鞆の浦 特集
Tomonoura
「鞆の浦(とものうら)」は、JR福山駅から南へ約14キロメートルのところ、鞆町(ともちょう)にあるエリアです。
ちょうど福山市内南西部にあたる沼隈(ぬまくま)半島の南東端に位置しています。
鞆町が面している海や鞆港と周辺の港町などを総称して「鞆の浦」と呼ばれ、福山市を代表する観光スポット・景勝地として有名です。
また鞆の浦は周辺と合わせて「鞆公園」と呼ばれており、「瀬戸内海国立公園」の一部になっています。
なお瀬戸内海国立公園は、昭和9年(1934年)3月16日に選定された日本初の国立公園のひとつです。
平成29年(2017年)10月、鞆の浦がユネスコの「世界の記憶(記憶遺産)」に認定されました。
また同年11月には鞆町内の約8.6ヘクタールが、広島県3例目となる国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)として指定されています。
さらに平成30年(2018年)5月には、「瀬戸の夕凪が包む国内随一の近世港町~セピア色の港町に日常が溶け込む鞆の浦~」として、日本遺産に認定されました。
重要伝統的建造物群保存地区、ユネスコ記憶遺産、日本遺産の3つに選定されている地域は、鞆の浦だけです(令和3年現在)。
鞆の浦は、多くの映画やドラマのロケ地になっており、アニメーション映画『崖の上のポニョ』に出てくる風景のモデルにもなったといわれています。
また正月によく流れる箏曲『春の海』は、作曲者・宮城道雄(みやぎ みちお)が父の出身地である鞆の浦をモチーフにして作曲したものです。
鞆の浦の歴史
鞆の浦は、奈良時代ごろより「潮待ちの港」として繁栄しました。
「鞆津(ともつ、とものつ)」の別名でも呼ばれています。
奈良時代中期の歌集『万葉集』には、鞆の浦を詠んだとされる歌が記載されているのです。
戦国時代になると、室町幕府最後の将軍・足利義昭(あしかが よしあき)が拠点にしました。
江戸時代、鞆の浦は北前船も停泊する福山藩の重要な港町・商都として栄えます。
備後福山藩の重要拠点となる港町で、出先機関として鞆奉行所(ぶぎょうしょ)も設置されました。
また朝鮮通信使(ちょうせん つうしんし)をはじめ、琉球通信使やオランダ商館長などが鞆の浦も訪れています。
とくに福禅寺(ふくぜんじ)にある対潮楼(たいちょうろう)は、今でいう迎賓館(げいひんかん)の役目を果たしました。
幕末になると「いろは丸事件」が発生し、坂本龍馬(さかもと りょうま)ら海援隊のメンバーが鞆の浦に滞在しています。
約4日間にわたって滞在し、いろは丸事件の賠償の談判をおこないました。
現在でも、坂本龍馬やいろは丸事件に関する史跡が残っています。
近現代では、鞆の浦がある鞆町鞆・鞆町後地(うしろじ)は沼隈郡(ぬまくまぐん)鞆町になりました。
その後、現在の田尻町(たじりちょう)・走島町(はしりじまちょう)と合併して、新しい鞆町となりましたが、昭和31年(1956年)に旧福山市(松永市との対等合併前の福山市)に編入合併しています。
鞆の浦の見どころ
歴史ある鞆の浦には、見どころがたくさんあります。
代表的なものをピックアップして紹介しましょう。
- 仙酔島・皇后島・弁天島
- 鞆港 常夜灯・雁木
- 海の眺め
- 坂本龍馬関連史跡
- 神社仏閣
- 重要伝統的建造物群保存地区の町並
仙酔島や皇后島・弁天島の眺めは、鞆の浦を象徴する景観です。
福禅寺の対潮楼からの眺めは「日東第一形勝(日本で一番すばらしい景観)」といわれるほど。
また鞆港の常夜灯や雁木も、鞆の浦を代表する景観です。
常夜灯周辺は「常夜灯広場」として整備されており、飲食店や土産物店などもあります。
鞆の浦には神社や仏閣が多数あり、神社仏閣めぐりもおすすめです。
また鞆の浦の旧港町の一部は重要伝統的建造物保存(重伝建)地区です。
見学できるおもなスポットは、以下のとおり。
江戸時代後期から昭和初期ごろの、趣のある古い町並が残っています。
