「せとうちビジネスコンテスト」はソーシャルビジネスプラン、地域を良くするビジネスアイディアやプランを持っている、40歳以下の社会人・学生が応募できるコンテストです。
そのコンテストの募集期間が2022年8月22日(月)まででした。
9月2日(金)には、せとうちビジネスコンテストでプレゼンテーションができる10組が決定。
そして2022年9月25日(日)午前11時から、第1回せとうちビジネスコンテストが開催されました。
どのようなビジネスアイディアが出るのか、どのチームが最優秀賞を獲得するのか、3時間にわたるコンテストのようすをレポートします。
緊張感が伝わる会場で、感動を巻き起こす展開になりました。
記載されている内容は、2022年10月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
第1回せとうちビジネスコンテストは9月25日(日)午前11時からスタート
午前11時から開催される会場 広島県民文化センターふくやま(エストパルク)には、10時45分の段階で出場者や一般観覧者がどんどんと会場に入ってきました。
一般観覧者の数も多く、初開催となるせとうちビジネスコンテストは、注目のなか開催されたのです。
せとうちビジネスコンテスト審査基準と3つのアワード
せとうちビジネスコンテストの審査基準は、以下のとおりです。
- 社会・地域への貢献度 30点
- 実現可能性 30点
- 新規性 革新性 25点
- プレゼンテーションの内容・熱意 15点
これら4つの基準の合計100点で競われます。
せとうちビジネスコンテストでは、プレゼンテーションを行う10組のなかから3組に以下のアワードが贈られます。
- 最優秀賞
- 優秀賞
- 審査員特別賞
8名の審査員が審査基準に基づき審査をし、一番得点が高かったチームには最優秀賞が贈られます。
次点が優秀賞。
審査員特別賞は、審査員の多数決により票数が最多のチームに贈られます。
「せとうちビジネスコンテスト実行委員会」実行委員長の貝原大和(かいはら やまと)さんの挨拶のあと、審査員8名の紹介、審査基準と3つのアワードについての説明がありました。
そのあと審査員を代表して、福山電業株式会社 代表取締役社長/一般社団法人福山青年会議所理事長 島田宗輔(しまだ しゅうすけ)さんの挨拶があり、いよいよ第1回せとうちビジネスコンテストのプレゼンテーションが開始します。
第1回せとうちビジネスコンテストのプレゼンテーションが始まる
第1回せとうちビジネスコンテストでプレゼンテーションの権利を勝ち得た10組は、以下のとおりです。
- Care la Care :コミュニティ創造 事業
- enDress:enDress
- TouR:観光コンサルティング事業「TouR」
- イクトコ:イクトコ(育と子・行くとこ)
- エシカルツーリズム推進協議会:廃棄漁網アップサイクルプロジェクト
- Junior Consumption Activity:わくわくレンジャー☆*。
- SEWN:cHear
- 株式会社kakeruX:ビジョン型就活
- Dシナジー:DX化アウトソーシング事業
- REBORN:REBORN SAUNA
上記は「チーム名:事業名」の順番で並んでいます。
各組とも、プレゼンテーションの時間は7分。質疑応答の時間は4分。合計11分が与えられた時間。
この11分間のなかで、自分たちの考えるビジネスアイディアを伝える最高のパフォーマンスをしなければなりません。
短くも長いプレゼンテーションの始まりです。
前半5組、休憩をはさみ後半5組の発表。
筆者は発表の舞台がすべて見渡せる会場の一番上段からそれぞれのチームの発表を見守りました。
見ている側にも緊張感が伝わるプレゼンテーションです。
前半5組のプレゼンテーションは、医療福祉分野、コミュニティ、環境問題などの課題解決を、後半5組のプレゼンテーションは、教育・経済分野、医療分野、人材育成、人材の活用、地域創生などの課題解決を実現するビジネスアイディアの発表でした。
10組の発表と質疑応答の時間が終わり、審査に入ります。
発表を終えた10チームは、ホッとしつつも緊張の休憩時間になったことでしょう。
せとうちビジネスコンテスト3つのアワード受賞者決定!
ついにドキドキの時間がやってきました。
株式会社Ridilover/一般社団法人リディラバ 代表の安部敏樹(あべ としき)さんが結果発表を行います。
さて、最優秀賞を勝ち取るのはどのチームなのでしょう?
