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メゾンドシェフごはんの代表・山下 慶崚さんへインタビュー
こだわりの食材を使ったおいしい丼やオムライスが楽しめるメゾンドシェフごはん。
代表の山下慶崚(やました よしちか)さんに、開業までの経緯や店のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。
インタビューは2021年4月の初回取材時に行なった内容を掲載しています。
ホテルで料理人として働きシェフに
料理の世界に入ったキッカケは?
山下(敬称略)
もともと小さなころから料理は好きで、家でつくる機会はありました。
でも、料理人になったり料理に関する仕事をしたりなんてまったく考えていなかったんです。
高校の卒業が近くなったころ、親戚から「大阪のとあるホテルが開業することになり、料理人を募集しているからどうだ?」とすすめられたんですよ。
それで、なんとなくやってみようかなと軽い気持ちで大阪のホテルに就職したんです。
ホテルではどんな仕事を?
山下
フランス料理をメインで扱っていたんですが、最初の数年はずっと下積みでしたよ。
皿洗いや清掃、食材や道具の運搬、買い出しなどがメインです。
大きなホテルだったんで厨房も広くて「氷を取ってこい」といわれても、50メートルくらいの距離を走らないといけなくて……。
しかも私は調理師の勉強をしていませんので、専門用語はもちろん、食材の名前すらわからない状態。
はじめの1年くらいは辛くて、常に「いつ辞めようかな」とタイミングを探っていましたね。
するとそんな雰囲気が伝わるのでしょうか、先輩から「おまえ、辞めようと考えているだろう? もう少しやってみたらどうだ」と声をかけられるんですよ。
だから先輩など、同僚には恵まれたなと思います。
そして2年半くらい経ったころでしょうか、やっと包丁を握って作業をさせてもらえるようになったんです。
料理の世界に入った以上「シェフ(料理長)になりたい」と思うようになり、それを目標にがんばりましたね。
その後は大阪のほか、広島や東京などのホテルでも勤務しました。
そして念願のシェフになれたんです。
新たなやりがいを求め地元でフランス料理店を開業
自分の店を開業した経緯は?
山下
念願のシェフになりましたが、実際にシェフになってみるとあまり楽しくなかったんですよ。
ホテル全体でみるとシェフというのは管理職ですから、どうしても書類作成や数字の計算などの事務作業の割合が多くなります。
私は積極的に料理をしていたほうなんですが、それでもシェフになる前に比べると大幅に料理をする機会は減っていました。
だから、いつしか自分の店を持って自分の思うように料理をしたいという気持ちが芽生えたんです。
でもなかなか踏ん切りがつかず、構想だけで終わっていました。
そんなある日、たまたま私一人で店にいたときに、とあるお客様が訪れたんです。
そのかたは、ある業界で活躍され評価されている実業家のかたでした。
そのとき一対一でほかに誰もいなかったので、いろいろ話しているうちに、自分の悩みや店をやりたいことを相談してみたんです。
するとそのお客様は「絶対に店をやったほうがいいよ!」と後押ししてくれたんです。
成功の秘訣など、深い話も語ってくれましたね。
この出会いがキッカケで、自分の店を持つことを決意しました。
店はすぐに開業した?
山下
いいえ。 3〜4年かけて準備しました。
最初、場所は神戸にしようかなと考えていたんです。
しかし出身地・福山の友人と話していたとき「福山では、フランス料理店は少ない。福山でフランス料理は結婚式で食べるもの」と言っていたんですよ。
それで「だったら福山にフランス料理を根付かせてやる」という気持ちになり、福山に帰郷して開業することにしました。
卒業以来、地元で働いた経験がなかったのも理由です。
そして帰郷して、開業する前に地元の居酒屋で働くことにしました。
居酒屋の世界に興味を持ち、自分の店を開業する前に居酒屋の世界を知りたかったんです。
居酒屋で働いていたとき、支店として洋風居酒屋が新規オープンし、店長を任されました。
この新規店の店長経験は、のちの自分の店を開業するときに非常に役立ちましたね。
ほぼ運営を任されていたので、自分の店を運営するシミュレーションのような感じでした。
そして2000年(平成12年)の10月に、現在地にフランス料理店「ビストロ メゾン・ドゥ・シェフ」を開業したんです。
数年間あたためていたコンセプトの店を実現するためリニューアル
フランス料理店から現在の洋食店に衣替えしたのは、なぜ?
山下
業態変更の案は、2018年(平成30年)くらいから考えていました。
業態を変更したタイミングがちょうど新型コロナウイルス感染症の流行と重なったので、コロナが原因と間違われますが……。
変更を考えた理由は、フランス料理店時代の運営だと、私が年をとってくると負担が大きいから。
フランス料理店って、意外とハードなんです。
そうなると、お客様やスタッフにも迷惑がかかります。
そこで自分一人で切り盛りでき、忙しいときでもごく少数のスタッフがいれば成り立つ店をやろうと思いました。
そのためには、あるメニューに特化したコンパクトな店がいいと思ったんです。
今は、特化した店が多いですよね。
たとえばパンだと、食パン専門店・メロンパン専門店・クロワッサン専門店などがあったりします。
ラーメン店でも、醤油ラーメンだったり豚骨ラーメンだったり、いろいろ特化した店がありますよね。
そんななかで考えたのが、オムライスに特化した洋食店でした。
なぜ、オムライスを選んだ?
