全国の高等学校が制作する学校紹介動画は、YouTube上に数多く投稿されています。
そのなかでも際立っているのが、ドローンのワンショット撮影で部活動を紹介する動画。
ワンショット撮影とは、シーンの最初から最後までカットすることなく、連続して撮影する手法のことです。
そのワンショット撮影をドローンで行ない、今までにない学校紹介ビデオを制作したのが広島県立福山誠之館高等学校放送部。
ドローンを使った学校紹介ビデオは2020年8月に公開されました。
そして、2021年の学校紹介ビデオとして、福山誠之館高校放送部はミュージックビデオの制作にチャレンジします!
放送部の枠をこえ有志のメンバーで構成されたプロジェクトチーム「まことのワクワク発信!放送局」が挑戦するミュージックビデオ。
オリジナルミュージックビデオの制作を実現するため、クラウドファンディングで資金を調達しています。
短い高校生活のなかで、自分たちができることに思いっきりチャレンジして思い出を残したい!
前進しているまことのワクワク発信!放送局の5名と、顧問の先生、講師の先生に、クラウドファンディングを使ってミュージックビデオを制作するようになったきっかけやミュージックビデオにかける想いを聞いてきました。
記載されている内容は、2021年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
福山誠之館高校放送部の日常
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、コロナ禍の前と後ではいつもの日常が変わってしまいました。
それは福山誠之館高校放送部の活動も同じです。
通常の放送部の活動は以下のようなものでした。
- 朝の時間のお知らせ
- 先生に依頼されて生徒などの呼び出し
- ラジオ放送番組「マコトーーーーク!!」の制作
- 学校行事の司会
しかし、コロナ禍では校内の行事がなくなり、放送部が担ってきた学校行事の司会もほぼなくなってしまったそうです。
ドローンを使ったオープンスクール用の学校紹介ビデオの制作
2020年、福山誠之館高校では学校行事のほか、中学生に向けて開催されるオープンスクールが開催できない事態になりました。
しかし、毎年学校紹介ビデオを制作していた放送部の生徒たちは、このような状況のなかで立ち上がります。
これまでの学校紹介ビデオとは違う、今までにないオープンスクール用の動画の制作を外部講師の岡田 秀一(おかだ ひでかず)さんといっしょに始めたのです。
岡田さんは一般社団法人 広島県ドローン協会の顧問。
これまでも他校で、生徒の映像制作をサポートしているかたです。
強い味方を得た放送部は、第1弾の3分18秒ドローンワンショット映像による学校紹介ビデオ「部活動編」と、第2弾ニュース風「学校生活編」の制作を進めていきました。
オープンスクール用学校紹介ビデオはドローンをふんだんに使う
新たなオープンスクール用のビデオ制作をどのようなものにするのか、放送部内でもいろいろと案が出されました。
第1弾のドローンを使った部活動編はすぐに決まりましたが、第2弾の学校生活編をどうするか、意見出しを重ねたそうです。
そして最終的に残ったのは、ニュース風動画とミュージックビデオ風動画の2つ。
放送部内で検討した結果、採用されたのはニュース風動画でした。
内容が決まってからは怒涛(どとう)の準備が始まります。
ドローンを使った部活動編は、卒業した放送部部長を中心に生徒自らが動画の構成を考えたそうです。
ニュース風の学校生活編は、福山誠之館高校の学校生活をニュース番組のように作り上げました。
最後のお天気コーナーでは国語の先生が受験生に役立つお天気ニュースを伝えるなど、見ごたえがありかつユニークな動画になっています。
2021年「まことのワクワク発信!放送局」がミュージックビデオを制作
ドローンを駆使した学校紹介ビデオを制作し大成功だった福山誠之館高校放送部。
2021年のオープンスクールで公開する学校紹介の動画として、あらたにミュージックビデオを制作することになったきっかけは何だったのでしょう。
きっかけは誠之館高校OBのコロナ禍でも希望を持ってチャレンジする姿
2020年のオープンスクール用学校紹介ビデオを無事制作した放送部は、次に福山誠之館高校OBを中心にしたインタビュー動画、「コロナ禍に立ち向かう大人たち」の制作に取りかかります。
コロナ禍に立ち向かう大人たちの1回目をYouTubeに投稿したのは2021年2月。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、日常生活に制限が多くなるなかでも、創意工夫によりいろいろなことにチャレンジする誠之館高校OBを中心にインタビューします。
インタビューを通して、もっとできることが自分たちにもあるのではないかと考えるようになったそうです。
その答えが、2020年に学校紹介ビデオの候補になりながら実現できなかった、ミュージックビデオを制作することでした。
それも、自分たちの想いを最大限伝えることができるオリジナル楽曲でのミュージックビデオ制作です。
オリジナルミュージックビデオの制作は、放送部有志と放送部以外の生徒の有志による部活動間の垣根をこえて結成されたプロジェクトチーム、まことのワクワク発信!放送局が行なうことになりました。
ミュージックビデオを実現するためにクラウドファンディングを利用
オリジナル曲を使ってのミュージックビデオ制作。
「プロジェクトチームの力だけでは、ミュージックビデオの完成までたどり着けない……」
そのように思ってしまうほど課題はたくさんありました。
一番の問題は資金をどうするか。
オリジナルの楽曲を用意するためには、作ってもらう人が必要です。
そのほか、動画の撮影や編集作業などの制作にかかる費用なども。
どうすればいいのか?考え出した答えはクラウドファンディングのCAMPFIRE(キャンプファイヤー)を使うことでした。
何としてもミュージックビデオは作りたい!その願いを多くの人に応援してもらおうと考えたのです。
目標額は970,000円!
CAMPFIREで集めたい目標金額は970,000円です。
作曲費用、動画制作費用、リターンの費用などに使う予定。
募集終了は2021年7月11日(日)と迫っています。
ユニークなリターンを多数用意
まことのワクワク発信!放送局は、ミュージックビデオが完成したあとに、支援者に返すリターンをいろいろ用意しています。
そのなかでユニークなのは、以下のリターン。
金額 | リターン |
---|---|
10,000円 | シルバーサポーター支援「草戸稲荷へコロナ収束とあなたの幸せを願いに行きます!!」 |
15,000円 | 放送部インタビュー企画「コロナに立ち向かう大人たち」に出演できる権利 |
シルバーサポーター支援の「草戸稲荷へコロナ収束とあなたの幸せを願いに行きます!!」は、高校生らしい発想でほっこりした気持ちになれるリターンですね。
放送部インタビュー企画「コロナに立ち向かう大人たち」に出演できる権利は、個人の活動や事業の内容を高校生に知ってもらういい機会になるかも。
プロジェクトの支援額は、500円から100,000円まで。
リターンはいろいろあるので、CAMPFIREのプロジェクトで確認してくださいね。
チラシを作り生徒自ら応援を募る
福山誠之館高校放送部を中心としたプロジェクトチームメンバーは、ミュージックビデオ制作プロジェクトのチラシを貼らせてほしいと、福山市内の企業や店舗を訪ねています。
2021年6月21日には、コロナに立ち向かう大人たちでインタビューした虎屋本舗の各店舗にチラシを貼らせてもらったそうです。
CAMPFIREのプロジェクトを成功させるために、全力投球しているまことのワクワク発信!放送局のメンバーと、福山誠之館高校放送部顧問の佐々木先生、外部講師の岡田さんにミュージックビデオ制作などについてインタビューしました。