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中華そば 坂本 〜 伝統の笠岡ラーメンを守る、安くてうまい昭和レトロなラーメン店

中華そば 坂本 〜 伝統の笠岡ラーメンを守る、安くてうまい昭和レトロなラーメン店

食べとこ / 2022.12.01

中華そば 坂本の店主・坂本 英喜さんにインタビュー

坂本:坂本英喜 店主

笠岡市内の現存する最古のラーメン店であり、笠岡ラーメンの名店として地元だけでなく全国からお客さんが来る「中華そば 坂本」。

坂本の店主・坂本 英喜(さかもと ひでき)さんに、店の歴史や家業を継いだきっかけ、店のこだわり、今後の抱負などについて話を聞きました。

インタビューは2020年9月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

坂本の起源はカシワ肉専門の小売店「カシワ屋」

坂本:外観

「中華そば 坂本」の開業の経緯は?

坂本 (敬称略)

開業したのは先代である父です。創業年は昭和33年(1958年)でした。

もとはラーメン店でなく「カシワ屋」でした。
場所は、今より少し西のところです。

やがてカシワ屋の横で、カシワを使ったラーメン店もやるようになりました。
その後、カシワ屋をやめてラーメン専業になっています。

「カシワ屋」とは

坂本

若い世代にはわからないでしょうね (笑)

カシワ肉、つまり卵を産まなくなったニワトリ肉専門の小売店です。
笠岡周辺は養鶏が盛んだったので、カシワ屋が多かったんですよ。

先代がカシワ屋を始めた昭和30年代は、牛肉や豚肉はまだまだ高級な時代。

だから、庶民にとって肉といえばクジラ肉か鶏肉でした。
しかも鶏肉は、カシワだったんです。

カシワ屋は、今の精肉店とはちょっとイメージが違います。

店によってスタイルは違っていたかもしれませんが、うちの店では毎朝農家を回って、卵を産まなくなったニワトリを仕入れていました。

それを店でさばいて、部位ごとにお客さんへ販売していたんです。

家業を継いだのは、地域に愛されている店は残していかないといけないと感じたから

坂本:坂本英喜 店主

今の場所に移ったのはいつごろ?

坂本

う〜ん、ちょっとよく覚えていないんです。

昭和50年代だったと思うのですが…。

実は、私はもともとラーメン店に興味がありませんでした。
だから、当時のことは曖昧なんですよ (笑)

では、店を継ぐつもりもなかった?

坂本

そのとおりですね。

仕事もラーメン店どころか飲食店とは無縁の、事務職でした。

でもだんだんと先代が年をとっていくなかで、地域に愛されている坂本という店は、地域に必要な店なんだと思ってくるようになったんです。

長年市内の人に愛されて多くのお客さんが来て、笠岡ラーメンの名店として全国からお客さんが来ています。

また、当店に笠岡ラーメンのイロハを習いに来る人もいるんです。
県内外に当店で学んだかたがラーメン店を開いています。

だから坂本という店をこれからも残していくために、跡を継ぐことを決心。
仕事を退職しました。

「中華そば 坂本」で働くようになったのは、2009年(平成21年)4月からです。
父からノウハウを教えてもらいながら、修業をしました。

坂本のこだわりは中華そばの味と提供スピードと「朝ラー」

坂本:暖簾

こだわっていることは?

坂本

もちろん、ラーメンの味や食材にはこだわっています。

ですが、それと同じようにこだわっているのが、ラーメンを提供するスピードですね。

当店は、ありがたいことに多くのお客さんが来てくれています。
だから注文後の提供は早くしてあげたいんですよ。

特に昼は、仕事中のかたが昼休憩に食べに来てくれています。

働いているかたは休憩時間が決まっているのですから、早くしてあげるべきでしょう。

当店は2人体制で、人員に余裕がありません。

そこで、ラーメンの提供に注力するための工夫のひとつが、メニューを増やさないこと。

中華そばの並と大盛のみにすることで、ラーメンづくりのみに集中し、提供を早くできます。

「勝手に精算機」を導入したのも同じ理由です。
お客さんに自分で会計をしてもらうことで、ラーメンづくりに集中しています。

あと、別のこだわりは朝早く店を開けてラーメンを提供していること。
いわゆる「朝ラー (朝にラーメンを食すこと)」ですね。

朝ラーの需要はある?

坂本

それが、けっこうあるんですよ。

朝ラー専門の常連さんも多いんです。
平日は働いているかた、土曜日はご家族の朝ラーが多いですね。

今は当店は午前9時30分から開店しています。
ずっと昔からやっているんですよ。

でも、先代の時代はもっと早い時間帯からやっていました。
午前7時か7時30分くらいだったかな。

というのも、昔は今よりも電車・バス通勤が多い時代です。

だから朝、うちでラーメンを食べて、そのまま電車やバスに乗って仕事に行く人もいたんですよ。

昔から「坂本の朝営業」は地域に定着しているので、時間帯は多少変わっても続けていかねばならぬと思っています。

これからも伝統ある坂本の店を繋いでいきたい

坂本:坂本英喜 店主

今後の抱負や目標は?

坂本

やっぱり目標は、安くておいしいラーメンをつくり続けることですね。

笠岡ラーメンの認知度が少しずつ高まり、全国各地からお客さんが来てくれるようになりました。

とても歓迎していますし、ありがたいことです。

いっぽう、地元の常連さんも多く来ていただいています。
なかには親子三代で常連になっていただいているかたも。

観光客が多くなれば、地元のお客が離れるなんて話もありますが、当店ではそんなことはありません。

観光で遠方から来られたかた、長年通っていただいている地元のかた、両方来ていただいているのはうれしいですね。

これからも観光のかた、地元のかた、どちらからも愛される店を続けて行ければいいなと思います。

だから、まずは5年。それからまた次の5年。体の続く限りがんばっていきたいです。

あとは伝統のある店を次世代に繋いでいきたいので、後継者も育てていきたいと考えています。

さいごに

笠岡ラーメンの代表店であり、笠岡市で現存最古のラーメン店である中華そば 坂本。

長年地域に愛され続け、いまや全国からもお客さんが来ます。

外観や店内の雰囲気だけでなく、ラーメンも昔ながらの味わいで、まさに歴史的価値のある店といえるかもしれません。

そんな伝統の店を守るために跡を継いだ二代目店主の坂本さん。

味の伝統を守るだけでなく提供スピードにもこだわり、提供を速くするための工夫をするなど、お客さんのための店という意識を強く感じました。

笠岡に来たら、笠岡伝統の味である中華そば坂本の笠岡ラーメンをぜひ食べてみてください。

中華そば 坂本のデータ

坂本:外観
名前中華そば 坂本
住所岡山県笠岡市中央町34-9
電話番号なし
駐車場なし
営業時間午前9時30分〜午後2時30分ごろ
※ スープがなくなり次第終了
定休日木、日、祝日
支払い方法
  • 現金
  • ・支払はセルフ精算式(自分でお金を箱に入れ、お釣りを取る)
予約の可否不可
座席全14席
・カウンター席:4脚(2脚×2ヶ所)
・2人がけテーブル席:1卓
・3人がけテーブル席:1卓
・5人がけテーブル席:1卓
タバコ
トイレ
子育て・子供用食器あり
・混雑時、小さな子供連れでの来店を断る場合がある
バリアフリー・車椅子での入店可能
・トイレは車椅子での利用不可
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アサノ ・ヨウスケ

アサノ ・ヨウスケ

フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。カメラ片手に街を散策。あなたの知らない備後地方を切り取り、備後の奥深さを伝えます!

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坂本:中華そば(笠岡ラーメン)

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