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お好み焼き パルの奥上さん一家にインタビュー
パルは2022年現在、開店から21年になります。
地元のお客さんに愛され続ける秘密を知りたくて、奥上 力夫(りきお)さん、奥上 加代子(かよこ)さん、店主の奥上 純生(すみお)さんのお話を聞きました。
お客さんが育ててくれた店
オープンの経緯はどんなものだったのでしょうか。
力夫(敬称略)
サラリーマンをやっていたのですが、尾道の営業所から本社に転勤するように言われてしまったんですね。
でも、尾道を離れたくない。
じゃあ、会社をやめて店をやろうかと。
45歳のときでしたから、もし、店がダメだったらまた働けばいいかという気持ちでした。
当時、尾道にはラーメン屋が20軒、お好み焼き屋が60軒くらいあったんです。
ラーメンとお好み焼き、どっちにしようかと悩んで、お好み焼き屋にしました。
その頃、尾道ラーメンはまだ無名だったんですよ。
ラーメンを選んでおけば、今頃は行列のできる尾道ラーメンの名店になっていたのかもしれないけどねえ(笑)。
加代子(敬称略)
最初はほんの小さな店でした。
オープンしたのが4月でしたが、お客さんがどんどんこられて、毎日満席。
せっかく来てくれたお客さんも、店に入れずに帰っていくような状態でした。
それで8月には増築をして、それでも足りなくて、また広げて。
カラオケルームも増やしました。
その頃は休みを取る間もなくて、家に帰り着いたら疲れ果て、玄関先で寝ていたくらいです。
大学を卒業した息子にも店に入ってもらって、家族で切り盛りしてきました。
以前はラグビーや野球など、スポーツ関係の人たちが団体で来てくださってましたね。
今となっては広すぎるお店ですけど、ソーシャルディスタンスを保ちながら食べられるから、安心かしら?
開店当初から、今のようにたくさんのメニューがあったのですか。
力夫
はじめはお好み焼きと枝豆くらいのものでしたね。
今は60品以上あると思います。
お客さんのリクエストに答えていたら、だんだん増えてきちゃったんですよ。
お客さんに育ててもらって、今の店になりました。
お客さんのために作った小さなバイク
ゆっくりとお酒を楽しむお客さんが多いのですね。駐車場が広くて、車で来られるイメージですが。
純生(敬称略)
そうなんです。飲んだお客さんが代行運転で帰っていくと、食べるより代行の料金のほうが高くつくんですよね。
なんだかそれが申し訳なくて、僕がお客さんの車を運転して送っていけたらいいな、そのためにはお客さんを送っていったあと、店まで帰ってくる交通手段が必要だなと思って。
それで、お客さんの車に積み込めるサイズになるように、バイクを切ってつなげたんですよ。
ええっ?バイクを、切って、つなげるって、どういうことですか?
純生
普通のバイクじゃ、車に積めないでしょう?
だから、小さいバイクがほしいなと。
1年ぐらい調べて、重量やパワーからこのモデルだ、というのを絞り込みました。
インターネットで2台で7,000円になっていたものを見つけて、広島まで受け取りに行ったんです。
真ん中を切って短くつなぎ合わせ、走るために必要なものだけ残して小さく軽くして、30キログラムほどにできました。
ハンドルは、抜いてたためるように工夫しています。
ガソリンタンクも小さいものに交換しました。
ナンバープレートがついてる!ということは、公道を走ることが認められているバイクなんですね。
純生
そうです。軽自動車にも積めるサイズですけれど、届けも出してあるちゃんとしたバイクですよ。
これをお客さんのために作ったんですか。驚きです。
純生
ほかに、トゥクトゥクで送ってほしい、といわれるお客さんもいます。
トゥクトゥクって、タイの三輪タクシーのトゥクトゥクですか?
加代子
ええ。バイクよりも荷物がたくさん積めて、軽トラックよりも税金が安いんだと、純生がインターネットで探して買ったんです。
純生
これでお客さんを送っていると観光客がびっくりして、よく写真を撮られますね。
送っていく途中で動かなくなっちゃって、お客さんと一緒に押したこともあります。
せっかくの酔いが覚めるわと、叱られましたねえ(笑)。
お客さんが楽しんでくれるものを
お客さんに楽しんでもらうためのサービスの一部が、このバイクやトゥクトゥクなんですね。
力夫
そうですね。お客さんに楽しんでもらいたいから、よその店にないもの、話題になるものをメニューにも入れてきました。
業者さんと相談して取り入れたのが、カエルやザリガニです。
力夫
1トンくらいの大きな水槽を置いていたこともあるんですけどね。
仕入れた魚を泳がせて、よしよし、と思って次の日に店に来たら全滅していたときはがっかりしました。
顔にコブのあるコブダイとか、高級魚のイシダイを入れていたこともあります。
何匹かはすぐに注文があってさばいて出したんですが、1か月くらい水槽にいたイシダイもいてね。
お客さんからイシダイくれ、って言われたときにはすっかり情が移ってしまって、もう出せない。
料理するのを断りました(笑)。
そんなこんなで、赤字になるから水槽はやめましたねえ。
お客さんとともに21年歩んできた店
お話のなかで感じたのは、「お客さんのため」に歩んできた奥上さん一家の温かい気持ちでした。
お客さんに愛され、お客さんを大切にしてきた21年が、パルの味を作っています。
アットホームな雰囲気で、おいしいお好み焼きや他では食べられない変わった料理を食べたい人は、パルに足を運んでみてください。
お好み焼 パルのデータ
名前 | お好み焼 パル |
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住所 | 尾道市久保町1698-1 |
電話番号 | 0848-37-1003 |
駐車場 | あり 20台 大型車駐車可 |
営業時間 | 【水・木・金・土】午前11時30分~午後2時、午後6時~午後10時 【日・祝】午前11時30分~午後9時 【火】午後6時~午後10時 |
定休日 | 月 第2火曜日・第4火曜日定休 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 |
座席 | 60席 カウンター:4席 テーブル数:8 喫煙可能な個室(カラオケルーム)あり |
タバコ | 完全禁煙(屋外に喫煙スペースあり) |
トイレ | 洋式トイレ(一部和式トイレ) |
子育て | 座敷席あり |
バリアフリー | 駐車場から店内カウンターまでは段差なし |
ホームページ | 居酒屋お好み焼きパル |