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25sora(ニコソラ)〜 誰もがいきいきと働ける場所を目指すソフトクリーム屋

25sora(ニコソラ)〜 誰もがいきいきと働ける場所を目指すソフトクリーム屋

食べとこ / 2025.01.19

代表社員 井口泰江さんにインタビュー

ソフトクリームを手にする井口さん
ソフトクリームを手にする井口さん

井口泰江さんは、補助金や助成金のサポートをおこなう合同会社スマイルリンクスの代表社員です。2023年から、スマイルリンクスの事業にスイーツ販売の25soraが加わりました。

25soraを始めたきっかけや、お店にかける想いなどを聞きました。

障がいのある人が働く場所を作りたい

メニューは低い位置にも掲示
メニューは低い位置にも掲示

25soraを始めたきっかけを教えてください。

井口(敬称略)

25soraは、障がいのある人とともに働くお店です。

私の周りには障がいがある人はいなかったんです。だから、障がいは自分には関係がないものだと思っていました。

でも、たとえば今日の帰り道、事故に遭って歩けなくなるかもしれない。突然倒れて体にマヒが残るかもしれない。可能性はゼロじゃないですよね。

そうなったとき、自分や自分の家族はどうやったら生きていけるかを考えたんです。そこで、障がいがある人の働く場所がとても限られていることを知りました。障がいの程度によってお給料が低かったり、働く時間を制限されたりすることもあるようです。

そんな状況をなんとかしたいと思いました。たとえ障がいを負ったとしても、働ける場所があるなら安心できる。なんとかなると思えるかなと。そこで、お店をやってみようと決めたんです。

なぜソフトクリームやサンドイッチなのですか?

井口

「障がいのある人は、どういったことができるだろう」と考えて、搾るだけのソフトクリームならできるんじゃないかと思いました。サンドイッチも具材をはさむだけなら、やりやすいんじゃないかな、と。

はじめからソフトクリームやサンドイッチのお店を考えていたのではなく、障がいがある人がやりやすいことを考えてソフトクリーム屋に決めました

ソフトクリーム液も、中山牧場の生乳をメーカーが加工したものを仕入れています。機械に液を入れると、おいしいソフトクリームが作れるんですよ。誰がやっても同じようにおいしく作れることを重視しています。

ソフトクリーム液
ソフトクリーム液
機械にソフトクリーム液を入れる井口さん
機械にソフトクリーム液を入れる井口さん

障がいのある人と働くうえで、何か配慮していることはありますか?

井口

障がいの有無にかかわらず、できないことは素直に手を貸しあえる、気兼ねなく声掛けできる雰囲気作りを大切にしています。もちろん、働きやすいよう環境面でのサポートは欠かせません。

たとえば、入り口にはスロープを設けていますし、テーブルは車いすでも作業しやすいよう低めに作られています。

障がいのある人でも楽しく働いてもらえる場所として、25soraが提供できたらなって思っています。

店舗入口のスロープ
店舗入口のスロープ
車いすでも作業しやすい低めのテーブル
車いすでも作業しやすい低めのテーブル

また、人によってはソフトクリームの提供にどうしても時間がかかってしまうこともあります。その際には、お客様に説明してご了承いただいています。

コーンではなく、プラスティックのカップを使用しているのも、時間がかかってコーンが湿ってしまうのを防ぐためです。

カップの中のチョコパフも、ソフトクリームの水気を吸ってくれる
カップの中のチョコパフも、ソフトクリームの水気を吸ってくれる

お客様からは「コーンのソフトクリームも導入してほしい」と言われることもありますが、おいしい状態で提供できるかを考えると、なかなか難しいですね。

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誰にとっても居心地の良い場所へ

画像提供:25sora
画像提供:25sora

お客さんからの反応はどうですか?

井口

25soraに来ると安心する」とのお声をいただいています。
25soraは、体が不自由なお客様も多く来店されています。障がいのあるスタッフにも働きやすいようお店を作っていることもあり、つながりの輪が広がっているのかもしれませんね。

お店の中では、好奇の目で見られて居心地の悪い思いをすることもありません。
誰にとっても居心地の良い空間になれたらうれしいです。

ほかに、25soraならではの取り組みはありますか?

井口

25soraでは、放課後等デイサービスの子どもたちに職業体験の場所を提供しています。

保護者のかたがよくおっしゃっているんです。
「学校がある間は安心できる。でも、この子が卒業したらどうなるのか、まったくわからない。私たち親がいなくなったら、この子はどうやって生きていくんだろう?」って。

そんななか、25soraで職業体験してもらうことで「こんな仕事もあるんだ」とか「これならできるぞ!」と、可能性を見つけてもらえたらうれしいです。

ソフトクリームを搾る井口さん
ソフトクリームを搾る井口さん

25soraの活動を通じて「うちでも放課後等デイサービスの職業体験を受け入れるよ」と声を掛けていただくこともあります。
子どもたちにも保護者のかたにも、未来への希望をもってもらえたら良いと思います。

25soraを運営するうえで、大切にしていることはありますか?

