atelier fika(アトリエフィーカ)~ 向島の彫金教室で日常に「コーヒーブレイク」を

作品の一部

スウェーデンには、1日に数回「甘いものとコーヒーで休憩を取る」習慣があり、「fika(フィーカ)」と呼ぶそうです。

知人から「毎月1回、教室で彫金をする時間が癒やしなの」と聞いた筆者は興味津々。「なにそれ、やってみたい!」と友人を誘い、体験に行ってきました。
尾道市向東町にある彫金教室「atelier fika(アトリエフィーカ)」は、日常でホッと一息つける、まさにfikaな場所でした。

指輪づくりに挑戦したようすをお伝えします。

記載されている内容は、2025年10月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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デザインを決めて材料を切り出す

アトリエフィーカ内観

アトリエがあるのは住宅街の一角です。チャイムを鳴らすと、講師の前田和子(まえだ かずこ)さんがにこやかに出迎えてくれました。
中に足を踏み入れた私たちの目に飛び込んだのは、ワクワクする道具と作品の数々でした。

彫金のための様々な道具
壁一面の道具
アトリエフィーカ

「こんな作品が作れるんですね」
「いろいろできますよ。ここにあるのはほとんど生徒さんの作品。今日はどんなものを作りたいですか?」

筆者が作りたいと思っていたのは、フリーサイズの指輪です。前日に調べておいたデザインを先生に見せると、「うん、いいですね。ステキなのができますよ」と言われました。

友人も指輪を作りたいと思っていました。アトリエに並ぶ作品を見て「こういう感じの指輪にしたいです」と伝え、「刻印は入れますか?」「入れます」と話しながら大まかなデザインを決めていきます。

次にするのは、材料を切り出すことです。

リングゲージを使って、指輪の号数を決める
リングゲージを使って、指輪の号数を決める
隙間の間隔や金属の厚みなどを測るためのスライディングゲージ
隙間の間隔や金属の厚みなどを測るためのスライディングゲージ

指のサイズを確認し、必要な材料の長さを計算しました。

針金でおおまかな形を作る

筆者の作りたいデザインに必要な長さを割り出すため、まず細い針金で大まかな形を作りました。そして、その針金に合わせて材料を切り出します。
材料に使うのは、針金状やテープ状の銀です。

糸ノコで材料を切る

糸ノコを使って材料を切っていきます。最初にノコを入れるときには緊張しましたが、入れてみるとおもしろいようにスイスイ切れました。

表面を加工する

次は、材料の表面に加工を施していきます。
鎚目(つちめ)はつけますか?キラキラして手作りっぽい感じが出ますよ」
「わぁ!こういうの大好きです!」

槌目のついた作品
鎚目のついた作品

全体をハンマーで叩き、鎚目を入れていきます。

槌目をつける

友人は、ザラザラした感じが出るハンマーを使って全体を叩きます。

先生にお手本を見せてもらう(撮影:まついみゆき)
先生にお手本を見せてもらう(撮影:まついみゆき)

筆者はキラキラ感が出るハンマーを使うことにしました。ハンマーを使い分けることで、いろいろな表情が出せるのです。

刻印
刻印がついた状態

続いて、友人は刻印に挑戦。入れたい場所にスタンプを押し当て、ハンマーで叩くとくっきりと文字が入りました。

金属を曲げて指輪の形にする

ここから指輪の形を作っていきます。

金属を曲げやすくするために、バーナーで加熱した後、水に入れて急冷する工程が「焼きなまし」です。

焼きなまし

ここからぐいっと大きく曲げ、形を作りました。きれいなカーブが出るように、型に当てて叩き、調整していきます。

針金を曲げていく

続いて、地金よりも低温で溶ける金属を使って接合する「ロウ付け」で端を閉じて環にします。接着剤になるのは「銀ロウ」と呼ばれる金属です。

銀ロウを必要なだけカットし、接着したい部分にフラックスという酸化防止剤をつけた上にちょこんとのせる
銀ロウを必要なだけカットし、接着したい部分にフラックスという酸化防止剤をつけた上にちょこんとのせる
銀ロウは地金より低い700℃くらいで溶け、金属の隙間を埋める(撮影:まついみゆき)
銀ロウは地金より低い600~800℃くらいで溶け、金属の隙間を埋める。場合によって5種類の銀ロウを使い分ける(撮影:まついみゆき)
環状になった
環状になった

接着後は接着部分を磨いて凸凹を滑らかにし、再び全体の形を整えます。

ヤスリかけ

友人は切断面にヤスリをかけ、滑らかにしていきました。
さあ、ここからいよいよ指輪の形に仕上げます。

叩いて丸みをつけていく

型に当てながら、トントンと叩くと徐々に丸みがついていきます。

サイズに合わせて丸めていく(撮影:まついみゆき)
サイズに合わせて丸めていく(撮影:まついみゆき)

号数に合わせて大きさを調整しながら、叩いていくにつれ、指輪の形ができてきました。先生が微調整をしてくれるので、安心してトントン叩きます。

指輪になった

指輪になりました!

ヤスリかけ

さらにヤスリをかけたり、全体を磨いたりして指輪らしくしていきます。

磨くとピカピカに!
磨くとピカピカに!
さらに磨いてピカピカに
さらに磨いてピカピカに
できました!
できました!

「刻印のところだけ、黒くするのもいいですよ」
先生の提案で、もうひと工程。

いぶし液をつける

「いぶし液」をつけて黒くしたあと、さらに磨いていくと一段とカッコよさが増しました。

世界にひとつだけの指輪が完成
世界にひとつだけの指輪が完成

日常を離れて夢中で作業した約3時間。毎月通っていると言った知人の気持ちがわかった気がしました。

講師の前田さんは、どのようにして彫金に巡り合ったのでしょうか。話を聞きました。

atelier fika(アトリエフィーカ)のデータ

アトリエフィーカ
名前atelier fika(アトリエフィーカ)
所在地尾道市向東町3238
電話番号090-6346-7683
駐車場あり
2台まで
営業時間午前10時から/午後1時30分から
定休日不定休
各曜日 月1~2回ずつ営業
利用料(税込)体験料    4,400円(税込 地金代別途)
2回目以降単発 3,000円
月1教室    2,500円
支払い方法
  • 現金
  • PayPay
予約の可否
要予約(1名から3名まで)
InstagramのDMより、氏名・人数・希望日時第3希望まで・連絡先を明記して予約
トイレ
子育て
バリアフリー
ホームページatelier fika ちいさな金工室

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