審査員特別賞は「enDress」
最初に審査員特別賞の発表です。
審査員特別賞は、エントリーナンバー2の「enDress」です!
enDressのビジネスプランは、福山デニムに注目したものです。
福山デニムを使ったウエディングドレス「enDress」は、結婚式のときに着るだけではなく、そのあとの家族の成長や環境にあわせリメイクさせて使い続けることができる、まさにエンドレスなウエディングドレスの提案です。
福山デニムの知名度を上げる目的もあるプランでした。
「情熱がすごい!」と審査員に評されたenDress。
enDressの代表は、「参加してみて気づいたことが多くあったので、それを活かしてがんばっていきたい」と話していました。
優秀賞は「Dシナジー」
次に優秀賞の発表です。
優秀賞は、エントリーナンバー9の「Dシナジー」です!
Dシナジーのビジネスプランは、経済的に安定していない若い人たち、そしてお母さんたちが、企業の在り方や働く人たちを変化させる考え方であるDX化(デジタルトランスフォーメーション化)についてのスキルを身につけられる機会と場所を提供し、同時に在宅での仕事を提供するものです。
若い人たちやお母さんたちの経済的自立を目指しています。
「社会性と実現可能性」を評価したとの審査員評。
地域に根ざした事業展開ができており、地域に貢献する可能性が高い部分が好評価となりました。
地域の人材を最大限に活用するアウトソーシング事業のビジネスアイディア。
Dシナジーは、備後とことこでも記事にしているNPO法人どりぃむスイッチのチームです。
「地に足をつけて、良い事業に育てていきたいと思います」とDシナジーのみなさんは話しました。
最優秀賞は「REBORN」
最後に最優秀賞の発表です。
最優秀賞は、エントリーナンバー10の「REBORN」です!
REBORNのビジネスプランの概要は、まだ活用されていない地域の資源を活用し観光客を増やすことで、広島県三次市甲奴町の人口減少問題を解決していくというもの。
地域の人たちといっしょに、甲奴町を盛り上げるビジネスアイディアでした。
最優秀賞をとったREBORNに向けて、「価格設定を考え、利益率を上げ地域にお金を循環させる事業者になっていただきたいと思います」と審査員の安部さんからアドバイスがありました。
受賞したREBORNは
「まずは…驚いて…胸が…いっぱいです…すごい…」
と言ったところで感極まり言葉に詰まります。
会場からは
「がんばれ〜!」
と声援が。
「賞が取れたのは、いろんな人に助けられて、メンターのかたに支えられ、地域のかたなどいろんなかたに助けられて…。これからも地域に貢献しつつがんばりたいと思います。ありがとうございました!」
会場は割れんばかりの拍手が起こり、最後の最後で筆者も思わず目頭が熱くなる感動の展開でした。
最後に一般社団法人ふくやま社中 代表理事 小林史明(こばやし ふみあき)さんが、参加10チームに向けて総評を話します。
「受賞したみなさん、受賞しなかったみなさんもメンターのかたに感謝を伝えていたのがとても素敵だなと思いました」
「バックヤードの審査席では、審査時にかなり白熱した議論が出たのですが、どれもすばらしいプランだったと思います」
などの感想と、第1回せとうちビジネスコンテストの場に立ち会ったすべての人に感謝を伝えていました。
第1回だけではなく、第2回も多くのビジネスアイディアを持った人が参加をし、地域を盛り上げてもらいたい、そのような人を育てたいという思いが伝わりました。
おわりに
全10チームのプレゼンテーションを見て聞いた筆者は、素直に「おもしろかった!」と感じました。
受賞したチーム、そして惜しくも受賞にならなかったチーム、どのチームのプレゼンテーションも魅力的なビジネスアイディアです。
とくに学生チームが4つも入っていたのには驚くとともに、希望を持ちました。
福山市や瀬戸内地域の問題解決に取り組むビジネスプランを真剣に考えている若い人たちがいる、そして、すでに現場で働いている人たちも地域の問題解決に取り組もうとしている、そのプランがぶつかる場に立ち会えたことは貴重な体験だったと思います。
休憩時間、あるメンターのかたと会話をするなかで、印象的な部分がありました。
「みんな、すばらしいですよね。でもね、メンターをしている僕たちも刺激を受けているんです。がんばらないと、という気持ちになるんです」
10組のチームは、刺激を受けてさらに強力になったメンターとつながり、今後も交流を続けるはず。
そして交流の輪はさらに広がり、多くの人たちに刺激を与え続けるでしょう。
10組のチームには、今回のビジネスアイディアをさらにブラッシュアップし、事業の実現を成し遂げることを期待しています。
第1回せとうちビジネスコンテストのデータ
名前 | 第1回せとうちビジネスコンテスト |
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期日 | せとうちビジネスコンテスト開催日時:2022年9月25日(日) 午前11時から午後2時 |
場所 | エストパルク (広島県民文化センターふくやま) 広島県福山市東桜町1-21 |
参加費用(税込) | |
ホームページ | せとうちビジネスコンテスト |