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芦活部の代表・大土井誉人さんへインタビュー
芦田川の利活用促進の活動を、積極的に展開する芦活部。
代表の大土井誉人(おおどい もとひと)さんに発足の経緯や目的、活動内容、今後の展望などの話を聞きました。
福山に楽しめる場所を増やすために芦田川の利活用を促進
まず、芦活部とはどんな団体なのか。
大土井(敬称略)
芦活部は、芦田川および河川敷を有効活用する活動や、利用促進する活動をしている市民団体です。
芦田川を清掃する団体だと勘違いされることもありますが、決して清掃を目的とする団体ではありません。
あくまでも清掃は、有効活用・利用促進の活動の一部です。
毎月清掃活動しているので、清掃が一番目に留まりやすいからかもしれませんが……。
芦活部が設立された経緯を知りたい。
大土井
芦活部を設立したのは、現在衆議院議員として活動している小林 史明(こばやし ふみあき)です。
彼がまだ政治の道に進む前、2012年の春ごろに活動を始めました。
きっかけは国土交通省による住民・行政・国の三者が一体となった取り組みとして、地域発展のための一級河川の活用を促進する「かわまちづくり支援制度」の施行が決定したことです。
この制度をうまく活用をすれば芦田川、そして福山をより良くできると考えた小林は、知人に声をかけて賛同者・協力者を募りました。
結果、20数人の協力者が集まったのです。
これが、現在の芦活部の母体となりました。
なおその後、小林は衆議院議員となったため顧問という立場となって活動の前面からは退き、以降はほかの者を中心に活動をしています。
とはいえ、いまも可能な範囲で小林も活動に参加しています。
なぜ芦田川の活用と福山の活性化が結びついたのか。
大土井
福山は人口約46万人の中核市で、玄関口であるJR福山駅には新幹線の「のぞみ」も1時間に1本程度停車し、地方としては大きな街です。
しかしながら福山市民自身は、福山自体の魅力をあまり知らず、福山への愛も少ないように私たちは感じています。
福山に住む児童らにも、いまいち福山の良さが伝わっていないのではないでしょうか。
そのひとつの要因として、福山市内に娯楽(エンターテインメント)などを楽しめる場所が少ないことがあると思いました。
それじゃあ、自分たちで三世代・四世代が楽しめる場所をつくっていけばいいじゃないかと考えたんです。
そのときに活用できると思ったのが、芦田川とその河川敷。
芦田川は、福山市のシンボルのひとつといえます。
しかし、あまり芦田川を有効に利用しているとはいえない状況でした。
そこで芦田川と河川敷を有効活用し、幅広い世代の市民が楽しく過ごせる場所にしていこうという目標が生まれ、芦活部が発足したのです。
そして「かわまちづくり支援制度」をうまく活用することで、芦田川の有効活用をさらに促進できるのではないかと考えました。
自分たちが楽しむ姿を見た人に芦田川の利活用を知ってもらう
初期の芦活部は、どんな活動をしていたのか。
大土井
最初の大きな活動が、いまも「R-18 大人のための大人による大運動会」として続いている運動会でした。
場所は現在の開催地より少し上流にある、草戸大橋東詰周辺の河川敷広場です。
ほかにおこなったのが、バーベキュー大会。
場所は、芦田川大橋東詰の下の河川敷です。
実は河川敷の橋の下部分は、国土交通省に許可を得ればバーベキューができるんです。
これを知っている人は、すごく少ないと思います。
運動会やバーベキュー大会の開催は、自分たちが楽しむのはもちろんですが、楽しむ姿を見た人が「河川敷ではこんなことができるんだ」と利活用方法を知ってもらうことが一番の狙いでした。
そのほかに芦活部が力を入れてきたことが、芦田川の利活用について行政への提案です。
行政への訴えにより実現した「芦田川かわまち広場」
芦田川の利活用について行政へ提案したもので、具体的にはどんなものがあるのか。
大土井
芦田川の利活用に関する行政への提案で、もっとも大きな成果といえるのが「芦田川かわまち広場」の整備です。
2019年(令和元年)に福山競馬場跡地に、市営体育館を中心とした運動公園「エフピコアリーナふくやま」が整備されました。
同公園は芦田川の土手沿いにあり、公園に隣接する河川敷に、公園と合わせて整備された親水広場が芦田川かわまち広場です。
しかしエフピコアリーナが計画された時点では、かわまち広場の整備はまったく予定されていませんでした。
