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アップル スパイスの店主・荒川 美智子さんへのインタビュー
昭和58年の創業以来、地元のお客さんに愛されているアップル スパイス。
内容盛りだくさんのアップル ランチや創業以来の人気メニュー・カレー、自家製のケーキなど魅力がいっぱいです。
アップル スパイスの店主・荒川 美智子(あらかわ みちこ)さんへインタビュー。
開業の経緯や店のこだわり、今後の展望などについて話を聞きました。
インタビューは2020年10月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
福山でもいち早くコンクリート打ちっぱなしの内装を取り入れて開業
開業の経緯を聞きたい。
荒川 (敬称略)
しかし諸事情が重なりまして、自分たちの店を開こうと決めたんです。
それで、ちょうどピッタリの物件が見つかりました。
そこが今アップル スパイスがある場所です。
そのような経緯で、昭和58年(1983年)7月にアップル スパイスを開業しました。
当時から今のようなコンクリートの打ちっぱなしの店内だった?
荒川
はい。創業時から今と同じ雰囲気ですね。
当時は、コンクリートの打ちっぱなしの店内は福山ではめずらしかったんです。
夫が京都市に住んでいたことがあったので、知人が京都にいました。
開業前に、京都を訪れたときにコンクリートの打ちっぱなしの店へ行ったんです。
見たことがない雰囲気に感動して、福山にあまりない雰囲気の店だから福山でやったらおもしろいだろうと。
いわば、当時の最先端でしょうか。
それで自分たちの店にも取り入れたんです。
店名はビートルズに由来。元は音楽好きが楽しむ店だった
ちなみに店名の由来は?
荒川
実は、ビートルズに由来しているんです。
ビートルズが起ち上げたレコード会社「アップル・レコード」からアップルを取りました。
つまり「アップル スパイス」は、「ビートルズに刺激を受けた」って意味です。
夫が音楽好きで、ビートルズが好きだったから。
開業前に夫が京都に行ったとき、京都では変わった英単語を組み合わせた店名があったので、アップル スパイスという名前を思いつきました。
カレーを出しているので、よく「リンゴや香辛料を使った料理が名物だから付けた店名なのでは?」と間違われますが、それが由来ではありません(笑)。
時代の変化に合わせ、店のコンセプトも変化
店のコンセプトとかメニューも変わっていない?
荒川
いいえ。
同じものもありますが、変わったものも多いです。
もともとはお酒を飲むのがメインでした。
さきほどのとおり、夫は音楽が好きだったので、音楽好きが集まって楽しむバーのような感じです。
フードは乾き物などのオツマミが多かったですね。
ただ現在もあるカレーライスは当時からも置いていて、人気がありました。
お客さんは、若い世代が多かったですよ。
学生だったり、若手の社会人だったり。
やっぱり当時は地元にあまりない店でしたし、音楽が好きな人が集まる店だったので。
DJイベントのようなものも開催しましたね。
夫がDJをしたりして(笑)。
その後、夫が他界したため私が中心になって店を運営することになったんです。
音楽をコンセプトとしていたのは夫ありきでした。
そこで、昼のランチなどもこだわるように変えてきたんです。
それは時代の変化で、お客様が求めるものが変わったのもありました。
ただ夫が亡くなったあとも、ありがたいことに今も当店に来られる昔からのお客様も多いんです。
なかには子供が生まれて、親子で来られるかたまでいます。
カレーは昔からあるとのことだが、カレーの味も変わっていない?
荒川
いいえ。
大きな変化はしていませんが、小さな変化(マイナー・チェンジ)はしています。
たとえばカレーのスープの取りかた、スープに使う食材は何度も変えているんですよ。
前はおいしいと思っていたものが、今はそこまでおいしいと思わないようになって、変えていったりすることもあります。
時代が変わるにつれて、新しくおいしいものが登場したりもしますよね。
だから、新たにおいしいと思う食材などがあったら、試すこともあります。
もちろんカレーだけではありません。
どの料理も少しずつ変化はしていますよ。
同じことを続けるのも大変ですが、少しずつ何がベストなのかを探っていくのも大事だと思うんです。
日々いろいろと考えて料理をつくっています。
生産者の顔が見える食材を使った手づくり料理にこだわる
ほかにメニューでのこだわりは?
