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リトル セトウチの代表・クリエイティブディレクター谷田 恭平さんへインタビュー
お客にも、店側にも魅力があるシェアキッチン・リトル セトウチ。
運営する株式会社 umika(ウミカ)の代表取締役でクリエイティブディレクターの谷田恭平(たにだ きょうへい)さんに、開業の経緯や施設の特徴、今後の展望などの話を聞きました。
「リノベーションスクール」で出会った者たちで起ち上げる
開業の経緯を知りたい。
谷田(敬称略)
もともと私は瀬戸田町(現 尾道市)出身なのですが、東京で設計士として建築関係の仕事をしていました。
2018年(平成30年)に福山市が主催した、まちづくりについて学ぶ「リノベーション スクール」に参加したのですが、これがリトル セトウチが誕生するキッカケです。
チームに分かれていろいろなアイデアを出していたのですが、私のいたチームで古い建物を改装してシェアキッチンにするという構想が出ました。
これは実現できたらおもしろいなと思ったんですが、私は建築畑の人間。
建築以外のことはわかりません。
リノベーションスクールには、さまざまな分野のおもしろそうな人がいましたので、ほかのかたに力を貸してほしいと思いました。
そこで参加者のかたがたにお声がけし「クリエイティブチーム umika」が誕生したんです。
umikaのメンバー(現 株式会社umikaの役員)には、備後とことこで紹介したアンカーホテルを運営するサン・クレアの東 真貴さん、ジンジャー ダイヤモンドの中尾 圭吾さんも名を連ねている
クリエイティブチームがのちのumikaの前身となった?
谷田
はい。
起ち上げの約半年後の2019年(平成31年)3月に法人化して、株式会社 umikaが誕生しました。
最初は施設の管理をする家守(やもり)会社として活動を始めています。
伏見町にある4階建ての建物(現在のリトル セトウチがある建物)を一棟まるまる借りました。
もともとギャラリーカフェがあった建物だったのですが、20年以上前にカフェは廃業していて、カツラ・ウィッグの店があるのみの状況。
カツラ店が退去していただけたので、一棟をumikaで管理することになったのです。
そして上の階はテナントとして貸し出し、1階をシェアキッチンとして改装しました。
こうして2020年(令和2年)1月にリトル セトウチとしてオープンしたんです。
「リトル セトウチ」という名前の由来は?
谷田
リトル セトウチには「瀬戸内という地域の人や生活にフォーカスする」という意味合いがあります。
人の営みなど小さな部分にスポットライトをあて、瀬戸内のおもしろさや魅力を感じてほしいんです。
食文化もそのひとつですね。
非常駐管理なので、低コストで高スペックな設備が週一で利用できる
さまざまな事業案のなかから、シェアキッチン事業を始めた理由は?
谷田
シェアキッチンは初期投資はかかるのですが、運営コストが低いんです。
しかも入居者の協力があれば、無人管理も可能じゃないかと思いました。
さらに創業支援という側面もあります。
これは挑戦する価値があるなと思ったんです。
無人管理とは。
谷田
普段はumikaのスタッフが常駐していません。
多くのシェアキッチンは、営業終了後に清掃がちゃんとできているかとかのチェックがあります。
しかしリトル セトウチは無人管理なので、チェックもありません。
営業終了後は次の店舗が利用するのですから、次の利用者のかたに迷惑にならないように片付けるのをお願いしています。
そのため、利用者同士で協力してもらっているんです。
またumikaのスタッフも、私を含めてみんなリトル セトウチのほかに別の仕事を持っています。
だからリトル セトウチは利用者だけでなく、スタッフにも負担がかからないようにしているんですよ。
ほかの特徴は?
谷田
水道光熱費が固定なのもポイントです。
だから売上の見通しが立てやすいのは、ポイントではないでしょうか。
リトル セトウチは非常駐管理なので、低コストで高スペックな設備が週一で利用できるのがセールスポイントです!
運営上、心がけていることは?
