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一丁の店主・黒岩光輝さんにインタビュー
福山駅前で人気の尾道ラーメンを提供する尾道ラーメン 一丁。
地元の熱烈なリピーターのほか、観光や仕事で福山に来たかたも虜(とりこ)にしているそう。
そんな尾道ラーメン 一丁を運営する株式会社 一丁の代表取締役・黒岩 光輝(くろいわ みつてる)さんにインタビュー。
開業の経緯や店名の由来、店のこだわり、今後の展望などについて話を聞きました。
インタビューは2020年10月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
大衆中華料理の世界を経て、ラーメン店として独立
黒岩 (敬称略)
もともと私は飲食店で長く働いてきました。
開業の経緯を教えてほしい。
黒岩(敬称略)
もともと私は、飲食店で長く働いてきました。
料理に興味をもち、最初はホテルに就職しました。
やってみたかったのはラーメンではなく、西洋料理。
でも、料理以外の職種の担当が長く、なかなか料理に関わる職種をさせてもらえなかったのです。
それで転職を決意し、自宅から近く、さらにすぐに料理の仕事をさせてもらえる仕事を見つけました。
それは大衆中華料理の店です。
もともと西洋料理を目標としていましたが、料理をすぐにできる仕事を優先しました。
その後、大衆中華料理を中心にいろいろな店を経験し、商業施設内にある中華惣菜の店で働くようになったんです。
しかし、その店が閉店することになりました。
その店の系列の店もあったんですが、自分で店をしてみたいなという気持ちもあったのです。
料理の世界に入って働いているうち、いつしか自分の店を持ちたいという目標をもつようになりました。
店の閉店時、今がそのときかなと考えたんです。
店をするなら今までの経験を生かして大衆中華がいいですよね。
でも大衆中華料理店は、メニューが多いから一人でやるのは大変。
だったら、大衆中華のなかでも人気のあるラーメンをメインにした店をしようと。
福山は尾道ラーメンが根付いているので、ラーメンをやるなら尾道ラーメンの店だなと決めました。
あと、自分の生活も理由です。
店を出すときは自分は36歳。
家族の生活ができるような業態を考えると、ラーメン屋がベストだなというのもありました。
そうして一丁を開業したのが、1997年(平成9年)12月です。
場所は今はなき「繊維ビル」の一角。
(2020年)現在「アイネス フクヤマ」がある場所ですね。
なぜ繊維ビルに出店した?
黒岩
不動産屋からは、いろいろ物件を紹介されていました。
繊維ビルは古い建物で、正直「こんな場所で商売しても儲からないのでは?」と思っていました。
でも試しに繊維ビルを訪れてみたら、繊維ビルの中に入っている店にすごくお客さんが入っていたんですよ。
まわりにはあまり行列のできる店はなかったのに、繊維ビルの中の店は行列ができて繁盛している店がいくつもあったんです。
それで、ここはいい場所だと気づいて出店を決めました。
当時から、同じ店名?
黒岩
そうですね。同じ店名です。
正式には、屋号は「一丁」。
尾道ラーメンと付けているのは、わかりやすくするためです。
一丁の由来は、テレビドラマなんですよ(笑)。
岸谷五朗さんや江角マキコさんが出ていた『月の輝く夜だから』というドラマです。
ちょうど、店を始める年の夏くらいにやっていたドラマですね。
ドラマの舞台となっているのが、「一兆」というラーメン店でした。
ラーメン店がドラマの舞台になっているのはめずらしいですし、ちょうど開店を考えている時期でしたので「これだ!」と思いついたんですよ。
ただ字画を調べてみると、同じ「いっちょう」でも「一丁」のほうが字画がよかったんです。
一丁は老若男女にわかりやすいし、ラーメン店らしい名前だと思うので「一丁」に決定しました。
開業後の試行錯誤と入居ビル建て替えによる移転
黒岩
長く大衆中華料理の世界にいましたので、スタンダードなラーメンづくりはできました。
ラーメンはどうやって学んだのか?
黒岩
長く大衆中華料理の世界にいましたので、スタンダードなラーメンづくりはできました。
以前に働いていた店では、ラーメンも扱っていたので。
尾道ラーメンは未経験でしたが、飲食店で仕事をしているとラーメンに関する情報も入ってきたりするので、それをヒントにもしましたね。
あとは実際に食べてみて、それを参考にして研究しました。
尾道市内に、私とほぼ同世代でほぼ同時期にラーメン店を始めたかたがいます。
その店の店主とよくいっしょにラーメン研究したのは、懐かしい思い出です。
切磋琢磨したその店主とは、今も懇意にさせてもらっています。
開店して、手応えを感じたのはいつごろ?
