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ルオントの代表・桐島 大陽さんへインタビュー
おいしい自社栽培野菜がタップリと楽しめ、こだわりのナチュラルワインやイタリア伝統料理などの魅力がたくさんのルオント(LUÔNTO)。
代表・桐島 大陽 (きりしま だいすけ)さんへインタビューし、開業の経緯や店のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。
地域再生の事業としての農園がはじまり
桐島(敬称略)
ルオントをオープンしたのは、2012年(平成24年)10月でした。
実はルオントのオープンより前に、農業法人としてスタートしたんです。
会社の名前は「H2Oファーム はっとりほたるの里 株式会社」といいます。
創業したのは私の父。
父はずっと福山で飲食店を経営してきました。
しかし、故郷である福山市北部の服部地区の地域再生事業をしたいという思いがあったんです。
それは、服部地区は過疎化が進んでいるため。
ですがこの服部という田舎は水はきれいだし、土壌はいい。
古き良きものを残したい……。
そこで思い切って飲食事業をほかのかたに譲り、父は服部の地域再生事業を始めました。
自分の土地の耕作放棄地(こうさく ほうきち)を開墾(かいこん)し、そこで無添加で無農薬の野菜などを栽培する農業事業です。
でも開墾・整地から始めなければなりません。
また、野菜を育てて軌道に乗せるのも大変です。
農業事業をうまく回すまでには時間がかかるので、農業事業と並行していろいろな事業をしていきました。
そのひとつとして、かつてやっていた飲食店を運営することになったんです。
その飲食店は、将来的に自分の畑で栽培した野菜を使うという構想がありました。
だから、店のコンセプトは「野菜にこだわった料理が食べられる店」。
そして父はその飲食店の運営を、オープン前から私に任したんです。
別事業として飲食店を開始。いきなり飲食店運営を任されて……
桐島
いいえ! 料理・飲食店の経験はほぼありません(笑)。
飲食店でちょっとアルバイトしたことがあるくらいで……。
当時、私は東京でまったく畑違いの仕事をしていました。
ですから、突然父に「飲食店経営を任せるから帰ってきてほしい」といわれまして困惑してしまいましたね。
考えた結果、福山へ帰って飲食店経営をしようと決意したんです。
最初は料理のつくり方、お店のつくり方、仕組みのつくりかたなど、ほぼ誰にも教えてもらえないままでのスタートでした。
毎日プレッシャーで、胃に穴が空くんじゃないかと思うくらい痛くて……。
とにかく休みなんてとれないなか、朝から深夜まで働いて、家へ帰っても毎日いろいろなことを調べました。
東京をはじめさまざまな店へ食べに行って、帰ったらその料理を調べて自分でそれを再現する。
その繰り返しです。
それが日課のようになりましたね。
とにかくもがいてもがいて、「こんなにも人生つらいことがあるんだ」なんて思いながら、何度も何度もルオントから逃げ出したいと思う日々がよくありました(笑)。
でもそうしているうちに、料理をつくることが大好きになっていって、ありがたいことにルオントは野菜を使った料理がおいしい店との評判が広がり、リピーターのかたも増えていきました。
そして、いつの間にか8年が経ちました(取材時=2021年1月時点)。
もちろんそれができたのは、関わってくれた仲間のおかげです。
オープン当初からやってくれているメンバーも多いなか、本当にいいメンバーたちが若いメンバーにバトンタッチしてくれ、古株のチームがそこに気持ちをこめて教えてくれます。
そして、若いメンバーから学ぶことも。
たまには厳しくしかることもあるけど、高いベクトルをもち、チームであることで本領発揮できる仲間がいたから、ルオントは今までやってこれました。
だから、これからもそんなメンバーたちがワクワクして楽しめる会社であり、お店にしたいと思います。
桐島
サラダバーは、オープン時から始めていました。
東京で私がいいなと思った店が、サラダバーをやっていて人気でした。
当店も野菜をコンセプトとした店なので取り入れてみたところ、すごく好評でして。
ルオントの売りのひとつになりました。
ナチュラルワインも、私がいいなと思う店の多くでナチュラルワインを置いていることに気づいたことがきっかけです。
ワインをいろいろと飲んで調べていくうちに、その魅力や良さに惹かれまして。
まだ福山市内でもナチュラルなワインを置いている店が少ないこともあり、当店でも置くことにしました。
桐島
