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今川茶舗の代表・今川幹康さんへインタビュー
抹茶から緑茶・番茶、また紅茶などのいろいろな茶、茶道具まで茶に関することなら幅広く取り扱っている今川茶舗。
今川茶舗を運営する株式会社 今川茶舗の代表・今川 幹康 (いまがわ もとやす)さんにインタビュー。
創業の経緯からお店の特徴・こだわり、今後の抱負などについて話を聞きました。
日用品店からお茶の専門店へ
今川 (敬称略)
昭和6年(1931年)に私の曾祖父が創業しました。
令和2年(2020年=取材時)で創業89年になります。
始めた場所は福山駅前ではありましたが、今とは少し違う場所です。
また、創業時は衣料品などの日用品などを販売する店でした。
その後、戦災を受けて戦後に今の場所で店を再開したんです。
このときに、お茶を販売する店がいいのではないかと親戚からアドバイスを受けて、お茶をし始めました。
店で売るだけではなく、リヤカーで売りに出たりもしていたそうです。
今川
子供のころから見ていますし、店を継いだのは自然な流れでした。
学校を卒業したあと、勉強のために取引先でもある茶園・茶問屋で働きました。
約2年そこで働いて、その後に今川茶舗で働き始めたんです。
代表になったのは、平成30年(2018年)でした。
私で四代目ですね。
要望に応じて茶葉のブレンドができるのは茶舗ならではの強み
今川
お客様の要望を聞いて、茶葉のブレンドができることですね!
量り売りで注文してから詰めるので、要望どおりに調整ができるんですよ。
この茶葉とあの茶葉を混ぜてみてほしいとか、お好みの茶葉に玄米を混ぜて玄米茶にしてほしいとか、抹茶を混ぜてほしいとか。
渋いのが好きなので渋くしてほしいとか、子供がいるので飲みやすくしてほしいとかもOKです。
環境や好みに応じて、細やかな調整ができるのが強みですね。
お茶の産地や銘柄もいろいろあり、それぞれ特徴も異なります。
たくさんの中から選べたり、組み合わせたりできるんですよ。
家にあるお茶に炒り米を混ぜて玄米茶にしたいというときに、炒り米だけの販売もできます。
お茶はふだんの食卓で飲んだり、お客様が来たときに出したりするものです。
ですから、それぞれのケースに合ったお茶があればうれしいですよね。
これはペットボトルや缶入りなどのお茶や、量販店のお茶などではできない、茶舗ならではのメリットだと思います。
今川
お茶のすごいところは、市場価格の上下があまりないんです。
つまり、毎年品質がほぼ一定しているんですよね。
もちろん茶葉は植物ですから、毎年の環境によってバラツキはあると思います。
ただ「茶師」と呼ばれるかたが、品質が一定になるように茶葉をブレンドしたりして調整しているんです。
この茶師の腕がすごいんですよ。
毎年品質が一定しているので、いつも同じくらいの価格で安心しておいしくお茶が飲めます。
これが、お茶の魅力じゃないかと思いますね。
今川
福山は城下町だったからなのか、茶道が盛んな地域なんですよ。
だから自然と当店でも茶道具も置くようになりました。
今も、茶道をされているかたが当店でお茶や茶道具をお買い求めいただけることが多いです。
ただ、どうしても茶道関係をメインにしているだけでは、厳しくなります。
茶道は経済的・時間的余裕がないとやりにくいというのもあり、茶道人口もあまり増えていません。
今は普段飲むお茶もペットボトルや缶で販売していますよね。
だからただお茶や茶道具を売るだけでは、厳しくなっていくと考えています。
なので、いろいろお茶の店だということを生かした方法を試しているんです。
茶・茶道具を売るだけでなく抹茶ラテや抹茶アフォガードなどのイベント販売も
今川
地元のイベントで出店し、そこで抹茶を使ったデザートを出してみました。
最初は普通にお茶を出していたんですが、ある年にアイスクリームに抹茶をかけたアフォガードのようなものを出したんです。
すると、これが予想以上の大人気で。
でも翌年にも同じように出したら、少し気候が寒くてあまり売れなかったんです。
そこでその次の年は、気候に左右されにくい抹茶を使ったものは何かと考えました。
その結果、抹茶ラテを出したんです。
そうしたら、それも大ヒット!