谷田
町の行事には参加するようにしています。
リトル セトウチも伏見町商店会に属していて、地域に根付いた施設運営を心がけているんです。
もともと「まちづくり」を目指して始まったものですから、地域に根差した施設にならないといけません。
ですから利用者のかたにも協力をしてもらっていますね。
入居のときにも、地域の行事への協力はご理解いただいています。
リトル セトウチで実験営業し、卒業して実店舗をもった人も
リトル セトウチの利用事例を教えてほしい。
谷田
インターネットを使ったケーキの通信販売をしている「kizashi(キザシ)」という店が、リトル セトウチを利用していました。
非常に人気のケーキで、その後リトル セトウチを卒業されて「Bunki(ブンキ)」という実店舗を出しています。
リトル セトウチを使って通販で実験的に販売をし、手応えを得たので実店舗を出したという事例です。
通販の店だったので、お客様のなかには「あのケーキ屋は地元の店だったのか!」と驚いたかたもいるとか。
私自身も驚きましたが、そんなすごいかたとつながったのもシェアキッチンを始めたからですよね。
ほかにリトル セトウチで実験営業したのち、手応えを感じて実店舗を出した店として「春日スンドゥブ」さんもあります。
もともとバーの「あき乃」(アンカーバーなどを運営)さんが、新規事業としてリトル セトウチでスンドゥブ専門店「伏見スンドゥブ」を始めました。
これがとても好評でして、郊外へ移転して実店舗での営業を始めたんです。
このように、いずれ自分の店を持ちたいという夢をもったかたや、新規事業を始めたい既存店が、リトル セトウチを実験営業の場として利用されることは多いですね。
ほかの事例もある?
谷田
実験店舗とは違った目的では、ブランディング目的で運営のかたもいます。
もともとキッチンカーの移動販売をしていて、週一でリトル セトウチで営業するかたもいました。
リトル セトウチで営業することで、多くのかたに店名や料理を知ってもらえます。
またもともと飲食店で働いていたけど、生活環境の変化によって断念したが、今の生活環境に合う形で飲食店をやりたいというかたの利用もありますね。
あとめずらしい事例としては、ベーグル専門店の「MINORI BAGLE +(ミノリ ベーグル プラス)」ですかね。
リトル セトウチの初期から営業している人気店だったのですが、今年(2022年)からリトル セトウチを卒業し、市内にあるパン屋「タートル」の一商品として製造・販売するようになりました。
自分で実店舗を出すのではなく、既存店の一商品となったのはおもしろいですよね。
「ローカル=身近な生活」を地域価値にしていく
今後やってみたいことや展望はある?
谷田
umikaでは「ローカルを地域価値にする」というビジョンを掲げております。
そして「ローカルとは身近な生活圏」だと考えているんです。
身近な生活に価値を感じられれば、そこに住みたいと思ってもらえると考えています。
実は私たちは、シェアキッチン以外に「BOTANICAL DENIM(ボタニカル・デニム)」という活動もしているんです。
地元のアパレル企業と連携し、瀬戸内の果樹を用いた草木染めのデニムなどをつくっています。
また新たな挑戦として始めるのが「まちの空想倶楽部」というイベントです。
シェアキッチンは「はじめるを試す」ところですが、まちの空想倶楽部は「やってみたいを見つける」イベントとしておこないます。
我々はクリエイティブチームなので、業態・業界にとらわれず、ジャンルを横断していきながら価値をつくっていきたいですね。
あとはシェアキッチンに関していえば、備後とその周辺へドミナント出店をやっていきたいと考えています。
福山・尾道と出店したので、倉敷や三原などにも出店していきたいですね。
毎日違う楽しみがあるシェアキッチン・リトル セトウチ
曜日によっていろいろな店が楽しめるリトル セトウチ。
同じ場所でたくさんの店が楽しめるのは、とても魅力的です。
またお店を出したいという人にとっては、チャレンジの場、実験の場としても活躍するのではないでしょうか。
もしお店に挑戦したいという気持ちがある場合、まずリトル セトウチで営業してみるのもいいかもしれませんね。
リトル セトウチ(Little Setouchi) 福山伏見のデータ
名前 | リトル セトウチ(Little Setouchi) 福山伏見 |
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住所 | 広島県福山市伏見町4-22 |
電話番号 | |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前8時〜午後4時、午後4時〜午後11時 ※詳細な時間は店舗によって異なる |
定休日 | 休業は入居店舗による |
支払い方法 |
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予約の可否 | 入居店舗による |
座席 | 全15席 ・カウンター:5脚 ・5人がけテーブル席:2卓 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 和式トイレ |
子育て | ベビーカー入店可能 |
バリアフリー | 車椅子入店可能、トイレは非対応 |
ホームページ | リトルセトウチ |