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Herbal Style(ハーバルスタイル)〜 植物の力で地域を活性化!ハーブを取り入れた心地良い生きかた

Herbal Style(ハーバルスタイル)〜 植物の力で地域を活性化!ハーブを取り入れた心地良い生きかた

伝えとこ / 2025.06.16

代表 宮澤知子さんにインタビュー

店舗を背に立つ宮澤さん

会社が大きくなるよりも、それぞれの地域で6次産業が増えてほしい」と語ってくれたのは、Herbal Style代表の宮澤知子(みやざわ ともこ)さんです。

ハーブへの想いや地域活性化への取り組みについて、お話を聞きました。

ハーブとの出会い

何がきっかけでハーブ事業を始めたのですか?

宮澤(敬称略)

きっかけは子どもの病気です。まだ子どもが幼かったころ、チアノーゼが出るくらいアレルギーや喘息がひどかったんです。

投薬などの対症療法で症状を抑えるなか、慢性的な疾患は完治が難しいことを知りました。

そこで、もしかしたら毎日の生活習慣が病気を生むんじゃないかと考えたんです。とくに食事やストレスの影響は大きいと思って。

元気よく育つハーブ

食事や生活環境について勉強していくなかで、ストレスを癒すにはアロマやハーブが良いと知りました。

「アロマやハーブなんて気取っている」と思う人もいるかもしれません。ただ、ヨーロッパなどではハーブが薬として人々の心と体を癒してきた歴史があります。

じつは日本でも、ハーブは昔から身近にあるものなんですよ。ヨモギやドクダミ、ショウガなどもハーブの一種です。

昔からの自然の力を借りれば、子どもの体調も良くなるんじゃないかと考えたんです。

店内には学びを深めるための書籍が並ぶ
店内には学びを深めるための書籍が並ぶ

我が家の場合、重症だったアトピーは半年で収まり、病院も薬も手放せました。

もちろん、生活を180度変えたので、アロマやハーブだけの力ではないのかもしれません。ただ、このときに学んだ知識がこの仕事を始めるきっかけになりました。

それから20年以上、ハーブとともに働いています。

つながりに支えられながら成長していく

スタッフに話しかける宮澤さん

なぜ6次産業を始めたのですか?

宮澤

6次産業は、もともと1次生産者を支えるために始めたことなんです。

福山市の市花であるバラは現在、農家の数が少なくなってきているんです。そのうえ、どこも販路に困っていて。
私たちにも何かできることがないかと考えていました。

私たちには幸い、アロマやハーブの知識があります。

スタッフ全員がハーバリストやセラピストの資格を持っているので、その知識を使って商品開発や販路開拓をすれば必要な人に届けられると思ったんです。

現在は、自社農園で育てたハーブに農家さんが育ててくれたバラや柑橘類をくみあわせて、商品を開発しています。

ローズハーブティーには大きなバラの花びらが踊る
ローズハーブティーには大きなバラの花びらが踊る

全国に取引先があると聞きました。販路はどうやって開拓したのですか?

宮澤

経済産業局のビジネスコンテストでの受賞が、知名度と信頼のアップにつながったのだと思います。

コロナ禍で運営しているサロンが休業し、使い切れないハーブがたくさん出てしまっていたんです。廃棄するのももったいないのでみんなでジャムを作ったり、ホウキを作ったりといった体験会をするようになりました。

知人からの助言で、畑のハーブで製品を作るこの取り組みをコンテストに提出したんです。

その結果、全国からコーディアルやFuku香のお問い合わせをいただけるまでになりました。

植物のあふれる店内
植物のあふれる店内

ビジネスコンテストに採用されることで、ほかに変化はありましたか?

宮澤

プロフェッショナルからのサポートとして、福山大学のスマートシステム学科を紹介いただきました。

現在は、温度や湿度の管理や水の自動散布を、IoT(あらゆるものをインターネットに接続する技術)で検証しています。

スマートシステム学科が設置した機材

次はビニールハウスを作って温度や湿度を管理できるようにしたいとか、井戸水を引き上げて使いたいとか。いろいろなところで協力いただいていますね。

本当に、人とのつながりに助けてもらっています

ハーブで地域活性化

近隣の人に畑を手伝ってもらっていると聞きました。評判はどうですか?