山下
単純に私がオムライスが好きだから、やってみたかったんですよ。
フランス料理では、オムライスは出てきませんので。
しかもオムライスは、年配から小さな子供まで好きな人が多いですよね。
ですからフランス料理の経験・技術を生かしたオムライスを出す店をやろうと決めました。
そして2020年(令和2年)4月30日に、洋食店「メゾンドシェフごはん」としてリニューアルオープンしたんです。
ただ、その時期は新型コロナウイルス感染症の影響まっただなか。
だから最初は、テイクアウト専門でスタートすることにしました。
まず、テイクアウトのみでステーキ丼を出す店として始めたんです。
それから緊急事態宣言が明け、店も軌道に乗ってきたときに満を持してオムライスを登場させました。
丼は思ったより好評でしたので、オムライス登場後も丼は引き続き提供することにしたんです。
一時期パスタなどもやりましたが、負担が大きかったので取りやめています。
そして、オムライスと丼という二本柱の洋食店となりました。
フランス料理のノウハウを生かし、体にいいおいしいもの・本当の味が楽しめるものを
料理の特徴やこだわりを教えてほしい。
山下
やはり特徴は、私は長年フランス料理の世界にいましたので、フランス料理で培った技術や知識などをオムライスや丼に生かしていることですね。
オムライスは普通、ごはんはチキンライスのようなケチャップ味ですよね。
ですが、当店では炊き上げピラフにしています。
これもフランス料理の技術を使って、おいしいと思えるオムライスを追求したから。
オムライスにかかっているデミグラスソースもそうですね。
ステーキも、ホテル勤務時代に鉄板料理を長く担当していましたので、それを生かしたものを食べてほしいから出しています。
それと、おいしくて体にいい食材を使うようにしています。
私自身が食べてよかったもの、おいしいと思ったものを使うようにしているんです。
やっぱりお客様にはおいしいものを食べてほしい、本物の味を知ってほしいから。
体によくって、おいしくて、しかも高くないって最高じゃないですか!
塩なんかでもそうですし、味噌汁に使っている一本釣りカツオのカツオ節もそう。
私が食べてみて、おいしくて感動したものです。
赤城牛は、ホテル時代の同僚が埼玉県で店をしているのですが、その同僚が使っている肉でした。
あるとき同僚の店に行ったときに食べ、とてもおいしかったんですよ。
一人でも気軽に入れるカジュアルな店づくり
店の運営面での特徴やこだわりは?
山下
カジュアルで、気軽に入れる店を意識しています。
フランス料理店は、どうしてもおめかしして行くイメージがあったりしたので。
メゾンドシェフごはんは、制服の学生や作業服のお勤めのかたまで気楽に来ていただける店です。
お子様連れのかたも、大歓迎ですよ!
そのため私も料理人の制服をぬぎ、カジュアルな服装で仕事をしています。
テーブルクロスなども外しました。
仕事中のランチや友達との会食、学校帰り・仕事帰りにフラッと晩ごはんに食べに来るなどしていただきたいですね。
メゾンドシェフごはんに業態を変えて、フランス料理店時代より若いかたの来店が多くなりました。
若い男性お一人で来店され、当店で食べておいしいと言ってくれるのは以前ではあまりなかったので、とてもうれしいですね。
70代、80代までずっと店を続けていきたい
今後の展望などがあれば教えてほしい。
山下
70代、80代まで店を続けていきたいですね。
そもそも「メゾンドシェフごはん」は、高齢になってもやっていける店を考えてつくりましたから。
今、世の中には簡単・便利な料理・食材がたくさんあります。
簡単・便利なものもあっていいと思います。
科学の力を使って、おいしくなるように計算された食べ物ですから、当然おいしいです。
もちろん、それはそれでいいと思います。
ただせっかくわざわざ当店に来ていただけるのですから、当店では簡単・便利な料理とは違う味を楽しんでほしいですね。
だから当店で本当においしいもの、食材の本物の味を楽しんでほしいです。
フレンチシェフのこだわりが詰まったメゾンドシェフごはんのオムライスと丼
長年ホテルでフランス料理を経験し、約20年にわたり自身のフランス料理店を運営してきた山下さん。
そんな山下さんがフランス料理で培ってきた知識や技術、食材への思いが生かされたオムライスや丼は、まさに絶品と思えました。
オムライスやステーキ丼といえば、濃いめの味付けの印象があるかもしれません。
メゾンドシェフごはんのオムライスも丼も素材の味わいを大事にし、やさしくてジンワリとおいしさが感じられ、余韻が楽しめる味です。
ぜひメゾンドシェフごはんで、山下さんのつくる至高のオムライスや丼を堪能してみてください。
メゾンドシェフごはんのデータ
名前 | メゾンドシェフごはん |
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住所 | 広島県福山市三之丸町8-25 |
電話番号 | 084-973-8337 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前11時~午後3時 ※ラストオーダーは午後2時30分 |
定休日 | 水 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 不可 テイクアウトのみ事前予約可能 (提供時間の関係で、テイクアウトは事前予約を推奨) |
座席 | 全25席 ・カウンター:7脚 ・4人がけテーブル:3卓 ・6人がけテーブル:1卓 ※新型コロナウイルス感染症拡大対策で減席中 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ベビーカー入店可能 子供用椅子1脚あり(高さ調整不可) 子供用食器あり |
バリアフリー | 車椅子入店可能 トイレは車椅子非対応 |
ホームページ | メゾンドシェフごはん |