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HATA ISM「ラーメン」のオーナー・シェフの畠 浩章さんへインタビュー
こだわりの洗練されたラーメンが楽しめるHATA ISM(ハタイズム)「ラーメン」。
オーナーでシェフの畠浩章(はた ひろあき)さんに開業の経緯や店のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。
レストランのシェフだったがコロナ禍が転機に
もともとシェフをしていたと聞いた。
畠(敬称略)
私は福山で生まれ育ちましたが、学校卒業後に福山を離れて料理の世界に入り、イタリアなどの欧州や東京など国内のガストロノミーのレストランでシェフとして働いてきました。
ガストロノミーというのは、地域の風土・歴史・文化を料理で表現することです。
なかには、二つ星や三つ星の店もありました。
海外ではトータルで6〜7年、国内ではトータル10年くらい働いたでしょうか。
転機となったのは、新型コロナウイルス感染症の流行でした。
そのころ東京のレストランでシェフをしていたのですが、コロナ禍の影響で営業が不振となったのです。
もともと東京の生活について「家賃が高くて人が多く、自然も少なくて暮らしにくく疲れるな」と感じていました。
しかし仕事や生活が忙しくて、そんな気持ちを深く考えることがなかったのです。
コロナ禍になって暇な時間が増えると、東京の生活の嫌な部分についてあらためて考えるようになりました。
これは私だけでなく、まわりの同世代の料理人も同じ境遇だったんです。
そんなときに声がかかって、生活困窮者向けの炊き出しに参加することになりました。
そこでいっしょに参加した料理人が「俺たちはふだん高級な料理を富裕層向けにつくっているけど、この人たちが俺たちの店に来て俺たちがつくった料理を食べることはあるんだろうか」と話したんです。
この話を聞いて私は「もともと俺は、人を選ぶような料理をつくりたかったわけじゃなかったよな」と思うようになりました。
ただ食材にこだわり、調理法などにこだわると、必然的に料理の価格は高くなってお客様も経済的に余裕がある人になるのは自然の流れではあります。
しかし、どこか違うなと思うようになりました。
やがてまわりの料理人のなかに、地元に帰ったり地方へ移住したりして店を開く人が出てきました。
そこで私も地元・福山に帰って店をしようと思ったんです。
ラーメン店を開業することになった経緯を知りたい。
畠
東京と福山では環境が違うので、同じような感覚で店はできません。
とはいえ、食材や調理法に妥協をしたくありませんでした。
そこで思い至ったのが、ラーメンだったんです。
ラーメンは、世界に通用する日本の料理。
さまざまなジャンルがあって、自分のアイデアを生かせる余地があると思いました。
さらに大衆的な料理なので、人を選ばず多くのかたに食べていただけます。
妥協せずに、あまり高くならない価格で提供できそうでした。
こうして2022年(令和4年)11月にHATA ISM「ラーメン」としてプレオープンし、翌年1月に正式オープンに至りました。
ラーメン店を開業するにあたり、修業をしたのか?
畠
いいえ。ラーメンの修業はしていません。
というのも、ラーメンのダシ取りなどスープづくりは、私のいままでの料理経験・知識が生かせるから。
ブイヨンづくりなどは、ダシ取りに応用できます。
あとは独学でいけました。
大変だったのは、ラーメンとして提供できる価格にすること。
ラーメンとしてお客様が出せる金額にするため、使う食材や調理法を工夫する必要があり、そこがかなり苦戦しましたね。
しかも、電気料金や食材価格の高騰もありました。
これは開業後、現在(2023年9月取材時点)までたびたび原料価格の高騰があり、ずっと試行錯誤していることです。
開業時に提供していたメニューは現在とは違うものでしたが、価格維持が難しく、一新して現在のものになりました。
お客様の負担にならない状態で、よりおいしくこだわったものが出せるよう、原料価格と格闘しながらいろいろ研究しています。
地元を感じる食材を使用
HATA ISM「ラーメン」の特徴やこだわりは?
畠
ひとつは、ラーメンに「瀬戸内」や「中国地方」を感じる食材を使っていることですね。
大量に使っている煮干しは瀬戸内海で獲れたものですし、地鶏は四国産。
アサリも瀬戸内海産が中心で、シジミは島根県の宍道湖産です。
さらに瀬戸内の海塩や、鞆の浦の本みりんなども使っています。
これは意図的に選んだわけでなく、「これがいいな」と選んでいった結果、たまたま瀬戸内・中国地方のものがそろいました。
福山で育ったので、DNAにでも組み込まれているのでしょうか(笑)。
ふたつめのこだわりは、化学調味料を使っていないこと。
ですので、天然の調味料を使っています。
福山になくて、かつ福山に受け入れられるものを
店を運営するうえで大事にしていることは?
畠
「福山になくて、かつ福山に受け入れられるものを提供する」というコンセプトのもとで、営業しています。
福山のラーメンといえば、尾道系の醤油ラーメンが多いですよね。
次いで、豚骨系のラーメン。
それ以外のタイプのラーメンは、少ないと感じています。
手探りしながらですが、地元のかたがアッと驚きながら、おいしいと思ってもらえるラーメンを提供していきたいです。
あと私は、福山駅に比較的近いところで生まれ育ちました。
ですから福山駅前や中心市街地には、かなり愛着があります。
福山駅前・中心市街地を、いっそう盛り上げていきたいという気持ちは強いですね。
今後の展望
今後の展望ややってみたいことがあれば、教えてほしい。
畠
さきほど開業時のメニューを一新した話をしましたが、そのとき鶏白湯(とりパイタン)のラーメン「拍麗ラーメン」がありました。
最近になり、お客様から拍麗ラーメンの復帰を求める声がかなりあるんです。
これは想定外でした。
ですから直近の課題は、拍麗ラーメンの復活ですね。
なんとかふたたび出せる金額になるよう、食材などを調整して研究中です。
あとは、店の知名度をもっと高めたいですね。
もっと地元での知名度を高め、もっと大勢の地元のお客様に来ていただき、福山駅前を盛り上げたいですね。
おかげさまで、近隣のラーメン激戦区・岡山から噂を聞きつけて来店されるかたも多く、「とてもおいしい」「近くにあったら毎週食べたい」という感想をいただいております。
少しずつですが、当店のことが知ってもらえているなと感じています。
もうひとつの目標として、福山でのラーメンのイメージを変えたいです。
いい食材を使って、東京など都会と遜色ないレベルのラーメンをつくってみたいですね。
HATA ISM「ラーメン」
数々のレストランでシェフをしてきた経験を生かし、福山ではあまりない洗練されたラーメンを提供するHATA ISM「ラーメン」。
ぜひ福山駅前を訪れて、店主のこだわりが詰まったラーメンを味わってみてください。
HATA ISM「ラーメン」のデータ
名前 | HATA ISM「ラーメン」 |
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住所 | 広島県福山市三之丸町3-4 松本ビル1階 |
電話番号 | 080-9153-2588 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午後12時〜午後2時(日曜日は午後3時まで) 午後5時30分〜午後9時30分(材料なくなり次第閉店) |
定休日 | 月 日の夜営業 ※月曜日が祝日の場合は、火曜日と月曜日の夜営業を休業 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 不可 ※貸し切りの場合は予約可能 |
座席 | 全23席 ・カウンター:9脚 ・4人がけテーブル:2卓 ・6人がけテーブル:1卓 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ・ベビーカーの入店可能 ・幼児用食器あり |
バリアフリー | 車椅子の入店可能(トイレは非対応) |
ホームページ | HATA ISM「ラーメン」公式Instagram |