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ラーメンハウスの店主・三代地 啓治さんにインタビュー
個性的で、クセになるおいしさのラーメンハウスのラーメン。
店主の三代地啓治(みよち けいじ)さんに開業の経緯やラーメンのこだわり、店の運営で大切にしていることなどの話を聞きました。
インタビューは2021年7月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
大分県での修業を経て、地元福山で昭和57年に開業
開業の経緯を知りたい。
三代地(敬称略)
大分県の大学に通っていて、卒業後に大分のラーメン店に就職しました。
けっこう規模が大きくて、人気のお店でしたね。
そのラーメン店の創業者の起業家精神や人生訓などに感銘を受けまして、それまで考えていたラーメン店のイメージが変わったんです。
それでラーメン店もいいなと思ったのが、ラーメンの世界に入ったキッカケですね。
大分のラーメン店で修業を積んだあと、地元の福山に帰郷して開いたのがラーメンハウスです。
開業したのは、昭和57年(1982年)6月14日。
途中で店舗のリニューアルをしましたが、同じ場所でずっと営業しています。
メニューのブラッシュアップを続けた結果、今のラインナップに
ラーメンハウスのラーメンのラインナップは、福山のラーメン店のなかではユニークな印象がある。
三代地
実は、創業時はもっとメニューのラインナップはたくさんありました。
でも今もメインとしているラーメンも、そのラインナップのなかにあったんですよ。
創業時は豚骨スープのラーメンがメインでした。
それを中心にいろいろな種類があったんです。
ほとんどが、修業先の大分のラーメン店で学んだメニューでした。
ちなみにその当時、福山で豚骨系のラーメン店は当店のほかは、もう1店くらいしかなかったですね。
その後、徐々にラインナップを見直していき、現在の4種類になったんです。
4種類になったのは、2000年代前半くらいだったと思います。
前は焼肉ラーメンとか焼そばとか、カレー味の中華丼なんかもありましたね。
それぞれの味に具材のバリエーションがあったりしたんですが、それは今はトッピングするという形でできますよ。
味噌・カレー・塩ラーメンは炒めた野菜が入るのが印象的だが、これはいつから始めた?
三代地
炒めた野菜が入るのは、ちゃんぽんをヒントにしています。
当店はちゃんぽんもメニューにありました。
そして味噌・カレー・塩ラーメンのバリエーションとして、それぞれ味噌ちゃんぽん・カレーちゃんぽん・塩ちゃんぽんがあったんです。
でも通常のラーメンよりちゃんぽんのほうが人気があるし、野菜の甘味や香ばしさも加わっておいしいので、ちゃんぽんを通常のラーメンとして出したほうがいいのではないかと思いました。
それで味噌ちゃんぽん・カレーちゃんぽん・塩ちゃんぽんを、味噌ラーメン・カレーラーメン・塩ラーメンとしたんです。
ちなみにちゃんぽんも当店にあったんですが、ラーメンの麺で提供する「ちゃんめん」というのもありましたよ。
店頭にカレーラーメンの看板があるが、売りはやはりカレーラーメン?
三代地
実は、当店の長年の一番人気は味噌ラーメンなんです。
2000年代前半に店舗をリニューアルした際、知人と話をしているときにアドバイスをいただきました。
カレーラーメンはほかに競合が少ないので、写真入りの看板を掲げてみたらいいんじゃないかと。
そのかたが当店のカレーラーメンのファンでもあったのもありますが(笑)。
看板を見て入店しカレーラーメンを食べられるかたも多いですし、口コミで噂が広がってカレーラーメンを食べられるかたもいます。
看板には「これが噂のカレーラーメン」と書いてあるんですが、実際は逆で、看板を掲げたあとにカレーラーメンの噂が広がりました。
これは作戦が成功しましたね!
「ラーメンハウスでなければ食べられない」と思っていただけるように研鑽を続ける
ラーメンのこだわりやポイントを教えてほしい
三代地
4つのラーメンのスープは、ベースはいっしょです。
現在の当店のラーメンスープは、私は「肉系」と呼んでいます。
というのも、ダシのメインに牛テールを使っているんですよ。
だいたい、4キログラムくらい使いますね。
当初は、さきほど話したように豚骨をメインに使っていました。
あるとき家の食事で、妻がとてもおいしいスープをつくったんです。
妻に聞いてみたら、牛テールでダシを取ったと。
だったら、試しにラーメンにも使ってみようと思いつき、やってみたらとてもおいしかったんです。
それで本格的に牛テールをダシに使ったスープをつくり、完成させました。
牛テールをメインにしだしたのは、2000年代半ばごろだったと思います。
福山はラーメン店が多いので、味の研鑽(けんさん)は欠かせません。
味のマイナーチェンジはたびたびおこなっていますよ。
やっぱり「ラーメンハウスでなければ食べられない」と思っていただけるようにしていくことが大切だと思っています。
麺には、こだわりはある?
三代地
麺は、北海道産「春よ恋」という小麦粉を100パーセント使っています。
春よ恋は、なかなか手に入りにくい小麦粉です。
あるとき製麺業者から紹介され、使うことにしました。
それを当店用に製麺してもらっています。
やっぱり小麦粉は国産がいいし、なかでも北海道産がいいですね。
小麦の香りが全然違うんです。
春よ恋は、2010年代前半くらいから取り入れました。
ラーメンハウスの麺は極細麺だが、理由は?
三代地
これは、完全に私たち夫婦の好みですね(笑)。
ラーメンをはじめ、うどんも・そば・スパゲッティーなど、麺類全般において細麺が好きなんです。
大切なのは安心・安全な食材を使うことと店の清潔さを保つこと
店の運営で気をつけていることがあれば、知りたい。
三代地
やはり、安心安全な食材を使うようにしています。
水は、創業時から電気分解された還元水をずっと使用しているんです。
野菜は国産のものを使います。
だから、国内でも時季によって産地が移ろいますよ。
同じ食材でも、時季や産地によって特徴が異なりおもしろいです。
チャーシューの豚肉は、国産の「もち豚」を使います。
昔は、どんな安い食材でもおいしく調理できることがプロの料理人でした。
今は違います。
お客様が安心・安全だと思える食材を使って料理を提供するのが、プロの料理人だと思います。
あとは整理・整頓をきちんとおこない、清潔さを保つことに気を配っていますね。
飲食店である以上、衛生面は気をつけなければいけません。
ですからこれからも安心安全な食材にこだわり、衛生面に気をつけながら、味の研鑽をしていくのが今後の展望ですね。
長いあいだ地元で愛されているラーメンハウス
とにかくラーメンハウスのカレー・味噌・塩ラーメンは、炒められた野菜の甘味や香ばしさがクセになります。
食べたあとの野菜の香ばしさの余韻も心地よいです。
また冷やしラーメンもほかにない個性的なもので、インパクトがあります。
ぜひラーメンハウスで長年地元から愛されている、ほかにないラーメンを堪能してみてください。
ラーメンハウスのデータ
名前 | ラーメンハウス |
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住所 | 広島県福山市千田町3丁目1−23 |
電話番号 | 084-955-5960 |
駐車場 | あり 店頭に2台、第二駐車場に6台 |
営業時間 | 午前11時30分〜スープがなくなるまで |
定休日 | 月、火 第三水曜日 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 不可 |
座席 | 全15席 ・カウンターのみ(ベンチシート席あり) |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ベビーカーの入店可能 子供用食器あり |
バリアフリー |