンの「朱○麺」という名前は、店長を任された店の名前の一部に由来しています。

2号店を出店、セントラル・キッチンの設置で業務効率化

チャーシュー飯(過去の訪問時に撮影)
チャーシュー飯(過去の訪問時に撮影)

営業上で工夫している点を教えてほしい。

三島

本当にありがたいことに、大勢のお客様に来ていただけるようになりました。

いっぽうでお客様が多く並ぶことになったため、古参のかたが来店しづらくなったという声が多かったのです。

そこで2号店を出すことで、お客様を分散させることにしました。

ちょうど市内東部の東深津町に良い物件があり、2018年(平成30年)10月に2号店の東深津店をオープン。

また2024年(令和6年)に、セントラル・キッチンを設けました。

2店舗体制でもより効率性を上げつつ、クオリティーを保っていくためです。

セントラル・キッチンでは自家製麺の製造、チャーシューの製造、野菜のカットなどの下準備をおこない、店舗へ配送します。

とくにネギは当店では白ネギ・青ネギに加え、辛ねぎ麺・ねぎ麺用の桃太郞ネギの3種類があります。
しかもメニューによってカット方法もさまざま。

セントラル・キッチンによって、店での作業負担が大幅に軽減されました。

今後の展望

遼太郎:三島靖司 代表

今後の展望や課題を教えてほしい。

三島

セントラル・キッチンを設けて一年。
このまま順調に体制が整えば、3号店にも挑戦してみたいですね。

せっかく福山のみなさまに愛されているラーメンです。

福山以外のかたにも味わってもらいたいなと思っています。

だから、できれば福山市外で出してみたいですね。

福山で人気の辛いラーメンの名店・麺屋 遼太郎

朱○麺とぶち辛ねぎ餃子・ごはんが付く「ぶちセット」(過去の訪問時に撮影)
朱○麺とぶち辛ねぎ餃子・ごはんが付く「ぶちセット」(過去の訪問時に撮影)

福山市でいち早く「辛いラーメン」が名物の店として売り出した、麺屋 遼太郎。

最大で30辛まで対応可能な「朱○麺」や「辛ねぎ麺」は、辛いもの好きにはぜひ食べていただきたいメニューです。

また遼太郎のラーメンは辛いだけでなく。タップリの野菜と、炒めた野菜の香ばしさ、奥深い醤油味のスープなども魅力。

辛いものが得意でないかたも満足できるラーメンです。

ぜひ一度、遼太郎自慢のラーメンを味わってみてください。

麺屋 遼太郎のデータ

遼太郎:外観
名前麺屋 遼太郎
住所広島県福山市沖野上町一丁目5-33
電話番号084-994-2881
駐車場あり
第二駐車場あり
営業時間【日・火曜日以外】
午前11時〜午後3時(ラストオーダー 午後2時30分)、午後6時〜深夜0時(ラストオーダー 午後11時30分)
【日曜日】
午前11時〜午後3時(ラストオーダー 午後2時30分)、午後6時〜午後22時(ラストオーダー 午後9時30分)
定休日
支払い方法
  • 現金
  • PayPay
予約の可否不可
座席全22席
・カウンター席:12脚
・4人がけ座敷:1卓
・6人がけ座敷:1卓
タバコ
トイレ
子育て幼児用食器あり
幼児用イスあり
バリアフリー
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アサノ

個人事業として活動するプロの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。カメラ片手に街を散策、あなたの知らない備後地方を切り取り、備後の奥深さを伝えます!

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遼太郎:朱○麺

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