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太進館の代表・浜上 京大さんへのインタビュー
走島の美しい海とおいしい海の幸を堪能できる太進館。
代表の浜上京大(はまがみ きょうた)さんに開業の経緯や家業を継いだ理由、店のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。
生まれ育った走島という財産を未来に残していきたい
開業の経緯を知りたい。
浜上(敬称略)
元々、うちは代々漁師をやっています。
祖母が小売店をはじめ、その後に民宿へ変わりました。
約50年前のことですね。
そして、私の両親と私へと運営が受け継がれています。
漁は父がおもにやっていて、ときどき私も漁をやることがありますね。
民宿を継いだのは、自然な流れだった?
浜上
いいえ。最初は、まったく継ぐ気はありませんでしたね。
走島の小・中学校を卒業したら、福山市街地の高校へ進学し、島を出て一人暮らしをしていました。
大学を経て社会に出てもサラリーマンとして働いていて、家業には興味がなかったんです。
転機は、福山市街地の活性化を目指す「リノベーションスクール」に関わったこと。
ただし参加者としてではなく、業者側として関わりました。
スクールに参加しているかたがたと話をする機会があり、参加者のかたがたの考えに触発されたんです。
みなさん地元を盛り上げたい、未来に残していきたいという思いが強いんですね。
私自身も、生まれ育った走島という財産を未来に残していきたいなと思うようになりました。
それで会社を退職し、実家の民宿をやることにしたんです。
太進館では「御馳”走”(ごちそう)の島・走島」をコンセプトとして掲げています。
江戸時代初めごろに福山藩主・水野氏が、常石(現 福山市沼隈町)の村上氏に「御馳走料」として走島の開発と統治の権利を与えました。
このときの御馳走料とは、褒美(ほうび)ということです。
以来、走島は現代まで漁業や水産業を中心に栄えました。
最盛期だった昭和時代には、広島県内最大の漁獲量を誇っていたんですよ。
歴史の面でも、産業の面でも走島は「御馳走の島」なんです。
この御馳走の島・走島を多くの人に知ってもらい、残していきたいと思っています。
福山駅・鞆の浦・走島とつながるストーリーをつくる
浜上さんが太進館の運営に携わるようになって、新しく始めたり変えたりしたことはある?
浜上
ひとつは、福山駅前・伏見町のシェアキッチン「リトル セトウチ」に週一で海鮮料理店「木よう漁師の日 Umi+(ウミト)」を出すようにしたこと。
ほかに伏見町の「ウォータリング・ホール (WATERING HOLE)」に、マリン用品専門店「マリンショップ 〜UMI+〜(ウミト)」を出したことですね(2021年10月1日開業)。
あとは、クリーン活動を始めました。
鞆の浦から尾道などのグループでおこなっています。
福山駅前に店を出した理由は?
浜上
点と点を結びたかったからです。
走島なり福山中心部なりを目的に訪れた人が、走島なら走島、福山中心部なら中心部だけで完結してしまっているという現状があります。
ただ福山市全体で考えたとき、それだと地域全体の活性化につながらない。
地域としての魅力や楽しみかたが、伝えきれないと思ったんです。
だから、まず新幹線が停車する福山の玄関口である福山駅前に、太進館の「点」を打ちました。
そして鞆の浦にも「点」を打ち、福山駅→鞆の浦→走島と点をつないでいき、福山駅から走島へ至る「ストーリー」をつくっていきたいなと。
鞆の浦への「点」も、近々つくる予定です。
目の前の海で捕れた四季折々の海鮮が自慢
太進館の特徴やこだわりは?
浜上
目の前の海で捕れた魚介を使った料理ですね!
うちは基本的にその日に自分たちが捕ったものしか出さないのが、最大のこだわり。
走島の漁師の店だからこそできる、鮮度抜群の海鮮が自慢です!
もちろん、時季によっても捕れる魚介は変わります。
四季それぞれの海鮮が楽しめるのもポイントですね。
四季それぞれのおすすめの海鮮を教えてほしい。まず、春・夏は?
