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シルバー クラフト マル 〜 「福山ならでは」をシルバークラフトに。福山ばらグッズにも認定された、地域に根差した小さな銀細工工房

シルバー クラフト マル 〜 「福山ならでは」をシルバークラフトに。福山ばらグッズにも認定された、地域に根差した小さな銀細工工房

買っとこ / 2020.09.09

オシャレに興味があるのなら、シルバー(銀)アクセサリーを付けたことがあるのではないでしょうか。

まばゆく美しい銀色の輝きが印象的ですが、使い込んでいくと、味わい深い美しさに変化していくのも銀の魅力です。

奥の深い銀の世界ですが、福山市にはたったひとりでシルバークラフト(銀細工)を製作する小さな工房があります。

それは「シルバー クラフト マル (SILVER CRAFT MARU)」です。

シルバー クラフト マルは、独自の視点で選んだユニークなモチーフのシルバークラフトが特徴。

なかでも注目なのが、地元・福山にちなんだ商品です。

福山市花のバラにちなんだ商品は、なんと福山市の「ばらグッズ」にも認定されました。

地域に根差した活動をする、シルバー クラフト マルを紹介します。

記載されている内容は、2020年9月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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シルバー クラフト マルはひとつひとつ手作業で製作するシルバークラフト工房

シルバークラフト・マル:商品

シルバー クラフト マルは、銀を素材としたアクセサリーや小物を製作・販売している工房です。

工房の代表であり、シルバークラフト作家の丸岡 剛久(まるおか たけひさ)さんが、ひとつひとつ手作業でおこなっています。

デザインから型製作・銀の鋳造(ちゅうぞう)・仕上げなど一貫して丸岡さんひとりによる製作なのです。

そのため大量生産はできませんが、ひとつひとつ丁寧に製作されているので、まさに「作品」ともいえる仕上がり。

シルバークラフト・マル:シルバー・ブレスレッド

実際に見て、手に取ってみると銀の重みとともに感動を覚えます。

銀ならではの味わい深い光沢の美しさが印象的です。

シルバー クラフト マルは、おもに福山市などで開催されるイベントに出店し、販売しています。

出店イベントはさまざま。

状況によって変わりますが、代表的な出店イベントは以下のとおりです。

▼ばら祭のようす

シルバークラフト・マル:ばら祭のようす
写真提供:シルバー クラフト マル

▼ふくやま手しごと市のようす

シルバークラフト・マル:福山手仕事市での出店風景

▼ふくやまMarcheのようす

シルバークラフト・マル:福山マルシェのようす
写真提供:シルバー クラフト マル
丸岡さん

イベントに来た際は、ぜひシルバー クラフト マルのブースまで足を運んで、商品を生で見てみてください!

なお、一部の商品はインターネットマーケットのminneでも販売しています。

福山市「ばらグッズ」に2年連続で認定された

シルバークラフト・マル:福山ばらグッズ認定証

シルバー クラフト マルの商品は、2019年(令和元年)と2020年(令和2年)の2年連続で、福山市の「ばらグッズ」に認定されました。

バラの花は福山市の市花で、毎年5月に「ばら祭」を開催しています。

丸岡さん

2019年はブレスレット、2020年はペンダントが認定されました!

福山市では、毎年バラにちなんだオリジナル商品を募集し、ばら祭の土産にふさわしいものを、福山祭委員会が「ばらグッズ」として認定しているのです。

▼ばらのまち福山 シルバーブレスレット (税込 8,800円) 

シルバークラフト・マル:ばらのまち福山 シルバー

福山市花のバラの花と福山市公式の「ばらシンボルマーク」をモチーフにしたシルバーのブレスレット(腕輪)です。

福山ばらグッズ

ほかにもバラをモチーフにしたグッズをいろいろ制作しています。
たとえば、ベビースプーンのペンダント。

ばらベビースプーンペンダント (税込 5,500円)

シルバークラフト・マル:ばらベビースプーンペンダントシルバークラフト・マル:ばらのまち福山 シルバー

バラの花とスプーンを組み合わせたデザインが個性的です。

シルバークラフト・マル:ばらベビースプーンペンダント

西洋では、古くから銀のスプーンは繁栄や富の象徴とされ、幸運を呼ぶとされています。
また、誕生日に銀のスプーンを贈る風習があるそう。

それにちなんで、12の星座のマークが彫られています。

大切な人の誕生日に、スプーンに込められた意味もそえてプレゼントすると素敵ですよね。

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モチーフが個性的なシルバー クラフト マルの商品

シルバークラフト・マル:シルバー・ブレスレッド

シルバー クラフト マルの商品は、モチーフが個性的です。

特に多いのが、地元・福山市に関わるものをモチーフとしたものです。

ばらグッズに認定された「ばらベビースプーンペンダント」「ばらのまち福山シルバーブレスレット」は、その一部。

ほかにもいろいろ福山にちなんだモチーフのものがあります。

▼バラの花・福山市「ばらシンボルマーク」のカフスボタン(税込 9,900円)

シルバークラフト・マル:ばらのカフスボタン

▼バラの花のラペルピン(税込 5,500円)

シルバークラフト・マル:ばらのラペルピン

▼福山市「ばらシンボルマーク」のラペルピン(税込 5,500円)