鞆の浦の名物
鞆の浦には、いろいろな名物や特産品があります。
代表的なものを挙げると、 以下のとおりです。
- 鯛料理 (鯛めし、鯛茶漬け、鯛そうめん、カブト煮、刺身、煮つけなど)
- チイイカ(チイチイイカ)料理 (天婦羅、酢味噌和えなど)
- サヨリの丸干し
- ちりめんじゃこ、釜揚げシラス
- 海産物
- 練り物 (チクワ、カマボコ、ジャコ天(ガス天)など)
- 保命酒
- みりん
- 錨(イカリ)
海に面した地域なので、海産物や海産加工品が多いです。
なかでも鯛(タイ)は、鞆の浦を代表する海産物として知られています。
毎年5月には、約380年続く伝統的な漁法を用いた「観光鯛網」の行事も開催。
多くの観光客が訪れます。
また保命酒(ほうめいしゅ)は、江戸時代より鞆の浦の特産品となっている薬味酒です。
保命酒の製法を応用したみりん(味醂)も製造しています。
現在でも鞆の浦には、保命酒を醸造する酒蔵が複数あり、今も保命酒をつくり続けているのです。
鞆の浦への行き方
令和3年(2021年)12月現在の情報
車の場合
山陽自動車道 福山東インターチェンジから
福山東インターチェンジ(福山東IC)からは約15キロメートルです。
福山東ICを降りて国道182号線を南へ道なりに進み続けると、鞆の浦に着きます。
途中で道は国道182号〜県道244号線〜県道380号線〜県道22号線と移ろいますが、ICからは一本道です。
山陽自動車道 福山西インターチェンジから
福山西インターチェンジ(福山西IC)からは、約25キロメートルです。
ICを降りたら国道2号線を西へ約13キロメートル直進し、芦田川にかかる神島橋の手前にある「神島橋西詰」交差点を右折し、芦田川西岸沿いを南へ進みます。
約6キロメートルで「三新田中央」交差点に出ますので、ここを右折し、県道22号線を進んでください。
そのまま約7キロメートル道なりに進むと、鞆の浦に到着です。
国道2号線から
国道2号線を岡山方面(東方面)から来た場合は、「明神町」交差点を左折して国道380号線へ入ります。
あとは福山東ICからの道順と同じでずっと道なりに進んでください。
鞆の浦までは一本道です。
国道2号線を広島方面(西方面)から来た場合は、「神島橋西詰」交差点を右折し、芦田川西岸沿いを南へ進みます。
あとは福山西ICからの道順と同じです。
途中「三新田中央」交差点を右折したら、あとは道なりに進みます。
公共交通機関の場合
公共交通機関を利用する場合は、JR福山駅の南口にある駅前バスロータリーから路線バスを使います。
バスロータリーの5番乗り場から、トモテツバスの「鞆港・鞆の浦」行きのバスに乗りましょう。
「鞆車庫」から「鞆港」までのあいだのバス停が、鞆の浦と呼ばれるエリアにあるバス停です。
目的地に近いバス停で降りてください。
福山駅から鞆港バス停までは、約30分。
▼運賃は以下のとおりです。
対象者 | 運賃 |
---|---|
大人(12歳(中学生)以上) | 560円 |
小人(6歳~12歳(小学校在学から中学校入学前まで)) | 280円 |
幼児(1歳~6歳(小学校入学前まで)) | 大人1人につき1人無料 |
乳児(1歳未満) | 無料 |
▼障がい者・介護者割引もあります。
対象者 | 内容 |
---|---|
大人障がい者割引 | 半額 |
小人障がい者割引 | 小人運賃の半額 |
介護人割引 | 介護人1名まで半額 |
- 介護人割引は「要介護」表記のある障害者手帳、または1種の手帳を持っているひとで、乗務員への提示があった場合
- 身体障害者手帳・療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っているひと
- 必ず乗務員への提示が必要
▼ほか、お得な情報は公式ページを確認してください。
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