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「島ライダー」若松さん夫婦にインタビュー
レンタルバイク「島ライダー」と、併設する宿「尾道stay 源 -MINAMOTO-」を運営する若松悠也(わかまつ ゆうや)さん、若松真実(わかまつ まみ)さん夫婦にお話を聞きました。
地元の観光消費に貢献したい
島ライダーを始めた理由を教えてください。
若松悠也(敬称略)
私は因島で生まれ育ったのですが、地元の人から「サイクリストがたくさん来るけれど、なかなか消費に結びつかない」という声を聞いていました。
サイクリングを趣味とする人は、走ることが目的。観光や寄り道せずに走り切って帰ってしまうことも多いです。
一方、「観光を楽しみたい」と思って来てくれるサイクリング初心者のかたにとっては、しまなみ海道はアップダウンが想像以上に激しいという声をよく聞きます。
向島から因島、ひとつの島を渡ってしんどくて引き返してしまう観光客のかたたちを、小さいときから見てきました。
また、自転車は積載量がないので、お土産を買いにくいです。
自分自身は、ずっとバイクに乗っていたので、そのしんどさを感じず、旅先でおいしいものを食べるし、お土産を買う楽しみを知っています。
しまなみ海道はあちこちに魅力的なスポットが点在しているので、もっと先まで行って、観光を楽しんでほしい。
自転車ではなくバイクのレンタルができれば、地元の観光消費がぐっと上がるだろうと考えて、「島ライダー」をスタートしました。
原付バイクだと体力に自信がない人でも観光が楽しめますよね。真実さんも元々ライダーなのですか?
若松真実(敬称略)
私は島ライダーを始めてから、原付バイクに乗るようになりました。
島ライダーを始めるまでは夫婦で山口県に暮らしていたので、そもそもしまなみ海道の橋を、125cc以下のバイクは専用道を走るということさえ知らなかったんです。
自分で実際に原付バイクで走ってみて、操作は簡単だし、のどかな道が多いし、しまなみ海道を楽しむなら原付バイクがぴったりだと感じました。
潮風を感じて、花の香りまで楽しめて、まさに五感で楽しめる旅。
とはいえ、原付バイクに乗る前の初心者のかたの気持ちがよくわかるので、事前のメール連絡や、レクチャーするときには、不安を解消できるように心がけています。
車の免許を持っているけど原付バイクにはほとんど乗ったことがないというかたでも、楽しめることを伝えていきたいです。
これまでどんなかたがいらっしゃいましたか。
若松悠也
バイクに乗ったことがある男性グループが多いですが、初心者のかたが全体の3割くらいいらっしゃいます。
ご夫婦で来られて、だんなさんがライダーで、奥さんがバイクに乗ったことがないという組み合わせも多いです。
若松真実
2023年4月にレンタルバイクをスタートして、すでに3回、熊本県から来てくださったかたもおられます。
ほかに印象深かったのは、サイクリストの息子さんについて行けるように、お母さんが原付バイクをレンタルして、ふたりで旅に来ていた親子のかた。
違う乗り物でも一緒に旅を楽しめるのも、しまなみ海道の良さかなと思います。
あとは海外からの旅行客も増えています。
若松悠也
しまなみ海道の観光を楽しみたいという、一般の観光客のかたにこそ利用してほしいです。
遠方からであっても公共交通機関や宿と組み合わせて気軽に楽しめるのが島ライダーの良さなので、全国各地から来てほしいと思っています。
旅の終着地ではなく「出発地」でありたい
宿泊施設「尾道stay 源 -MINAMOTO-」はどういった経緯でスタートしたのですか。
若松悠也
観光地として有名な尾道から、しまなみ海道はアクセスがいいにもかかわらず、尾道を観光したあとに広島などほかのエリアに行ってしまう観光客が多いんです。
尾道観光だけで帰ってしまう人たちを、しまなみ海道にも来てもらえるようにするにはと考え、宿泊施設を運営することにしました。
若松真実
なので、旅の終着地ではなく「出発地」であるような宿になりたい、という思いから、「源」という名前になったんです。
たとえば、前日に尾道観光を楽しんで、一泊して翌日は同じ場所からすぐにレンタルバイクで出発して、しまなみ海道を楽しめる。
そのような旅の提案もできます。
人と人をモビリティでつないでいく
今後のことについて教えてください。
若松悠也
とにかくしまなみ海道を楽しんでほしいと思っています。
「モビリティ」で観光客のかたたちと、島の事業者のかたたちをつなぐ役割になっていきたいです。
Instagramでしまなみ海道の見どころやお店を積極的に投稿しているのはそのためでもあります。
さらに新しいサービスも進んでいて、しまなみ海道唯一のバイク×キャンプセットの貸し出しを、2024年10月から開始しました。
バイクに荷積みまで済ませて貸し出しのため、お客様は事前予約の手続きのみで、手ぶらでバイクもキャンプも楽しめます。
しまなみ海道には、歩行者・自転車・125cc以下の原付バイクしか利用できない見近島キャンプ場があるほか、来年春には海の見えるキャンプ場をオープンできるよう、準備しています。
しまなみ海道の観光といえば「島ライダー」といわれるようになりたいです。
おわりに
私は全国を110ccのSuper Cub(原付二種)で走り回った経験があり、「どこが一番好きですか」とよく聞かれるのですが、聞かれたら毎回「しまなみ海道」と答えるほど、大好きな道です。
穏やかな海と橋の風景、全国的に珍しい原付バイクのための道「原付道」、グルメや人のあたたかさ。
小まわりのきく原付バイクだからこそ、楽しめる旅があると、しまなみ海道を走るたびに思います。
レンタルバイク「島ライダー」ができたことで、自由度の高い旅を、より多くの人に実感してもらえるようになりました。
これからどんどん進化しそうな「島ライダー」。五感で感じる島旅を体験してみてはいかがでしょうか。
島ライダー 向島営業所(尾道stay 源 -MINAMOTO-)のデータ
名前 | 島ライダー 向島営業所(尾道stay 源 -MINAMOTO-) |
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所在地 | 広島県尾道市向島町5534-60 |
電話番号 | 070-9006-1859 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 午前9時~午後6時 キーボックスによる無人での貸し出し・返却が可能 |
定休日 | なし |
利用料(税込) | |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 専用WEBサイトにて事前予約・決済 |
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