芦田川に隣接する場所に大規模な公園が整備されるのですから、河川敷も活用した施設の整備も合わせて考えてほしいと、私たちは行政へ提案したんです。
最初はほぼ反応がありませんでしたが、私たち芦活部が活動を続けていくことで、少しずつですが行政にも芦活部の活動について知られるようになったようで、そのうち福山市側から意見交換会を開くので参加してほしいという要請が来たのです。
意見交換会は福山市、国土交通省、芦活部などの市民団体の三者で数回開かれました。
そのあとに福山市が主体となった「芦田川利活用推進委員会」が発足し、そこへ芦活部も参加することに。
この参加要請も、芦活部がずっと活動を続けていたことが大きな要因と思います。
そして福山市もエフピコアリーナの整備に合わせて、かわまち広場の整備が動き始めました。
このかわまち広場は、芦活部が発足するきっかけとなった国土交通省の「かわまちづくり支援制度」を活用したものです。
かわまち広場に必要な設備も提案
かわまち広場の整備で、詳細な部分にも提案をしたのか。
大土井
はい。かわまち広場の整備だけでなく、広場内にどんな設備が必要なのかも提案しました。
実現した提案として、まずペデストリアン・デッキがあります。
かわまち広場がある河川敷とエフピコアリーナのあいだの土手には、比較的交通量の多い道路が走っています。
そのため渡るのは危険ですし、せっかく整備するのですからかわまち広場とエフピコアリーナの一体感を高めたいと考えました。
それが広場と体育館を、通路でつなぐことだったのです。
またかわまち広場には、スケートボードパークがあります。
これも芦活部が提案したものです。
福山駅前や公園などでスケートボードの練習をする若者がおり、問題となっていました。
これは、適切な練習場所がないことから発生した問題です。
河川敷であれば思いっきりスケートボードができますので、スケートボードパークの提案をしました。
さらにかわまち広場には、バーベキュー広場がありますが、これも芦活部の提案。
私たちが実際に河川敷でバーベキューを楽しんでいた経験から、より気軽にバーベキューが楽しめる施設があればいいなと思ったからです。
芦活部の活動をさらに上流へ拡大したい
今後に力を入れていきたいことや、課題などを教えてほしい。
大土井
芦活部の活動を、芦田川の上流に位置する府中市などと連携しておこなえたらと思っています。
芦田川の河口から府中市街地あたりまで、約20km。
河口から府中市街地まで、河川敷を往復するマラソン大会などの連携したイベントや活動ができたらと考えています。
河口から上流まで、芦田川流域が一体となって利活用促進の活動をしていきたいです。
また、かわまち広場に管理棟を設けるように行政へ訴えていきたいと思っています。
管理棟があってスタッフがいれば、機材の貸し出しなどもできるようになりますよね。
そうすれば、さらに利用しやすくなると思うんです。
課題としては、団体運営の財源。
利益を出して儲けようというわけではありませんが、もう少し財源に余裕があれば必要なものをそろえたり、やりたいアイデアを実行しやすくなったりできます。
あとは、ある程度固定された参加メンバーもいるのですが、それ以外のメンバーをもう少し増やしたいですね。
緩い参加で構いません。
ときどき参加する程度でいいので、長く参加してもらえるようなメンバーを増やしたいですね。
ぜひお気軽に、芦活部へご参加ください!
地元のシンボル・芦田川をもっと身近な存在へ!
大土井代表は「住民が動き、粘り強く活動を続けていけば、行政を動かし街を変えていけるんです! 芦活部の活動を通じて、多くの人にその大切さを知ってもらいたいです」と語ります。
実際に「芦田川かわまち広場」をはじめ、活動を通じてさまざまなことを実現してきた芦活部。
いっしょに、芦田川の活用を通じて街を盛り上げてみませんか。
芦活部への加入は、各種SNS(Instagram・Facebook・X)やFacebookページに記載のメールアドレスから申込できます。
芦活部のデータ
団体名 | 芦活部 |
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業種 | 市民団体 |
代表者名 | 大土井 誉人 |
設立年 | 2012年 |
住所 | 広島県福山市西新涯町二丁目23-34(小林史明事務所内) |
電話番号 | 非公開 |
営業時間 | |
休業日 | |
ホームページ | 芦活部 |