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衣笠の代表・衣笠 善人さんにインタビュー
鞆の浦近海の魚介をはじめ、四季折々の旬の魚や野菜を使った料理が楽しめる季節料理 衣笠。
運営する有限会社 衣笠商店の代表・衣笠善人(きぬがさ よしと)さんに話を聞きました。
インタビューは2021年4月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
父が平成元年に創業。祖父母は魚の卸売をしていた
創業の経緯を教えてほしい。
衣笠(敬称略)
当店は1989年(平成元年)に、父が創業しました。
でも実はそれより前に、ずっと祖父母が鞆で鮮魚の卸売の仕事をしていたんですよ。
地元の市場で魚介類を仕入れ、おもに店や企業などに卸していました。
ただ父は時代の変化などから飲食店に目を付け、自分で飲食店を開業する道を選んだようです。
私はそのような環境のもとで育ったので、将来の進路も自然と父と同じ道を選びました。
高校卒業後は調理師学校に進学し、そこを卒業後は大阪で和食系の飲食店に2年ほど働いて修業しています。
その後、鞆に帰郷して「衣笠」で調理の仕事を始めました。
現在、衣笠では私と父のほか、もう一人の従業員と3人で調理を担当していますよ。
なお祖父母がやっていた鮮魚の仕事は、おじを経て、現在は私の弟がおこなっています。
時季ごとの旬の食材にこだわる
衣笠の特徴やこだわりを教えてほしい。
衣笠
「季節料理」を掲げているように、時季ごとの旬の食材を使った料理が当店のこだわりです。
料理で四季を感じられるということですね。
鞆の浦という環境ですから、鞆や周辺地域の海で取れた魚介が多いです。
ちなみに弟の鮮魚の店からも、仕入れたりしますね。
ただ、必ずしも地元の魚介ばかりではありません。
時季ごとに旬でおいしい食材を使うため、各地から仕入れたりもしているんです。
たとえば、今の時季(取材時=3月)なら新潟沖の日本海で取れるメギスを仕入れています。
北海道からキンキを取り寄せたりもしますよ。
もちろん魚介だけでなく、野菜も時季ごとにおいしいものを全国より仕入れています。
地元のお客様からは「地元ではふだん食べられない食材が食べられる」と好評です。
かつての同級生が食べに来てくれるのがうれしい
店をしていて、良かったことはある?
衣笠
昔の同級生が私に会いに来て、料理を食べてくれるのがうれしいです。
飲食店のような仕事をしていないと、なかなか同級生が会いに来てくれることは少ないと思います。
だから、同級生が来てくれたときに「飲食店をしていて良かったなぁ」と、しみじみと感じますね。
あとは地元のかたによく来てもらえることです。
法事のあとの会食や、近隣の企業が利用してくださるのは、当店が地元に定着した証ではないかなと思っています。
正直、うれしいですね。
商店同士が連携して鞆を盛り上げたい
今後の展望ややってみたいことはある?
衣笠
鞆地区は、前に比べて宿泊施設が増えました。
その流れのなかでゲストハウスと連携し、ゲストハウスの晩ごはんを当店で提供する予定があります。
このように、鞆地区にある店で連携して地域を盛り上げたいなと思うんです。
さらには、鞆を盛り上げるようなイベントができたらいいなと。
よくa cafeの坂谷さんとも、いっしょに何かできたらおもしろいだろうという話をしたりするんです。
ときどき福山駅前でやっているマルシェイベントのようなのも、おもしろいんじゃないかと思いますね。
四季折々のおいしい食材を楽しめる衣笠の料理
鞆といえば鯛めし・かぶと煮などの鯛料理。
衣笠の鯛めしやかぶと煮などの鯛料理は、とてもおいしいです。
ただせっかく衣笠に来たのなら、鯛料理だけでなくさまざまな旬の食材を使った料理も楽しんでみてください。
四季折々のこだわりの食材をていねいに調理した料理の数々は、どれも魅力的です。
鞆の浦に来た際は、ぜひ衣笠で食事してみてはいかがでしょうか。