黒岩
開店して3年目くらいではなかったでしょうか。
もう、最初の一年は手探りでしたね。
何度やってもスープの味が安定しない。
毎日、いろいろと試行錯誤を重ねました。
あるとき、もう疲れて考えるのをやめたんです。
すると不思議なことに味が安定してきだしたんですよ。
おそらく開店すぐということもあり、私は考えすぎていたんでしょうね(笑)。
黒岩
そうですね。繊維ビルで営業していたのは2008年(平成20年)2月までです。
その後、繊維ビルの建て替えで移転した。
黒岩
そうですね。繊維ビルで営業していたのは2008年(平成20年)2月までです。
繊維ビル建て替えに伴い、移転先をいくつか提示されました。
移転して売上が下がるのでは意味がないですから、私は駅前にこだわったんです。
駅前の候補地をいくつか見て歩きました。
でも、なかなか決まらなかったんですが、消去法で決めたのが現在の場所。
それで2008年3月から、今の店舗で再スタートしたんです。
最初はこの場所で大丈夫か不安でしたが、おかげさまで2020年の新型コロナウイルス感染症禍までは、順調に売上を伸ばしていけました。
熱い食べ物はより熱くしたほうがおいしい! 一丁のラーメンのこだわり
黒岩
いろいろこだわりはありますが、一番はスープの温度。
当店のラーメンのスープは、熱めなのがポイントです。
一丁のラーメンのこだわりは?
黒岩
いろいろこだわりはありますが、一番はスープの温度。
当店のラーメンのスープは、熱めなのがポイントです。
やっぱり熱いものは、より熱くしたほうがおいしいと思います!
ラーメンのスープは、タレをラーメンの元になるスープで割るスタイルと、割らないストレートスタイルがあるんです。
割るスタイルの場合、ラーメンの元のスープが熱々でも、タレが熱くなかったら温度は下がってしまいますよね。
だからといってタレを温めたら、味が変わってしまってうまくできません。
当店はタレをスープで割らないストレートのスタイルにしています。
ですが、それを冷めないように温めていると煮つまってしまって味が悪くなり、使えません。
なので煮つまったりして味が変わらないよう、火加減を調整することで熱々のスープを実現しています。
なかなか、この調整が大変です。
ほかにこだわったり、力を入れていることは?
黒岩
従業員の労働条件改善に、力を入れました。
私も経験しましたが、飲食店で働くのは労働条件や環境が過酷なことが多く、大変です。
ですから、少しでも従業員に仕事をしやすくしたいと思うようになりました。
一丁では、週休2日が基本です。
勤務時間も長時間にならないよう、交代をしたりして調整しています。
やはり環境が整うと、生き生きと働けますね。
適度な欲をもちつつ、人生を豊かにするために売上を伸ばす
黒岩
やっぱり、売上は伸ばしていきたいです。
今後の豊富や展望、今後やってみたいことがあれば教えてほしい。
黒岩
やっぱり、売上は伸ばしていきたいです。
というのも、やっぱりお金に余裕がないと心に余裕ができません。
心に余裕がないと、人にやさしくできないと思うんです。
ただ売上を伸ばすといっても、欲を出し過ぎたらダメ。
かといって欲がないと、前向きになれません。
適度な欲をもっていきたいと思います。
だから、より効率的に売上を伸ばしていくために、多店舗化は考えていません。
今の1店舗の運営に集中し、よりよい店づくりを目指すのが目標です。
そして、働いてくれている従業員のみんなの生活を充実させてあげたいと思います。
福山駅前で一丁自慢の尾道ラーメンを
福山駅前で人気の尾道ラーメン店・一丁。
実は、私も取材前からときどき食べに行っている店です。
福山駅から近く、駅を利用するなら一丁は行きやすいのも魅力です。
地元のかたはもちろん、遠方から来て尾道ラーメンを食べてみたいというかたにも、ぜひ一丁を訪れてほしいと思います。
そして、黒岩さんの熱い思いがこもった、熱々スープの尾道ラーメンを堪能してみてください。
尾道ラーメン 一丁のデータ
名前 | 尾道ラーメン 一丁 |
---|---|
住所 | 広島県福山市三之丸町3-7 (土井ビル1階) |
電話番号 | 084-928-5280 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前11時〜午後10時 |
定休日 | 木 |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 不可 |
座席 | 全22席 ・カウンター:22脚 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 和式トイレ |
子育て | ・ベビーカーの入店可能 ・子供用食器あり |
バリアフリー | ・車椅子での入店可能 ・トイレは車椅子非対応 |
ホームページ | 尾道ラーメン 一丁 | 福山駅前商店 |