令和6年1月21日(日)、福山生徒会連合が企画した2回目の「福山生徒会サミット」が開かれました。
サミットの場所は福山市立大学の大講義室。
第2回の福山生徒会サミットには、高校生だけではなく中学生も参加し発表しました。
一般公開された第2部と第3部のようすをレポートします。
記載されている内容は、2024年2月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
第2回福山生徒会サミットには中学生も参加!
第2回福山生徒会サミットは、第1回と比較して発表校の数が増えました。そして、注目するのは中学生が参加していたことです。
第2回の福山生徒会サミットのプログラムは、以下のとおりです。
- 1部 中学生・高校生交流会
- 2部 中学校プレゼンテーション:テーマ『自分たちが充実した中学校生活を送る為に実現させたいこと』
- 3部 高校プレゼンテーション:テーマ『自分たちが充実した高校生活を送る為に実現させたいこと』
1部は生徒会と学校関係者、スタッフのみ参加可能でした。2部と3部は一般公開されました。
主催は、一般社団法人ふくやま社中「中・高校生の居場所づくりSTUily(スタイリィ)事業部」。
運営と企画は、福山生徒会連合が担っています。
第2回の福山生徒会サミットの発表は、計7校です。
- 福山市立城南中学校
- 福山暁の星女子中学・高等学校
- 広島県立福山商業高等学校
- 広島県立福山誠之館高等学校
- 銀河学院高等学校
- 盈進高等学校
- 福山市立福山高等学校
第1回の4校から7校へと発表校が増え、熱気あるプレゼンテーションを各校が展開しました。
プレゼンテーションのあとは、コメンテーターの福山市長 枝広直幹(えだひろ なおき)さんと特定非営利活動法人学習支援ヴァパウス代表 木村素子(きむら もとこ)さんによる質疑応答が展開されます。
生徒の皆さんにあたたかいフィードバックが返されていましたよ。
2部 中学校プレゼンテーション
1部は中学生・高校生限定の交流会が開催されました。筆者は2部からの参加だったため、どのような内容であったか体験できなかったのですが、自己紹介や9マス鬼ごっこなどを取り入れ、学校の枠をこえての新しいつながりができた交流会だったそうです。
そして2部が中学校のプレゼンテーションです。
テーマは「自分たちが充実した中学校生活を送る為に実現させたいこと」。
発表校は福山市立城南中学校。
第1回の福山生徒会サミットは高校生の発表でした。第2回は城南中学校が参加したことで、福山生徒会連合の活動が広がっていると実感しました。
城南中学校生徒会の思いがつまったスローガン
城南中学校の皆さんの2023年度(令和5年度)生徒会スローガンは「絆繋(きずな)個彩を認め合えるチーム城南」です。
一人ひとりにはそれぞれの色がありチーム城南を彩るという意味を込め「個彩(こせい)」という言葉を使っています。
- 学年を越えたつながりを深めたい
- 一人ひとりの個性を大切にしたい
この二つの思いがスローガンには込められているそうです。
学年を越えたつながり
最初のスローガン「学年を越えたつながりを深めたい」について、スタディプロジェクトとクリーンアップデイの取り組みが発表されました。
- スタディプロジェクト…放課後に学びたい人たちが学年を越えていっしょに勉強するプロジェクト
- クリーンアップデイ…教室以外の場所を学年をこえてみんなでいっしょに掃除するプロジェクト
学年をこえた絆が深まったようすを、しっかりと伝えていました。
一人一人の個性を大切に
次の「一人一人の個性を大切にしたい」については、校則の見直しに取り組んだそうです。
生徒全員からの校則見直しの要望を出してもらい、生徒会役員が校則の変更ができるかどうかの議論を繰り返し検討。
この過程を経て見直したのが三つの校則です。
- 靴の色の自由化
- 体操服のシャツ出し可
- 手持ち扇風機登下校中使用可
見直すことになった校則の変更の目的、理由、経緯などをまとめた動画もプレゼンテーションのなかで披露されました。
城南中学校の皆さんの発表は、トップバッターの緊張感があったと思いますが、堂々としたもの。
スローガン「絆繋(きずな)個彩を認め合えるチーム城南」を実現しようと奮闘する生徒会の発表に、心のなかで「がんばって!」とエールを送りました。
福山生徒会連合とSTUilyの取り組み
城南中学校の発表のあとは、福山生徒会連合とSTUily(スタイリィ)の取り組みについての説明がありました。
福山生徒会連合は、生徒会連合加盟校の拡大と、高校生の高校生のためのイベントを開催することが目標だそうです。
福山ばら祭のような大きいイベントを自分たちで開催したいと熱く語ります。
STUilyの説明で注目したのは、大学生のサポートメンバーによる高校生に向けた無料塾。
iti SETOUCHIで2024年3月6日(水)に開講する予定です。
大学生も動いています!
