福山市の名産品のひとつが「保命酒(ほうめいしゅ)」です。
かつては幕府に庇護され高級品として大切にされていた保命酒ですが、現在では福山市民でも保命酒を知らない、飲んだことがない、という人も増えています。
その状況を変えようと、保命酒Bar「HOREI(ホレーイ)」を開き、保命酒の魅力を伝えている大学生がいます。
どのような経緯で保命酒Barを開いたのか、お話を聞いてきました。
2024年8月末、福山駅前のHOREIは閉店しました。不定期に開催するイベントなどについては、HOREIのInstagramを確認ください。
記載されている内容は、2024年1月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
保命酒Bar HOREIのデータ
名前 | 保命酒Bar HOREI |
---|---|
住所 | 福山市伏見町3-16 TKK伏見ビル(昼から酒場 泡幸の場所) |
電話番号 | |
駐車場 | なし |
営業時間 | 金曜日 午後7時~午前0時 |
定休日 | 月、火、水、木、土、日 |
支払い方法 |
|
予約の可否 | |
座席 | カウンター5席:テーブル数3 |
タバコ | 喫煙可能 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | 保命酒Bar HOREI |
保命酒Bar HOREI
福山に保命酒があることは知っていても、現在保命酒を製造しているのは4社だけであること、その4社の保命酒の味がまったく違うことを、知っている人は少ないかもしれません。
筆者もそんな一人でした。
HOREIのメニュー
「保命酒をあまり飲んだことがない人にぜひ挑戦してほしいのは、保命酒4種の飲み比べセットですね」
福山市立大学都市経営学部3年生の佐藤俊介(さとう しゅんすけ)さんにすすめられるまま、飲み比べセットを頼みました。
「まずは味の違いを確かめてみてください」
並べて眺めてみると、色も違います。ひとつずつ、香りを嗅いでみました。香りも、同じではありません。
一番色の薄い、入江豊三郎本店の保命酒からいただきました。最初に感じるのはしっかりした甘さです。
「入江豊三郎本店さんの保命酒が一番甘みが強いと思います。次を飲んでみてください」
うながされて、岡本亀太郎本店の保命酒を試しました。
たしかに味が違います。少し甘みが抑えられ、薬草の香りが強まりました。
これは興味深い。
次は色の濃い、保命酒屋(鞆酒造)をいただきます。さらに甘さが減り、薬草の香りが強くなりました。
最後に八田保命酒舗を。一番薬草感が強く、甘みはかなり抑えられています。
同じ保命酒でも、甘さと薬草感がまったく違うことがわかります。
「ストレートで飲むと味の違いをはっきり感じてもらえますが、そのまま飲むのが苦手でしたら、残りはリンゴジュース割りや牛乳割りなどにできますよ」
それも魅力的だと思いましたが、まずは4種類の違いをじっくり楽しんでみたくて、ストレートのまま飲み続けました。
なるほど、これが保命酒か……。今まであまり飲んでこなかったことが悔やまれます。
佐藤さんが友人たちとともに実際に自分たちで飲み比べて感じた味の違いを、グラフにしていました。実測値ではなく感覚を可視化した結果なので、自分の感覚と同じかどうかを比べてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
メニューには、保命酒を使った料理があります。まずは、手羽元の保命酒煮込みをいただきました。
保命酒で煮込んだ手羽元にかぶり付くと、手が止まらなくなりました!
保命酒は、みりんに薬草を浸して製造しています。そのため、保命酒で煮込んであっても違和感がないどころか、こっくりと深い味に仕上がるようです。実にHOREIらしいと感じました。
もう一品注文したのは、酒粕ポテトサラダ。
じゃがいもに刻んだベーコンとたくあん、玉子を加え、保命酒の酒粕とマヨネーズで和えています。
食感が楽しいうえに、酒粕の旨味がプラスされたポテトサラダは、やはりHOREIならではのつまみです。
次に、保命酒の牛乳割りを作ってもらいました。
注文時には4種の保命酒のどれにするかを指定します。
牛乳割りは保命酒の製造者もおすすめの飲み方だそうですが、配合比は佐藤さん自身がいろいろと試しながら調整したとのことでした。
驚いたのは、その飲みやすさです。
ストレートで飲むよりも、ずっとまろやか。これなら毎日飲みたい、そんな飲み物になっています。
イメージとしては、カルーアミルクに少し似ていますが、それに薬草の香りがほんの少し加わった感じといえばよいでしょうか。
だいぶ酔いも回ってきました。しかし、もう1杯、ぜひ飲んでおきたかったのが鞆ハイボール。
ハイボールに保命酒を加えた鞆ハイボールは、甘さの苦手な人にも飲みやすいと感じました。他のお客さんからも、人気の飲み方のようでした。
その他に注文が多かったのは、保命酒の酒粕からていねいに作る甘酒です。寒い季節の温かい甘酒は、何よりのごちそうですね。
HOREIの営業時間
毎週金曜日の午後7時から午前0時までが、HOREIの営業時間です。
昼間は「昼から酒場 泡幸(あわゆき)」として営業しているお店を、金曜日の夜だけ佐藤さんが借りてHOREIを開いているのです。
そのため、フードメニューにはHOREIオリジナルのものの他に、泡幸のおばんざいもあります。
週末の夜を楽しもうと集まってくる大学生や、イベント出店でHOREIのことを知り、興味を持った社会人たちで店内は賑わっています。
お客さんがいっぱいになったら、席を譲り合ったり、カウンターのお客さんがお酒を手渡すお手伝いをしたり。
初めて出会うお客さん同士も、保命酒をきっかけとして話が弾みます。
HOREI出店まで
この場所での定期的な営業が始まったのは、2023年12月1日からです。
それまでは、イベント的に出店して少しずつ手応えを感じてきました。
最初の出店は2023年7月、福山駅近くの店舗を借りて。次は10月にiti SETOUCHI(イチセトウチ)内で。
11月には同じくiti SETOUCHIで開かれた「第13回備後ふくやま伝統産業展」に、備後絣や福山琴などとともに出店しました。
Instagramでの情報発信もスタートし、徐々に市民にもその存在を知られ始めています。
保命酒Bar開店までの経緯について、さらに詳しくお話を聞いてみましょう。
保命酒Bar HOREIのデータ
名前 | 保命酒Bar HOREI |
---|---|
住所 | 福山市伏見町3-16 TKK伏見ビル(昼から酒場 泡幸の場所) |
電話番号 | |
駐車場 | なし |
営業時間 | 金曜日 午後7時~午前0時 |
定休日 | 月、火、水、木、土、日 |
支払い方法 |
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予約の可否 | |
座席 | カウンター5席:テーブル数3 |
タバコ | 喫煙可能 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | 保命酒Bar HOREI |