そうですね。 ピザは一時期出していましたが、その後取りやめました。
イタリア料理といえばパスタの印象があるかもしれませんが、パスタは夜メニューで出していますよ。
当店でおもに出しているのは、イタリアの郷土料理や家庭でよく食べられる料理など。
オープン当初は、和食やフランス料理みたいなものも出していました。
しかし料理の参考にしていた店のうち、自分がいいなと思う店がイタリア料理店だったから、しだいにイタリア料理がメインになったんです。
それに定番のイタリア料理が食べられる店は、たくさんあるじゃないですか。
せっかく当店に来るのだから、当店でしか食べられない料理を楽しんでほしいですよね。
メニューも2〜3週間くらいで内容を変えていますが、それもいろいろな料理を楽しんでほしいから。
あと、旬の食材を楽しんでもらいたいからですね。
「野菜本来の味」を楽しんでほしい
桐島
やっぱり自然に逆らわずに栽培された野菜を楽しめること。
農園のある服部地区は、山に囲まれて湧き水が豊富でキレイな場所で、ホタルが生息している自然あふれるところです。
さらに農園は土壌からこだわっており、安心で安全な野菜づくりを心掛けています。
めずらしい野菜をたくさんつくっているのもポイントですね。
当社の農園の野菜は、どれも「野菜本来の味わい」が楽しめるのが特徴です。
そのために農薬だけでなく、化学肥料も極力与えないようにしているんですよ。
サラダバーやバーニャカウダなど、野菜の本来の味がいいからこそできるんです。
ぜひ野菜の味を楽しんでほしいですね。
あと僕たちの畑で採れたもの以外にも福山の農家さんの野菜や、瀬戸内の魚、福山で育てられた畜産物など、地元の食材をたくさん使っています。
地元・福山の「地産地消」の料理が当店の自慢ですね。
もちろん、さきほどのワインも当店のこだわりですよ。
農園併設の飲食店・直売所と宿泊事業を新たに興す
桐島
実は農園のある服部に、農園併設の野菜直売所と飲食店をオープンします。
また、あわせて服部に一軒貸しの民宿もオープンする予定があるんです。
ただ新型コロナウイルス感染症の余波で、予定が延長になってしまいました。
世間の状況を見ながら、直売所・飲食店や宿がオープンできればいいなと思います。
地元産の野菜やワインが魅力のルオント
福山市服部の自然豊かな畑で育った新鮮野菜が食べ放題の、ランチタイムのサラダバーはルオントの名物です。
ついついたらふく食べてしまいました。
すごくおいしい野菜です。
お腹いっぱい野菜を食べられる店はなかなかありません。
野菜本来の味が楽しめ、「野菜ってこんなにおいしいのか」と再確認しました。
またディナーのバーニャカウダも、野菜がてんこ盛りでお腹いっぱいになります。
もちろん、自慢の料理・郷土料理やワインもおすすめです。
ぜひ、ルオントで地元野菜のおいしさを堪能してみてください!
ルオント(LUÔNTO)のデータ
名前 | ルオント(LUÔNTO) |
---|---|
住所 | 広島県福山市三之丸町4-12 |
電話番号 | 084-924-5570 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 【火~土曜日、祝日、祝前日】 午前11時30分〜午後3時 (料理ラストオーダー 午後2時) 午後5時30分〜午後11時 (料理ラストオーダー 午後10時、ドリンクラストオーダー 午後10時30分) 【日曜日】 午前11時30分〜午後3時 (料理ラストオーダー 午後2時) 午後5時30分〜午後10時 (料理ラストオーダー 午後9時、ドリンクラス トオーダー 午後9時30分) 【テイクアウト】 午前11時30分〜午後1時30分 (ランチボックスのみ) 午後5時30分〜午後7時30分 (ディナー単品) |
定休日 | 月 |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 可 電話、またはホットペッパー>/a>から予約 |
座席 | 全68席 【1階】 ・カウンター:10脚 (ランチ時は6脚) ・4人がけテーブル:2卓 ・2人がけテーブル:3卓 【2階】 ・6人がけテーブル:2卓 ・4人がけテーブル:8卓 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | 1階はベビーカーの入店可能 子供用椅子あり 子供用食器あり |
バリアフリー | 1階は車椅子入店可能 トイレは車椅子非対応 |
ホームページ | 福山のイタリア料理と自家製野菜とワインLUONTO(ルオント)について | はっとりほたるの里(株) |