浜上
春はカワハギやウマヅラハギがおすすめです。
とくに刺身にすると、おいしいですね。
あとはアコウ(キジハタ)など。
夏のおすすめは、サザエに岩牡蠣(イワガキ)です。
真牡蠣(マガキ)の旬が冬なので、牡蠣といえば冬の印象があるかもしれませんが、岩牡蠣は夏が旬になります。
あとはキス。
海岸でキスを自分で釣って、それを焼いて食べると最高ですよ。
また加工品になるのですが、ちりめんじゃこ、釜揚げシラスも夏場が旬です。
ちりめんじゃこ、釜揚げシラスは走島の特産品。
地元の名物を楽しんでください。
料理やバーベキューに、ちりめんじゃこや釜揚げシラスをお出しします。
ごはんのお供にしてもいいですし、バーベキューの焼そばに混ぜてもおいしいです。
アヒージョもおすすめですね。
では、秋・冬は。
浜上
秋は、定置網が始まるシーズンです。
サワラやカワハギなどいろいろな魚介が捕れるようになります。
とくに一番の目玉は、ワタリガニです。
冬はもっともたくさんの種類の魚介が楽しめる時季。
サワラやタコ、アコウなどがおいしいですね。
あとはワタリガニのメス。
秋はオスが楽しめますが、冬は内子の入ったメスがおいしいです。
また走島は海苔の養殖が盛んな土地。
海苔養殖の旬を迎えるのが冬なんです。
地元産の海苔をぜひ食べてほしいですね。
走島の海苔養殖は、地場産業として長い歴史があります。
お土産にも最適です。
日帰りでも気楽に利用できる太進館
太進館のサービスで人気なのは?
浜上
温かい時季は、バーベキューのご利用が多いです。
でも好きなかたは、年中バーベキューを楽しみますね。
春・秋などの過ごしやすい時季は、ご家族やお友達グループで釣りを楽しむお客様も多いです。
また、食事のみのご利用のかたも多いですね。
日帰りでランチのみ、ディナーのみもできます。
冬場にはご年配のかたを中心に、団体での忘年会・新年会でのご利用も多いです。
ご利用のお客様は9割くらいが、福山市と近接地域ですね。
福山と海上で隣接している地域、つまり香川県東部や愛媛県西部から船で訪れるお客様もいるんですよ。
ときどき、東京や大阪などの遠方からのお客様が来ることがあります。
島と島をつなぎ、島同士の連携を
今後やってみたいことや展望などがあれば、教えてほしい。
浜上
やりたいことは「島と島をつなぐ」こと。
笠岡諸島や芸予諸島などと連携をしていきたいんです。
今、本州側から島という動きなんですね。
それだけではなく、島から島への動きを活発にしていきたいと思っています。
島をハシゴしていく感じですね。
瀬戸内海の島々が連携すれば、大きな魅力が生まれるのではないでしょうか。
太進館で走島の自然と海の幸の魅力を満喫しよう
福山市で唯一の有人離島である走島。
そんな走島の海と海の幸、自然と食を満喫できるのが太進館の魅力です。
マリンスポーツなどのアクティビティーを楽しみ、漁師の運営ならではの捕れたてで新鮮な魚介を味わって、身も心もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
太進館の船による送迎もダイナミックで心地よく、爽快なのでおすすめです。
民宿 太進館のデータ
名前 | 民宿 太進館 |
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所在地 | 広島県福山市走島町431 |
電話番号 | 080-1926-5460 |
チェックイン | 指定なし (予約時に希望の時間を伝える) |
チェックアウト | 指定なし (予約時に希望の時間を伝える) |
支払い方法 |
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施設情報 | 【部屋】 全3室 風呂・トイレ共用 館内禁煙 【宿泊料金】 ・大人 (中学生以上):11,000円/1人~ ・子供 (中学生未満):5,500円/1人~ ・幼児 (小学生以下):2,000円/1人~ |
お風呂 | あり(共用) |
Wi-Fi | なし |
駐車場 | あり 駐車場の詳細については、事前に問い合わせのこと |
ホームページ | 民宿 太進館 公式Instagram |