3部 高校プレゼンテーション
3部は高校のプレゼンテーションです。合計6校の発表がありました。
テーマは「自分たちが充実した高校生活を送る為に実現させたいこと」
各高校の発表のようすを紹介します。
福山暁の星女子中学・高等学校
福山暁の星女子中学・高等学校の生徒会のスローガンは「Are you ready? せーのっ!で歩もう 笑顔溢れる未来」です。
みんなで手を取り合って、笑顔あふれる生活を一緒に作っていこうという思いが込められているそうです。
このスローガンを目標として、生徒が安心して自分を表現できるあたたかく過ごしやすい学校づくりを目指して活動しています。
制度改善等について中高いっしょに活動する暁の星女子中学・高等学校。
2023年度(令和5年度)は「パンツスタイルの導入」と「団子型の髪型の許可」の2点を中心に活動を展開しています。
上記2点を検討項目に取り上げたのは、校内に設置している「改革箱」に入れられている意見のなかで多く書かれている項目だったのがきっかけ。
今後も「改革箱」を有効活用し、生徒自身が制度改善に関わる体制を目指すそうです。
広島県立福山商業高等学校
2024年度(令和6年度)に創立60周年を迎える福山商業高等学校。
「創立60周年に向けて、何か福商(福山商業高等学校)を盛り上げて行きたい」と考えて作成したスローガンが、できあがるまでの発表です。
スローガンを作成する準備として「福商の良いところ」や「福商にたりないところ」などのアンケートをづくり生徒の皆さんに協力を呼びかけました。
そして決まったスローガンは
「福笑生徒スローガン」
『互いの良さを引きだし合う学校』
〜挑戦が経験になり、学びを深める生徒〜
福笑生徒スローガンの福笑は、福山商業高等学校で伝統的に使われている造語だそうです。
今後は、スローガンの認知度を高め、スローガンを生かした活動をしたいと決意を伝えてくれました。
広島県立福山誠之館高等学校
福山誠之館高等学校の生徒会活動は、企画・広報・会計の3部門に分かれています。
広報部門として、学校行事や生徒会の取り組みなどを紹介する生徒会広報紙「誠流」を、月に1回発行しています。
「誠流」では、目安箱の報告もしているとのこと。
生徒一人ひとりの意見を生徒会執行部が生かし切れていないことに問題意識を持ったことが、目安箱を設置するきっかけになったそうです。
生徒の意見のなかにある新しいアイデアを集めるための目安箱を活用し、生徒会活動のレベルアップを目指しています。
「卒業生へのメッセージボード」は、目安箱によって実現したもの。
生徒間で意見交換をおこない、生徒会行事をみんなで創り上げ、オリジナリティあふれる行事にすることが、今後実現したいことだと力強く発表しました。
銀河学院高等学校
銀河学院高等学校は、進路実現と地域とのつながりの強化に取り組んでいます。
進路実現は「L↑PEX(ライペックス)」プロジェクト。
職業を実際に体験して進路を決めたいとの思いから始まったL↑PEXは、体験型進路説明会のスタイルで生徒の皆さんの要望に応えています。
L↑PEXで、ネイルアーティストやメイクアップアーティストを体験しているようすが発表されました。
eスポーツ(esports)や動画編集の体験もできるそう。
地域とのつながりの強化は、粗大ゴミ収集と神輿(みこし)の担ぎ手です。
地域のかたがたといっしょに学校周辺の清掃したことをきっかけに、何か地域のかたに協力できることはないかと考えた答えが、粗大ゴミ収集と神輿の担ぎ手の活動だったそうです。神輿が予想以上に重かったので、生徒会メンバーは交代しながら協力したことを伝えました。
盈進高等学校
盈進高等学校の発表は、地域のかたと関わる行事を紹介しながら「なぜ地域とのつながりを大切にしているのか」についての説明から始まりました。
- 盈進が福山の土地で119年やってこられたのは地域のかたのおかげだから、地域のつながりを大切に
- 福山に将来貢献できる人を育成するのが教育方針
地域に貢献できる人を育てるには、地域のかたとのつながりが必要不可欠と考えています。
いつもお世話になっている地域のかたに感謝の気持ちを込めておこなっているのが清掃活動(プロジェクトC)です。
しかし、清掃活動は地域に限られているので、大規模な清掃活動をする企画を提案しました。
それが、テレビ番組の「逃走中」に着想を得たゲーム感覚でのごみ拾いイベント「清掃中」。
地域と学校とのつながりを強化し、地域のかたとコミュニケーションをとりながら福山市内の大きなエリアで清掃活動を楽しんでできる清掃中は、生徒会サミット参加校が協力すれば実現する企画になりそうです。
福山市立福山高等学校
福山市立福山高等学校生徒会執行部は、生徒会の役割として、生徒全員が充実した高校生活を送れる学校にすることと考えています。充実した高校生活には現実のコミュニケーションが必要です。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、対面のコミュニケーションが苦手になっている生徒たち。
生徒たちのコミュニケーションを増やすために何ができるかを、生徒会執行部は考えました。
そこで登場するのが、校内で飼われている羊のもふお!
羊のもふおといっしょに生徒間の絆を深める(強める)企画を考えたのです。
- もふおとお散歩デート
- もふおに愚痴を聞いてもらう会
- もふおグッズの開発販売
なかなかユニークな企画ですが、効果はありそうですね。
「もふおグッズを共同開発してくれる企業パートナーを募集しています!」との呼びかけで発表をしめくくりました。
おわりに
2回目となる福山生徒会連合が企画した福山生徒会サミットは、中学生の参加があるなど確実に広がりを見せています。
生徒会が中心となり、問題点を洗い出し解決策を考えるなど、各学校の発表には熱意を感じました。
福山の中学高校の生徒会にまだまだ参加してほしいと考える福山生徒会連合の希望は、着実に進み現実のものとなる予感がします。福山だけではなく備後地域にある学校を巻き込んで、さらに進化してほしいと思います。
福山生徒会サミット第3回が今から楽しみです。
- 写真一部提供:山口ちゆき
第2回福山生徒会サミットのデータ
名前 | 第2回福山生徒会サミット |
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期日 | 令和6年1月21日(日)午後12時30分から |
場所 | 福山市立大学大講義室 |
参加費用(税込) | |
ホームページ | 一般社団法人ふくやま社中 |