井口

25soraでは、風通しの良さを大切にしています。とくに、新メニューの開発はスタッフ全員でおこなっているんです。
スタッフが食べ歩きをしたり、SNSで見かけたりしたグルメ情報を持ち寄ってメニューを考案。試作を繰り返しながら、メニュー化していきます。

小さなお店ですから、発案から実現までのスパンが短いんです。良いと思ったアイデアはすぐに取り入れるようにしています。

スタッフからは「自分の意見を聞いてもらえるのがうれしい」とよく言ってもらえるんですよ。休憩時間に新商品の構想を練っていることもあるようです。

役職や障がいに関係なく、それぞれの意見にまっすぐ向きあうことで、話しやすい環境が生まれる。好きなようにアイデアを出しあえる、良い循環ができていると思います。

いろいろなアイデアが集まる
いろいろなアイデアが集まる

25soraを続けていくための努力

25soraはInstagramに数多く投稿していますね。投稿を継続するために、何か決めていることはありますか?

井口

開店するにあたり、Instagramのアカウントを作成しました。実は、25soraを始めるまでInstagramなんて触ったこともなかったんです。でも広告になるのなら、と見よう見まねで投稿を始めました。

Instagramではインフルエンサーさんの力を借りられるのも大きいです。開店前日にPRをお願いしたときには、フォロワー数が急増して通知が鳴り止まないほどでした。
「〇〇さんの投稿を見てきました」というかたも多く、近隣にチラシを配ることの何倍も反応がありました。

そのあとも、さまざまな人が「25soraのソフトクリームおいしい!」と投稿してくれることで、認知の拡大につながっていると思います。
続けることに意味があると思うので、スタッフのみんなと協力しながら営業日には何かしらの投稿を続けています。

入口に設置された黒板にはお客様からのメッセージが集まる(画像提供:25sora)
入口に設置された黒板にはお客様からのメッセージが集まる(画像提供:25sora)

最近では出張販売もされているそうですね。こちらはどこかから場所を紹介されているのですか?

井口

いいえ。すべて飛び込み営業して置かせてもらっているんです。
ただお店で待っているだけでは、お客様も来てくれませんから。

チラシを持って、直接お店に伺って「サンドイッチを買ってもらえませんか?」ってお願いしています。すると皆さん、快く話を聞いてくださるんです。

25soraのチラシ

飛び込み!すごいですね。

井口

人と同じことをしていても、勝てませんから。いまどき飛び込み営業は珍しいみたいで、「すごいね、よく来たね!」と言ってもらえます。
小さく1〜2個売るよりは、大きく100個の注文を取ってきたほうが良い。そう思っていろいろなところを回っています。

おかげさまで「じゃあ、300個持ってきて!」というような大口の予約をいただけることもあるんですよ。

Instagramの投稿に飛び込み営業など、意欲的におこなっているんですね。原動力は何ですか?

井口

私、負けず嫌いなんです。始めたからには、絶対1番になりたいと思って。そのためにできることはひたすら、何でもやろうと決めているんです。

今は25soraのためにできることをリスト化して、上から順番にひたすら実行しています。
この方法がダメなら、今度はこうしてみようかって、バージョンアップを重ねてもいます。不思議なことにアイデアはいくらでも出てくるんですよね。だから、まだまだやることはたくさんあります。立ち止まっている暇がないんですよ。

25soraの今後の目標を教えてください。

ソフトクリームで作るフラッペも人気(画像提供:25sora)
ソフトクリームで作るフラッペも人気(画像提供:25sora)

井口

2店舗目を出したいです。

できれば今度は、ソフトクリームの映える海沿いが良いですね。ソフトクリームもサンドイッチも、レジャーにはぴったりですし、海と相性が良いと思います。

その先で「ソフトクリームなら25soraだよね」って言ってもらえるようになりたい。福山で1番の店になりたいです。

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ソフトクリームで笑顔を作る

牛とレインボーソフト(画像提供:25sora)
牛とレインボーソフト(画像提供:25sora)

誰もがいきいきと働ける場所を作りたい。上を向いて笑えるようになれば良い。
25soraは、そのような井口さんの想いから始まりました。

障がいの有無にかかわらず、のびのびと働ける場所。ありのままの自分で、安心して過ごせる場所として、25soraは今日もおいしいソフトクリームを提供しています。

冷たいソフトクリームをほおばれば、思わずニコッと笑みがこぼれることでしょう。

25soraのデータ

25sora
名前25sora
住所広島県福山市南蔵王町3-1-9
電話番号084-917-2417
駐車場あり
他店と共用で20台以上
営業時間夏季:午前11時~午後6時
冬季:午前11時~午後5時
定休日
臨時休業の場合あり。
公式Instagramを確認してください。
支払い方法
  • 現金
  • PayPay・メルペイ・d払い
予約の可否
座席
タバコ
トイレ
子育て
バリアフリー
車いすで入店可能
ホームページ25sora
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香村みゆき

香村みゆき

フリーライター。福山うまれ福山そだちの箱入り市民。趣味はひなたぼっこと読書で、好きなお米はササニシキ。地元民ならではの備後の魅力を発信していきます。

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25soraソフトクリーム

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