宮澤

ありがたいことに、多くの人に受け入れてもらっています。

「うちの土地も余っているから使っていいよ」と声をかけてくれたり、「うちの畑でもハーブを育ててみたい!」と育てかたを聞きに来てくれたりなどですね。

やりかたなら私たちで教えられるので、それぞれに新しく畑を立ち上げてもらうこともあります

ハーブ畑の入口

利益にならない量しか収穫できなかったら、Herbal Styleで買い取りますし、量ができたならキッチンカーでのドリンク販売などを提案します。知識をすべて渡す感じですね。

地域でハーブ作りをしているんですね。

宮澤

カフェは地域交流の場にもなっているんですよ。畑を手伝ってくれている人も、そうでない人も月一回、誘いあわせてお茶を飲みに来てくれています。

ハーブティーはローズとシトラスの2種類
ハーブティーはローズとシトラスの2種類

現在、店舗周辺には20世帯くらいしか住んでいないので、密度の濃いつきあいをさせてもらっています。
私が大変だといったら、「じゃあグループを作って手伝うよ」という感じで助けてもらうことも多いんです。

本当にいつも支えてもらっています。

畑の野生動物対策にもハーブが役立っていると聞きました。

宮澤

お店のある場所周辺は、イノシシなどの野生動物による農作物の被害が非常に多かったんです。動物避けにはハーブが良いと聞いて植えてみたところ、まったく現れなくなりました。

定植前のハーブたち

垣根にペパーミントとローズマリーを植えると、畑まで来なくなったんです。香りが苦手なのかもしれませんね。

農作物の被害が多いというご近所さんにもミントやローズマリーをおすそ分けしたところ、このあたりではイノシシを見かけなくなりました。これも、ハーブの力だと思っています。

目標はモデルケースになること

Herbal Styleを運営するうえで気をつけていることを教えてください。

宮澤

誰かひとりだけが得をする体制を作らないことです。困ったときはみんなで協力しあうようにしています。

人と人との間でもそうですが、人と自然の間でも同じです。地球に生かしてもらっているという意識で働いています。

鮮やかなヤグルマギク

正直にいえば、農業はお金になりにくいものです。
ただ、お金のために働くのか、自分の人生のために働くのかという部分は大切にしています。

人とのつながりを大事にしながら、意見を柔軟に聞き入れることで、これからも少しずつ仲間が増えていけばいいなと思います。

みんながそれぞれの生きかたに不安を覚えず、自分なりの人生を鮮やかにデザインできる環境を整えていきたいですね。

Herbal Styleが目指す姿を教えてください。

宮澤

Herbal Styleが6次産業をするうえでのモデルケースになればいいと思っています。

商品を手に取るだけでなく、「こういった事業があるんだ。こういう方法があるんだ」ということを6次産業をしている人たちに知ってほしいです。

ローズマリー石鹸

私が事業を始めたばかりのころはアロマの知名度は低く、よく「アロマなんて仕事になるの?」といわれました。
それでも20年、何とか形になっているので、6次産業を続けていくことも不可能ではないと考えています。

全国規模ではなくても、それぞれの地域でその地域にあったモデルケースが増えていけばうれしいですね。

そのなかで、私たちの活動が励みになればいいな、と思っています。

ハーブを使って生活を鮮やかに

Herbal Styleは、生活のなかに香りや自然を取り入れたライフスタイルを提案しています。

地球から恩恵を受けていることを忘れず、自然に寄り添った生活をしていると意識の内側からポジティブに変わっていくそうです。

何かとストレスを抱えがちな人の多い現代。たまにはやさしいハーブの香りに身をゆだねてみてはいかがでしょうか。

慌ただしい日々を忘れ、爽やかな香りにリラックスできることでしょう。

株式会社 Herbal Styleのデータ

Harbal Style外観
団体名株式会社 Herbal Style
業種アロマ事業・6次産業化事業・人材育成
代表者名宮澤 知子
設立年2023年1月
住所広島県福山市沼隈町下山南825
電話番号084-988-0956
営業時間公式Instagramを確認してください。
https://www.instagram.com/herbal___style/
休業日不定休
公式Instagramを確認してください。
https://www.instagram.com/herbal___style/
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香村みゆき

香村みゆき

フリーライター。福山うまれ福山そだちの箱入り市民。趣味はひなたぼっこと読書で、好きなお米はササニシキ。地元民ならではの備後の魅力を発信していきます。

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