荒川
できる限り”生産者の顔が見える“ような食材を使って、手づくりで料理をしています。
地元や周辺地域のものも積極的に使っていますね。
たとえば、お米は笠岡の生産者のかたのものを使っています。
ほかにも生産者のかたから、規格外品などを仕入れたりしていますね。
紹介されたり、教えてくれたりされて人と人とつながりが増えていって、だんだんといろいろな食材が手に入ってくるようになったんです。
一般的な小売店で買うこともありますが、それも”生産者の顔が見える”食材を選ぶようにしています。
あとは水や調味料も安心・安全なものを探して使っていますよ。
それは昔からのこだわりだった?
昔は違いました。
時代的にあまり求められていなかったこともあるでしょう。
しかし時代が変わり、安心感のある食材を使った料理が求められるようになりました。
もうひとつ、夫が体調を崩したことも大きいです。
家庭での料理で、まずは水や調味料などからこだわり始めたのがきっかけ。
それで、さきほどのように時代の変化もあり、店でも食材や水・調味料などにこだわり始めました。
もちろんおいしいのが前提なので、自分たちが食べておいしいと思えるものを出します。
そのうえで、生産者の顔がわかる食材や安心感のある調味料などをつかって、自分たちが食べておいしいと思う手づくりの料理を出しているんです。
予約すれば、宴会向けのおまかせコースがあると聞いた。
荒川
はい。
事前に予約していただいて会食や飲み会などをされる場合、出す料理やオードブルなどは、お客さんの要望を聞いていろいろ用意ができます。
たとえば「年配のかたがいるので、年配のかたにも好むような料理を出してほしい」という要望があったとき、刺身を出すこともありました。
刺身は、安心のできる店にお願いします。
あとお祝いをするというときは、赤飯や鯛料理を用意したこともありました。
もちろん、アレルギーなどで避けている食材があれば、対応します。
このように宴会メニューは、事前にご説明いただければ柔軟に対応できるんです。
これは当店の強みですね。
店の横のスペースで、バーベキューをしたこともあります。
体にやさしくおいしい料理とともに人が集まる店を目指して
今後の展望があれば、教えてほしい。
荒川
以前は、どちらかといえば夜のお客さんが多かったんです。
ただ、2020年(令和2年)に入り新型コロナウイルス感染症の流行で、大きく状況が変化しました。
いろいろと大変ですが、逆にこれを機に店の体制も変えるチャンスかなと捉えています。
ランチや、夕方のお客さんを増やしていきたいなと考えているんです。
あとは人と人とのつながりを大事にしたいですね。
以前も音楽好きが集まる店でした。
今は、当店でニット教室や英会話教室なんかを開いています。
体にやさしくおいしい料理とともに、人が集まる店を目指したいですね。
毎日でなくてもいいので、たまにフッと「久しぶりにアップル スパイスに行ってみようか」と思ってもらえると幸いです。
地域に長年愛されている老舗カフェ・アップル スパイス
栄養バランスよく、彩り鮮やかで盛りだくさんなアップルランチ。
創業時からの人気メニューで、トッピングが魅力的なカレーライス。
さらに自家製トマトソースと具だくさんなのがうれしいパスタ。
パリパリの薄い生地がクセになるピザ。
また自家製ケーキに、豊富にそろうアルコール類。
アップル スパイスの魅力はたくさんあります。
しかも食材にもこだわり、地元や周辺地域のものを積極的に使っている点もうれしいポイントです。
体にやさしくおいしい料理とともに、昭和58年の創業から長きにわたって地元のみなさんに愛されている老舗カフェへ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
アップル スパイス (APPLE SPICE)のデータ
名前 | アップル スパイス (APPLE SPICE) |
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住所 | 広島県福山市東川口町4丁目12-16 |
電話番号 | 084-954-0937 |
駐車場 | あり ・共用で30台 ・駐車位置は自由 |
営業時間 | 午前11時30分〜午後9時(予約があるときは午後11時30分まで) |
定休日 | 水 ほか不定休あり |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 可 電話、または食べログで予約 |
座席 | 全20席 ・カウンター席:4脚 ・5人がけテーブル席:1卓 ・4人がけテーブル席:1卓 ・3人がけテーブル席:1卓 ・2人がけテーブル席:2卓 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ベビーカー入店可能 |
バリアフリー | ・車椅子入店可能 ・トイレは車椅子非対応 |
ホームページ | アップル スパイス 公式インスタグラム |