シルバークラフト・マル:ばらのラペルピン

ほかにも、バラをモチーフにした指輪、ペンダントトップ、ピアスなどもあります。

▼展示用に製作された、バラの花とイバラのネックレス

シルバークラフト・マル:ハーミットパープルのネックレス

バラの花とイバラのネックレスは、展示用のため非売品です。

バラ以外にも地元ならではのモチーフの商品もあります。

なかでも注目なのが、福山城主三家の家紋をモチーフとしたシルバーブレスレットです。

シルバークラフト・マル:福山城主三家家紋ブレスレット
写真提供:シルバー クラフト マル

江戸時代初期に築城され、福山藩の拠点となった福山のシンボル・福山城。
2022年(令和4年)で築城400周年をむかえます。

江戸時代、福山城主は水野家・松平家・阿部家と移り変わりました。
その福山城主だった三家の家紋をシルバーブレスレットにしたものです。

▼福山城主三家の家紋ブレスレット

シルバークラフト・マル:福山城主三家の家紋ブレスレッド

左が水野家の家紋「丸に抱き沢瀉(オモダカ)」、中央が松平家の家紋「軍配団扇(ぐんばい うちわ)の内に松竹」、右が阿部家の家紋「丸に虫食い鷹(タカ)の羽」です。

丸岡さん

歴史好きのかたにぜひ付けてほしい、カッコいいブレスレットです!

シルバーアクセサリーでは、歴史をモチーフとしたものは少ない印象があります。
だからこそ、とてもおもしろくてインパクト抜群ではないでしょうか。

地元のほかの作家や店とのコラボレーションも

シルバー クラフト マルでは、福山に関するもの以外にもいろいろ商品を製作しています。

たとえば、地元周辺の作家や店などとのコラボレーションした商品作りにも力を入れているのです。

▼ブレスレットに使われている革製の腕輪の部分は、尾道市の革製品作家のものを使用。

シルバークラフト・マル:シルバーブレスレッド

銀も革も使い込めば込むほど独特の味が出てくるものなので、おもしろい組み合わせです。

また、倉敷市のカレー店・倉敷カレーとコラボレーションしたグッズもあります。

シルバークラフト・マル:倉敷カレーとのコラボ商品

倉敷カレーのマークをかたどったブレスレット(税込 6,000円)と、ネックレス(税込 4,400円)です。

ほかにも、動物や時事ネタなどをモチーフとしたものもありました。

たとえば、令和改元のときにイベント向けに製作したという「令和おじさんシルバー指人形」。

シルバークラフト・マル:菅義偉指人形

新元号「令和」を発表したあの官房長官(2019年当時)がモデルだとすぐにわかる、とてもユニークな製品だと思います。

なお令和おじさん指人形は、イベント用のものなので非売品です。

シルバークラフトができるまで

特別に、シルバークラフトの製作工程を見せていただきました。

シルバークラフトの工程は、おもに以下のとおりです。

  1. ワックス原型の製作
  2. シリコン型の製作
  3. シリコン型を使用して量産用ワックス型を製作
  4. 石膏(せっこう)で鋳型(いがた)を製作
  5. 鋳型の加熱
  6. 鋳造(ちゅうぞう)
  7. 石膏型のばらし作業
  8. 仕上げ

▼ワックス(蝋、ろう)を彫って、製作する商品の原型を作ります。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼細かい作業をするときは、顕微鏡を使って作業します。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼できあがったワックス型

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼次にワックス型を枠で囲み、シリコンを流し込んでシリコン型を作ります。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼シリコンが固まったら、ワックス型を外します。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

ワックス型は、いわゆる「使い捨て」。
製作する商品の個数と同じだけのワックス型が必要です。

できあがったシリコン型を使って、同じ形のワックス型をたくさん作れます。
これによって、同じ形の商品を何個も作れるようになるのです。

▼次はワックス型を枠に入れ、石膏を流し入れて鋳型を作ります。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼石膏が固まったら、鋳型を機械に入れて加熱します。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

加熱するとワックスが溶けてなくなり、石膏の中に商品の形の空間ができるのです。

そのあとは、いよいよ鋳造作業。
鋳造は金属を溶かしてふたたび固めることで、形を加工することです。

▼鋳造用の台に、加熱した石膏型をセットします。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼これが鋳造する銀です。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

「シルバー925」というシルバーアクセサリーでよく使われる調合銀です。

銀だから銀色かと思いましたが、薄金色なのが意外でした。

▼銀の地金を鋳造の台に入れます。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼バーナーで熱して銀を溶かしていきます。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼熱くなり真っ赤になった銀

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景
シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

溶けた銀は、鋳型の中に流れ込んでいき、冷えて固まると鋳型の形になるのです。

▼銀が冷えたら、石膏の鋳型を破壊して銀を取り出します。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

▼最後は研磨などの仕上げ作業などをおこなって完成です。

シルバークラフト・マル:シルバークラフト製作風景

銀に彫刻などをおこなう場合もあります。

ひとつひとつ丁寧な作業で、ユニークなシルバークラフトの商品を製作しているシルバークラフト マル。

シルバークラフト マルの代表であり作家である丸岡 剛久(まるおか たけひさ)さんにインタビューをおこないました。

インタビューを読む

シルバークラフト マル (SILVER CRAFT MARU)のデータ

シルバークラフト・マル:福山手仕事市での出店風景
名前シルバークラフト マル (SILVER CRAFT MARU)
住所広島県福山市神辺町 (住所非公開)
電話番号なし
駐車場なし
営業時間不定 (イベント出店が中心)
定休日不定休
支払い方法
  • 現金
ホームページ公式Instagram

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アサノ ・ヨウスケ

アサノ ・ヨウスケ

フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。地域情報サイトも運営。カメラ片手に街を散策。あなたの知らない備後地方を切り取り、備後の奥深さを伝えます!

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