陽だまりパン工房店主「原田泰造(はらだ たいぞう)」さんインタビュー
原田
そうですね…そんなたいした話はないんですけどね、なりゆきというか(笑)。
もともとパンは好きだったのでいろいろなお店を食べ歩きしたけど、なかなか「美味しい」と思うパンに巡り合うことがなかったですね。
だけど、岡山に一軒だけ「ここだ」と思う美味しさのパンがあって。
そこはフランチャイズのパン屋展開をしていたので、しばらく講習を受けてこの場所にお店を構えました。
オープンしたときは慣れてないもんだから、とにかくパンが間に合わなくて大変でした。午後3時くらいにはなんにもなくなっちゃって。
開店してから1週間くらいは「わーっ」とお客さんが来てくれて、そのあとピタっと止まっちゃった(笑)。
最近やっとリズムがつかめてきたような気がしています。
お店の場所ですが、笠岡のショッピングセンターに決めた理由はありますか。
原田
ここは駐車場が広いでしょう。
近くに図書館や郵便局なんかの公共の施設も多いし、子供連れのお客さんなんかも気軽に寄ってもらえるかな、と思ったんです。
もともと私は福山に住んでいるけど、笠岡は友達もいるし、よくお店に来てくれています。
看板やチラシもイラストレーターの友人が書いてくれたんですよ。
お店で出しているパンへのこだわりはありますか。
原田
やはり安心安全、無添加ということです。
小麦はもちろん、材料もなるべく国産、いつでも何かしらの焼き立てパンが並ぶように、パンを焼くスケジュールも考えています。
品物でいうとカレーパンや塩バターロールが人気だけど、くるみのパンも良く売れるんですよ。
くるみはオレイン酸が豊富で健康志向の人に良いんでしょうね。
シンプルなくるみパンは、さつまいもと合わせたりクリームを挟んだり、種類も多くそろえています。
お店のオープン日には、音楽イベントが開かれたとお聞きしました。
原田
オープン日だけでなく、いままでも不定期で行っていたんですよ。
私は音楽をずっと続けていたので、その音楽仲間を集めてお店の前でハワイアンとフラのイベントをしたり、琉球音楽とかね。
コロナ禍の今はそういうイベントもやりにくいけど、屋外だし、ソーシャルディスタンスを保ちながら定期的にやっていきたいですね。
では、今後もイベントは継続して行くのですね?
原田
そうですね。新型コロナウイルス感染症でなんだか窮屈(きゅうくつ)になっちゃって、いろいろなことが無くなってつまらないじゃない。
そんななかでも、地域の人たちと楽しめることをやっていきたいな、と思っています。
あとはパン屋のほうもリピーターが増えて、広範囲の人に来てもらえるようになるとうれしいんだけど(笑)。
お客さんの裾野を広げられるように、パンも頑張って焼いていきたいですね。
おわりに
図書館帰りの赤ちゃん連れのママさん、すぐ近所に住んでいる年配の人、お母さんと一緒に来た学校帰りの1年生の男の子。
お店を取材中に来たお客さんは、みんなパンを抱えてとても嬉しそうにしていました。
「近くにできてよかったわ。それにね、ここのパンとっても美味しいのよ」
好物だというあんパンを抱えたおばあさんの笑顔が、とっても素敵で印象に残っています。
これからも安心安全で、美味しいパンを作り続けてほしいですね。
特に焼き立ての塩バターロールの美味しさったら!ぜひ一度味わってみてください。