抹茶ラテに手応えを感じました。
今川
そうですよね。
京都の有名な茶舗に行ったときお客がまばらでしたが、抹茶スイーツを出していたカフェは人気だったんですよ。
やっぱり、普通にお茶を売っているだけではダメだと感じましたね。
その後、当店の数軒となりに日替わりで店主が替わる「ザ・スナック」という店ができました(現 旧水曜カレーの場所)。
そこで曜日限定で、抹茶ラテをメインにしたカフェをしてみたんです。
おかげさまで多くのお客様に来ていただけました。
2020年の春にザ・スナックが閉店してしまいましたが、そのあと近くにあるAREA INN FUSHIMICHO カフェラウンジにお声がけいただいたんですよ。
コラボレーションという形で、抹茶ラテや抹茶アフォガードなどを期間限定販売しました。
これも大変好評でして、前のザ・スナックのときにファンが多くついてくれたんだなぁと感じましたね。
そこからクチコミでも広がったようで、うれしい限りです。
今川
やっぱり抹茶が違います!
当店の抹茶ラテや抹茶アフォガードは、抹茶の風味が濃厚ですよ!
抹茶ってすごく管理が難しいんです。
すぐ色が変わったり、風味が変わったりするんです。
ですから、ほかでは食品加工に使いやすく改良された「製菓用抹茶」を使ったりします。
当店は茶の専門店ですから、抹茶の管理は毎日おこなっています。
だから抹茶ラテなども製菓用抹茶ではなく、本来の抹茶を使えるんですよ。
本来の抹茶ですので、抹茶特有の風味や味わいが濃厚に楽しめます。
カフェコーナーを新設して抹茶ラテなどの販売をしたい
今川
実は今、店舗をリニューアルしてカフェコーナーを設ける計画をしています。
カフェコーナーで、好評の抹茶ラテや抹茶アフォガードを常時楽しめるようにする予定です。
今、伏見町は店が増えてきて人通りも多くなっているので、さらに盛り上げられたらいいなと思います。
カフェコーナーでお茶の飲み比べなんかもできればおもしろいかなと。
またクレープやアイスクリームなど、抹茶を生かした当店らしい新商品の開発もしたいですね。
すでに好評の抹茶ラテも、ミルクをもっとおいしくできないかとか、ホットにできないかなど、いろいろ改良を加えていきたいです。
カフェコーナーをキッカケにして、抹茶や緑茶の魅力を再発見してほしいですね。
抹茶は茶道じゃなくても、茶筅さえあれば家庭で気軽に楽しめます。
カフェコーナーから抹茶や緑茶などの魅力を広めていきたいですね。
令和3年(2021年)10月4日(月)に、今川茶舗がカフェコーナーを併設してリニューアルオープン!
抹茶ラテやほうじ茶ラテ、アフォガート、ソフトクリームなどを店内・テイクアウトで販売しています。
カフェコーナーの営業時間は、午前11時〜午後5時まで。
今川茶舗でいつものお茶をちょっと違った味わいに
現代社会では、ふだん飲むお茶を茶舗に買いに行くことは少ないかもしれません。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアーで売っている量販もののお茶だったり、ペットボトル入りや缶入りのお茶だったりしますよね。
でも、たまには専門店のお茶を買ってきて、ちゃんといれたお茶を飲むと、あらためてお茶のおいしさに気づきます。
また代表の今川さんが話していたように、茶道をしないとなかなか縁がないと思いがちな抹茶も、気軽に家庭で味わえます。
ぜひ今川茶舗で、いつもの家庭のお茶を少し違った味わいに変えてみませんか。
自分好みに調整してもらえるのも魅力です。
あと、計画中の今川茶舗のカフェコーナーも楽しみです。
今川茶舗の抹茶ラテを、早く味わいたくてたまりませんね。
今川茶舗のデータ
名前 | 今川茶舗 |
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住所 | 広島県福山市伏見町4-14 |
電話番号 | 084-922-1013 |
駐車場 | あり 約10台 |
営業時間 | 午前10時〜午後6時 |
定休日 | 日、祝日 |
支払い方法 |
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ホームページ | 【茶・茶道具の店】 今川茶舗 |