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満麺亭の代表・後藤 尚通さんにインタビュー
食べごたえがあって香ばしいあぶりチャーシューに、全粒粉を使った自家製麺、いろいろな種類のラーメンなど魅力がたくさんな満麺亭。
運営する有限会社 満麺カンパニーの代表取締役・後藤尚通(ごとう ひさみち)さんに、開業の経緯や店のコンセプト、こだわり、今後の展望などの話を聞きました。
インタビューは2021年10月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
開業の経緯
はじめに、満麺亭の歴史を知りたい。
後藤(敬称略)
満麺亭は、1999年(平成11年)に創業しました。
もともとラーメン店をしたくて、尾道にある個人営業の尾道ラーメンの店で働いていたんです。
ただ将来店を開業することを考えたとき、個人営業の店だけでなく、企業組織として運営している店も経験しておきたいと考えました。
そして、福山市にある法人営業の洋食レストランで働くことになったんです。
それから満麺亭をオープンしたのですが、場所は市内の三吉町でした。
居酒屋チェーンの跡に居抜きで開店したんです。
その後2003年(平成15年)に、現在地である川口町に移転・リニューアルしました。
レトロな雰囲気づくりのポイントは「感動体験」
店は昭和中期ごろの雰囲気をしているが、その店構えにした経緯は?
後藤
川口町に移転する前に、横浜にある「新横浜ラーメン博物館」に行ってみたんです。
そしたら、ものすごく感動しました。
博物館の中で、昔の昭和時代の町並が再現されているんです。
そのとき「これだ!」と思いましたね。
今の時代、ラーメン店でも「感動体験」が重要になっています。
ラーメン店は滞在時間がすごく短いです。
だから感動なんて必要ないという考えもありますが、いっぽうでラーメン店にも感動が必要だという人も多いんです。
それだけラーメンという食べ物が、国民に根付いているということだと思います。
滞在時間の短いラーメン店で、いかにお客様を感動させるか。
新横浜ラーメン博物館を訪れて、そのヒントがありました。
年配のかたから子供まで、店を訪れたみんなが笑顔になれるような空間を再現したいと思ったんです。
もともと「満麺亭」という店名は「ラーメンを食べて笑顔になってほしい」という思いから名付けました。
そのコンセプトにもピッタリですよね。
川口の店は新築なのですが、設計者のかたとかなり相談して店をつくり上げていきました。
「新しいものを古く見せる」というのは、かなり難しいんですよね。
そこは大変でした。
新築から15年以上たち、うまい具合に経年による変化があって、自然な雰囲気も生まれてきましたよ。
満麺亭名物・あぶりチャーシューの秘密
満麺亭のラーメンといえば「あぶりチャーシュー」が載っていることだと思うが、あぶりチャーシューが誕生した経緯は?
後藤
私が東京でラーメンを食べたとき、バーナーであぶるチャーシューを食べたんです。
それがおいしくて、しかもおもしろいなと感じ、「自分の店でもやりたい!」と思ったから出すようにしました。
福山周辺で同じようなチャーシューを出している店もありませんでした。
ラーメンの上に載せる具材で、熱いものってあまりないんですよね。
そのなかにあぶったチャーシューが入ると、うれしいじゃないですか。
しかもすごく香ばしいですから、食欲をそそります。
熱いとスープの温度低下も抑えられますよね。
あぶりチャーシューのこだわりは、あぶる直前に醬油と酒を肉に吹きかけること。
こうすると、あぶったときにより香ばしさが感じられるようになるんです。
肉の焼きすぎ防止にもなります。
ちなみにバーナーは、カツオのタタキなどをつくるときに使うものです。
あぶるときに大きな音がするので、初めて来たお客様は「なんだ?」と驚きますよね。
インパクトも感動につながります。
こだわりは伝わらないと意味がないと思うんです。
バーナーであぶるのも、わかりやすいじゃないですか。
自家製麺はあえて大粒の全粒粉を使用
満麺亭は自家製麺だが、それについて教えてほしい。
後藤
自家製麺は、2000年代後半ごろから始めました。
もともと自家製麺には興味がありましたが、技術はもちろん知識もほぼゼロ。
だから最初は、香川県の製麺業者さんのところに勉強に行きました。
それから実際に店で出しながら研究を続け、いろいろ変更しながら続けてきています。
大変だと感じるのは「麺は生き物」だという点ですね。
ちょっとした温度や湿度の違いで、小麦粉の状態が変化してしまいます。
季節・気候による変化はもちろん、日々の天候による違いで微調整をしていかないといけません。
自家製麺を始めて「安定させること」の難しさを痛感しましたね。
全粒粉について教えてほしい。
後藤
全粒粉は通常の小麦より香りがいいのが特徴です。
全粒粉は、他店でも麺に使っている店はあります。
ただ普通は麺に全粒粉を使う場合、目の細かい全粒粉を使うんです。
でも当店はあえて目の粗い、粒の大きな全粒粉を使っています。
本来は菓子などに使うための全粒粉です。
理由はさきほども話した「こだわりは伝わらないと意味がない」ということ。
小さな粒だと、お客様がパッと見て全粒粉を使っていると気づかないですよね。
ラーメンの提供スピードにこだわりあり
ほかに、店の運営面などでこだわっていることは。
後藤
ラーメンを早く提供することですね。
これには、強いこだわりがあります。
さきほど話したように、ラーメンは麺類なので食べるのが速く、滞在時間は短めです。
しかもお客様が多いときには、待っていただくこともあります。
そんな状況で、ラーメンが出てくるのが遅かったら辛いですよね。
だからラーメンを速く提供することは、使命だと思ってつくっています。
とくにお子様はどうしても待てないですから、お子様へは一番に提供するようにしていますね。
今後の展開
やってみたいことや今後の展望があれば、教えてほしい。
後藤
当店のラーメンは「進化する」のがこだわりです。
久々に当店に来たら、何か変わっていると思います。
今の時代だと変化していかないとダメだと思うんですよね。
というのも、お客様も変化しているから。
いろいろなお店に行って、さまざまな情報を得て、アップデートしていっているんです。
だから店も変わっていかないと、お客様にいいなと思ってもらえなくなると思っています。
昔の携帯電話を、今の時代に使うのと同じです。
もちろん、変わらないことがいい場合や、変化させてはいけないものもあります。
守るべきものは守りつつ、それ以外の部分は研究を続けて積極的にチャレンジしていき、変化していくのが大事ですね。
そのために、試行錯誤を楽しんでいきたいです。
自分が楽しくないと、お客様も楽しくないですから。
ただ自分が楽しいだけだと、お客様が付いてこられないので、バランスが大切ですね。
懐かしい雰囲気の中でおいしいラーメンを楽しめる満麺亭
香ばしいあぶりチャーシューと自家製麺がおいしい満麺亭のラーメン。
しかも、いろいろな種類がそろっているのも魅力です。
古き良き昭和時代をモチーフとした特別な空間の中で楽しむラーメンは、格別だと思います。
満麺亭で、ぜひこだわりのラーメンとこだわりの空間を楽しんでみてください。
満麺亭のデータ
名前 | 満麺亭 |
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住所 | 広島県福山市川口町4丁目20-15 |
電話番号 | 084-957-1214 |
駐車場 | あり うさぎ屋福山南店の駐車場も使用可能(両店駐車場共用) |
営業時間 | 午前11時〜午後9時 |
定休日 | なし |
支払い方法 |
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予約の可否 | 不可 ※持ち帰りは事前予約可能 |
座席 | 全24席 ・カウンター:8脚 ・4人がけテーブル席:4卓 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ベビーカーでの入店可能 子供用椅子あり 子供用食器あり |
バリアフリー | 車椅子での入店可能 トイレは車椅子非対応 |
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